第一志望の学校別対策を優先する

今の中学受験では、第一志望の学校だけを受験するというケースはほとんどありません。平均すれば、一人で5校前後に出願することも珍しくないでしょう。

そうなると、当然やらなければならない過去問の数も増えてきます。

しかし、だからといって受験予定の学校の過去問をすべて同じように進める必要はありません。むしろ、志望順位に応じて時間のかけ方を変えるべきです。

特に今の時期は、第一志望、第二志望ぐらいまでに絞って、しっかり学校別対策を進めた方が良いでしょう。

どの分野がよく出るのか。どんな形式の問題が多いのか。理科なら実験・観察の問題が多いのか、社会なら時事問題への対応が必要なのか。算数ではどの単元が頻出なのか。

過去問を解けば、そうした学校ごとの特徴が少しずつ見えてきます。

大事なのは、単に「過去問を何年分やったか」ではありません。過去問から出題傾向を読み取り、「この学校を受けるなら、これはもう少しやっておいた方がいい」と考えて、次の勉強につなげることです。

受験校が5校あるからといって、5校に同じ時間を使う必要はありません。第一志望に最も多くの時間を使い、そこから順番に配分していけばいいのです。

第一志望に合格して、その時点で受験終了、ということだってあります。

まずは一番行きたい学校に合格するために何が必要なのか。

そこを中心に考えて、学校別対策を組み立てていきましょう。

子どもの意見を聞く

受験が近づいてくると、勉強の進め方や志望校、これから力を入れる教科など、いろいろなことを決めなければならなくなります。これまで親が学習のスケジュールを考え、塾を選び、やるべきことを決めてきたご家庭では、その延長でつい親が先に結論を出してしまうこともあるでしょう。

しかし、受験するのは子ども本人です。これから先、勉強が苦しくなったときにも頑張っていくためには、「自分はどうしたいのか」という本人の意思がしっかりしていることが大切です。

例えば入学試験の面接で、「なぜこの学校を志望したのですか」と聞かれたとき、「お父さんやお母さんに勧められたから」というだけでは、やはり少し物足りません。学校を見学してどこが気に入ったのか、入学したら何をやってみたいのか。子どもなりの言葉で話せることが大事でしょう。

もちろん、最初から自分の考えを上手に説明できる子ばかりではありません。だからこそ、まず親が話を聞いてみることです。「どの学校が気になる?」「今の勉強で何が大変?」「どうしたらやりやすくなると思う?」と聞いてみると、意外な答えが返ってくることがあります。

勉強しない、受験勉強に身が入らない、という場合にも、単にやる気がないと決めつけるべきではありません。よく話を聞いてみると、課題が多すぎる、何をすればいいのかわからない、志望校にまだ気持ちが向いていないなど、それなりの理由が見えてくることがあります。「なるほど、そういうことだったのか」とわかれば、対策もずっと考えやすくなります。

子どもの話を聞くのは、親が決めてしまうより時間がかかるかもしれません。しかし、本人が納得して動き始めれば、その後はむしろスムーズに進みます。受験を親子で進めていくためにも、これからはぜひ、子どもがどう考えているのかをしっかり聞く時間を作ってあげてください。

次の課題を考える

夏休みが終わると、「どこまでできるようになったか」が気になるものです。しかし、この時期に大事なのは、夏の成果を評価することよりも、次に何を課題にするかを決めることです。

6年生であれば、ここから入試まではそれほど長い時間が残されているわけではありません。だからといって、すべてを一度に完成させようとしても無理があります。算数の基礎に不安があるなら、まずそこを固める。理科や社会の知識が不足しているなら、覚える時間をしっかり確保する。国語の記述が弱いのであれば、そこを重点的に練習する。今の状況から、次に取り組むべきことをひとつずつ決めていけばよいのです。

また、志望校がだんだん固まってくれば、必要な勉強も変わってきます。すべての学校に対応できるように勉強するのではなく、志望校の出題傾向を見ながら、必要な分野に時間を振り向けることが大切になります。過去問をやってみて初めて見えてくる課題もあるでしょう。

秋になると、塾の授業や模擬試験、学校別対策なども増えてきます。そのため、与えられたものを全部こなそうとすると、自分の課題に取り組む時間がなくなってしまうことがあります。ここからは、塾のペースに合わせるだけではなく、「今、この子に一番必要な勉強は何か」を考えていかなければなりません。

夏休みにできなかったことを数える必要はありません。今の力を確認して、次の課題を決める。そして、その課題ができるようになったら、また次を考える。その繰り返しで、入試までに必要な力を積み上げていけばいいのです。