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習い事やスポーツを諦める前に

中学受験を考え始めると、どうしても時間の問題が出てきます。

塾に通い、宿題をこなし、家庭学習を進めていくと、これまで続けてきた習い事やスポーツをどうするか、という話になりやすい。

実際に6年生になれば、日曜日の模擬試験や特訓も増えてきますから、時間的に厳しくなる場面は確かにあるでしょう。

しかし、だからといって、最初からすべてをやめる方向で考える必要はありません。

私は、習い事やスポーツを続けることには、大きな意味があると思っています。

まず、子どもにとってそれが大事な居場所であることが少なくない。学校と塾だけになると、生活の中で受験勉強の比重が大きくなりすぎてしまうのです。

もちろん、受験勉強は大事です。志望校に向けて力をつけていかなければならない。しかし、子どもにとって毎日の生活が受験一色になってしまうと、かえって息苦しくなることがある。

その点、習い事やスポーツには、勉強とは違うリズムがあります。体を動かすこともあるし、友だちとのつながりもある。受験とは別の場所で、自分らしく過ごせる時間があることは、案外大事なのです。

もうひとつは、受験勉強だけをやっているから成績が上がる、とは限らないということです。

時間を増やせば何とかなる、と思いやすいのですが、実際にはそう単純ではありません。疲れて集中力が落ちれば、机に向かっていても中身が伴わないことがある。気持ちが切れてしまえば、勉強そのものが苦しくなることもあります。

それよりは、限られた時間の中で、やるべきことをしっかりやる方が、結果としてうまくいくことが多いのです。

中学受験では、時間がないことよりも、やることが整理されていないことの方が問題になりやすい。何を優先し、何を今はやらないかが決まっていないと、ただ忙しいだけで終わってしまいます。

だから、習い事やスポーツをやめるかどうかを考える前に、まず勉強の中身を見直してほしいのです。

今、本当に必要な勉強は何か。塾の宿題を全部やらなければいけないのか。復習の仕方は合っているのか。本人が苦手なところに、きちんと時間を使えているのか。

そこを整理してみると、意外に続けられることも少なくありません。

もちろん、受験学年の後半になれば、どこかで調整が必要になることはあります。大会や発表会を一区切りにすることもあるでしょうし、回数を減らすこともあるでしょう。

しかし、それは「受験だから全部やめる」という話ではなく、その子にとって何を残し、どう両立させるかを考えた結果であるべきです。

受験は大事ですが、子どもの生活全部ではありません。

習い事やスポーツを通して学んできたことはたくさんあるはずです。続ける力、仲間との関わり、できなかったことができるようになる経験。そういうものは、受験勉強の土台にもなっている。

ですから、簡単に切り捨ててしまわない方がいい。

大事なのは、何を諦めるかではなく、どう整理するかです。

受験勉強を中心にしながらも、子どもが子どもとして過ごせる時間をどう残すか。その視点を持っておくと、受験生活は少し違ったものになります。

受験勉強と習い事・スポーツの両立は、子どもによって形が違います。その意味ではフリーダムオンラインもお役に立つかも知れません。

偏差値表

最初に、本年の受験結果を受けて、各塾で2027年受験に向けた偏差値表が更新されていきます。

受験後半になると、多くのご家庭がこの偏差値表を見るようになります。縦軸に偏差値、横軸に受験日が並び、受験校を考える上でひとつの目安にはなるでしょう。

しかし、この表の使い方には注意が必要です。というのも、大人でもつい「上にある学校ほど良い学校だ」と思い込んでしまいやすいからです。

私は以前から、偏差値が高くても、子どもにとって必ずしも良い学校とは限らないし、偏差値がそれほど高くなくても、実に良い学校はたくさんある、というお話をしています。

たとえば、校地が広く、子どもたちが伸び伸びと過ごせる学校がある。一方で、校地は狭いが、管理をしっかり行い、その結果として大学受験の実績を伸ばしている学校もあるでしょう。後者の方が、保護者には安心感があり、人気も集まりやすい。その分、偏差値も高くなりやすいのです。

しかし、子どもにとって大切な6年間が、ただその先の受験準備のためだけに使われるとしたら、それはあまり幸せなことではありません。むしろ前者の学校には、偏差値表には表れない魅力があるかもしれないのです。

結局、いちばん大事なのは、その学校がわが子に合うかどうか、ということです。

偏差値が高くても、子どもに合わない学校に進めば、毎日の学校生活は苦しいものになりかねません。場合によっては不登校になってしまうこともあるでしょう。しかも、いったん学校生活の歯車が狂ってしまったとき、私立は公立ほど手厚く対応してくれるとは限りません。そこで苦労するご家庭も少なくないのです。

ですから、偏差値表はあくまでひとつの参考資料に過ぎません。学校選びは、ぜひご自身の目で学校を見て、この学校はわが子に合うのか、6年間を前向きに過ごせるのか、という視点で考えていただきたいと思います。

教えすぎない方が、最後は伸びる

家庭で勉強を見ていると、つい教えたくなるものです。

子どもが止まっていると、ここはこうだよ、と言えば早い。実際、その方がその場は進むでしょう。

しかし、教えすぎるのは考えものです。

入試本番で問題を解くのは子ども自身だからです。親が横で説明してくれるわけではない。自分で問題を読み、自分で考え、自分で立て直さないといけない。

だから、普段から少し待った方がいいのです。

黙っていても、子どもは考えていることがある。そこで答えに近いことを言ってしまうと、その考えは止まってしまいます。

もちろん、放っておけばいいわけではありません。必要な助けは要る。

ただ、すぐに答えを言うのではなく、どこで止まったのか、何を考えたのかを先に聞いてみる。すると、自分で整理できることが少なくありません。

親が教えすぎると、子どもは「わからなければ教えてもらう」と思いやすくなります。それでは、少し崩れたときに弱いのです。

中学受験で大事なのは、順調なときよりも、わからなくなったときに自分で考え直せることです。

だから、教えないのではなく、まず考えさせる。必要な分だけ助ける。その順番が大事なのだと思います。