同じ部屋なのに、金属はなぜ木より冷たく感じる?

同じ部屋に置いた金属のスプーンと木の箸。触れると、金属の方が冷たく感じます。日光や暖房が直接当たらない場所に長く置けば、どちらもほぼ同じ室温になっているはずです。それなのに、なぜ感じ方が違うのでしょう。

ふつうの室内では、手はスプーンや箸より温かくなっています。触れた瞬間、熱は温度の高い手から、温度の低い物へ移ります。金属は木より熱を伝えやすいため、触れた場所へ移った熱が金属の中へすばやく広がります。すると手から金属へ熱が次々に移り、手の表面温度が速く下がるので、冷たく感じるのです。

木は熱を伝えにくく、触れた部分だけが手の熱で少し温まります。その先へ熱が移るのも遅いため、手の表面温度は金属に触れたときほど急には下がりません。冷たさの感じ方は、物の温度だけで決まるのではありません。手から熱を奪う速さでも変わります。

同じ場所に十分な時間置いた金属製品と木製品を、指先で短く触れ比べると確かめられます。熱した物や冷凍庫で冷やした物を使う必要はありません。接触式の表面温度計があれば、両方の温度も測ってみます。近い温度を示していても、指先では違って感じます。

「金属そのものが木より冷たいから」ではなく、「金属は熱を伝えやすく、手の熱が速く移るから」。温度と、熱の移り方は別の話です。