復習だって大変だ

復習型の塾と予習型の塾がありますが、最近は復習型の塾の方が圧倒的に多くなりました。

家庭で予習をしてくることが難しい、という事情もあるでしょうし、塾としても「それ、もう知ってる」という子が増えると授業がやりにくい、という面もあるのだと思います。

もちろん、復習が十分にできるのであれば、それで構いません。

しかし今は、その復習自体がかなり大変になってきています。

毎週やることが多すぎるのです。宿題があり、課題があり、確認テストの準備がある。目の前のものをこなしているだけで一週間が終わってしまう。

そうなると、本来いちばん大事な「できなかった問題をもう一度やる」という時間が取れなくなります。ましてや、二週間前、三週間前に習った内容をもう一度見直すところまでは、なかなか手が回りません。

大量のプリントをきれいにファイリングしているご家庭は少なくありません。しかし、そのプリントをもう一度見直す時間があるかといえば、実際にはほとんどない、ということも多いのです。

ファイルは増えていく。ノートも増えていく。でも、それを見直す時間がない。これでは、復習型の塾に通っていても、結局は「習いっぱなし」になってしまいます。

だから、ある程度は勉強を絞り込む必要があります。

塾から出されたものを全部やることが理想ではありますが、子どもの時間も体力も限られています。すべてを同じ重さで扱うと、結局どれも中途半端になることがあるのです。

そこで大事なのは、「これだけはかっちり復習する」というものを決めることです。

算数なら、授業中にできなかった問題、テストで間違えた問題、解説を聞いてもまだ怪しい問題。国語なら、本文の読み違いをした問題、設問の条件を落とした問題。そういうものを優先して直す。

宿題をやること自体が目的になってしまうと、本当に必要な復習が後回しになります。

「課題さえやってもらえれば、復習は必要ありません」という話もあるようですが、これは少しおかしな話です。できなかったところは、子どもによって違うからです。

同じ課題を全員がこなしても、できるところは相変わらずできる。できないところはできないまま残る。そういう勉強になってしまうことがあります。

だからこそ、子どもの勉強の中身をよく見ておく必要があります。

何を間違えているのか。どこで時間がかかっているのか。どの課題は意味があり、どの課題はただの作業になっているのか。

復習だって大変です。

だからこそ、何を復習するかを決める。

たくさんやったかどうかではなく、できなかったことができるようになったか。そこを見失わないようにしたいものです。

式を端折る子

算数の答案を見ていると、答えは合っているのに式がほとんど書いていない、という子がいます。

頭の中ではちゃんと考えているのでしょう。計算もできているし、答えも出ている。だから本人は「書かなくてもいいじゃないか」と思っているかもしれません。

しかし、式を端折るクセは、受験勉強が進むにつれてだんだん危なくなってきます。

最初のうちは、簡単な問題ですから、頭の中だけで処理しても何とかなる。ところが、問題が長くなり、条件が増え、比や割合、速さ、図形などが組み合わさってくると、頭の中だけでは整理しきれなくなります。

そのときに頼りになるのが、途中の式やメモなのです。

式を書くというのは、単に先生に見せるためではありません。自分の考えを途中で確認するために書くのです。

どこまで分かっているのか。何を求めたのか。次に何をすればよいのか。それを紙の上に残しておけば、途中で迷っても戻ることができます。

逆に、式がない答案は、本人も後から見直せません。

間違えたときに、「どこで間違えたのか」が分からない。計算ミスなのか、考え方が違ったのか、条件の読み落としなのか、それを確かめる手がかりがないのです。

これは非常にもったいないことです。

特に6年生になると、入試問題の中には途中まで考えれば部分点が期待できるものもあります。もちろん学校によって採点の仕方は違いますが、少なくとも自分の考えが見える答案でなければ、得点につながる可能性は低くなります。

「答えだけ合えばいい」という勉強を続けていると、難しい問題で粘る力が育ちにくいのです。

では、家庭ではどう注意すればよいでしょうか。

「ちゃんと式を書きなさい」と言うだけでは、なかなか直りません。子どもにとっては、何をどこまで書けばよいのかが分からないからです。

まずは、すべてをきれいに書かせようとしないことです。最初から模範解答のような答案を求める必要はありません。

大事なのは、「何を求めた式なのか」が後から分かるようにすることです。

例えば、速さの問題なら、距離を求めたのか、時間を求めたのか。割合の問題なら、もとにする量を求めたのか、比の1あたりを求めたのか。そこが分かるように、式を一つずつ残していく。

それだけでも、答案はかなり変わります。

また、式を書くことを「面倒な作業」と考えさせないことも大切です。

式は、ミスを減らすための道具です。考えを整理するための道具です。難しい問題を解き切るための足場です。

だから、式を書いたことで間違いに気づけたときは、そこを評価してあげるとよいでしょう。

「ここに書いてあったから、戻れたね」

「この式があるから、考え方は合っていると分かるね」

そういう声かけをすると、子どもも少しずつ式を書く意味を理解していきます。

逆に、式が少ない答案を見てすぐに叱ると、子どもはますます書くことを嫌がります。本人としては「考えているのに」と感じているからです。

まずは、考えていることを紙に出す練習だと考えましょう。

式を端折る子は、必ずしも力がないわけではありません。むしろ、頭の中で処理する力があるからこそ、書かずに済ませてきた場合もあります。

ただ、そのやり方だけでは、入試問題にはだんだん対応しにくくなります。

考えたことを残す。途中で確認する。間違えたら戻れるようにする。

この習慣がついてくると、算数の答案は安定してきます。式を書くことは、遠回りのようでいて、実は得点を守るための近道なのです。

志望校が決まらない

進学先を定めることは、子どもの未来を思う親にとって大きな決断の一つです。しかし、情報を集めていてもなお、心から「ここだ」と思える学校を選びきれないという声は少なくありません。成績の伸びしろや子どもの個性、将来の可能性を見据えたときに、どの選択が最善か迷うのは自然なことです。

学力の面では、現状の成績と志望校のレベルとのギャップに悩むこともあるでしょう。偏差値に大きな差があると、挑戦が難しいように感じられますが、諦める前に考えたいのは、子ども自身の意欲と努力の変化です。目標を明確に持つことで学習の動機は大きく変わり、結果として想像以上の成長を遂げることも珍しくありません。むしろ、小さな挑戦の積み重ねが子どもの自信となり、将来の学習姿勢に良い影響を与えます。

また、学校の雰囲気や教育方針が子どもに合うかどうかも重要な視点です。親御さんが聞く情報は、どうしても間接的なものになりがちですが、完璧な学校を求めることは難しいものです。大切なのは、ある程度納得できる環境を選び、そこに向かって共に歩み始めることです。入学後に見えてくる課題は、そのときに柔軟に対応すれば良いのです。

さらに、学業以外の才能や興味を伸ばす道を模索することも忘れてはなりません。例えば芸術やスポーツなど、子どもが心から打ち込める分野があれば、その可能性を尊重し支援することは、子どもの自己実現につながります。教育の形は一つではなく、多様な道があることを念頭に置くことで、親子ともに焦らずに進路を考えられるでしょう。

志望校を決める際には、完璧な選択を求めすぎず、子どもの成長を信じてまずは一歩を踏み出すことが肝要です。その決意が子どもにとっても親にとってもエネルギーとなり、新たな学びの扉を開くきっかけになることでしょう。