公平、不公平を乗り越える

集合塾では、成績によってクラス分けが行われます。しかし、クラスが違えば教材まで変わるのかというと、多くの場合はそうではありません。

算数のテキストには、基本問題から練習問題、応用問題、さらに難問まで、さまざまなレベルの問題がまとめて載っています。そして、同じテキストがすべてのクラスに配られます。

違うのは、授業でどこを扱うかです。下のクラスでは基本問題や練習問題を中心に進み、上のクラスでは基本問題を飛ばして、応用問題から始めることもあります。

ここで問題になるのは、授業で扱われない問題です。

上のクラスの子が基本問題をすべてやることは、まずありません。しかし、組み分けテストには応用レベルの問題まで出題されます。すると、下のクラスの子も、いずれはそこまで到達しなければなりません。

ところが、授業では基本や練習までで時間を使い切ってしまい、応用問題までなかなか進めない。逆に、すべてを宿題として出せば、今度は負担が大きくなりすぎます。

そこで、「クラスによってテキストを変えるべきではないか」という議論が出てきます。一方で、教材を変えれば不公平だという声も出るでしょう。全員に同じ教材を渡せば公平に見えますが、実際に必要な問題を十分に学べるかどうかは別の話です。

集合塾では、どうしても公平、不公平という問題がつきまといます。大勢の子どもを同じ仕組みの中で指導する以上、完全に一人ひとりに合わせることはできません。

個別指導では、必要なものだけを選べる

個別指導には、この公平、不公平という議論がありません。

その子が今できていること、まだできていないこと、志望校で必要になることを見て、取り組む問題を決めればよいからです。

基本が不十分であれば、基本問題に戻る。基本はできているが応用に進めないのであれば、その間をつなぐ問題を選ぶ。志望校で特定の分野がよく出るのであれば、そこを重点的に練習する。全員が同じ順番で、同じ量をこなす必要はありません。

WEBワークスにも、さまざまなレベルや分野の問題が用意されています。しかし、それを最初からすべて子どもに見せるわけではありません。

今必要な問題だけを切り出して提示するので、「こんなにたくさんやらなければいけないのか」という負担感が生まれにくい仕組みになっています。

一方で、力がついて次の段階に進めるようになれば、新しい問題を追加することもできます。今は見えていない問題でも、必要になったときにはすぐに取り組めるのです。

同じ量をやることが公平なのではない

本当の意味で大切なのは、全員が同じ教材を持ち、同じ問題数をこなすことではありません。

一人ひとりが、合格に必要な力を身につけることです。

すでにできている問題を何度も繰り返す必要はありません。反対に、今の段階では難しすぎる問題に長い時間を使う必要もないでしょう。

必要な問題を、必要な順番で、必要な量だけ取り組む。その方が、学習の目的が明確になり、子どもも目の前の課題に集中できます。

公平、不公平という枠組みにとらわれていると、本当に必要な勉強が見えにくくなります。まず考えるべきなのは、「みんなが何をしているか」ではなく、「この子が今、何をできるようになるべきか」です。

個別指導のメリットは、単に先生が一対一で教えることではありません。その子に必要な学習だけを選び、余計なものを減らしながら、次に必要な課題を加えていけることにあります。

限られた時間を有効に使うためにも、まずは今必要なことをしっかり見極め、そこに絞って学習を進めてください。

移動がない強み

オンラインの個別指導はこういう時期に強みを発揮します。

子どもたちも先生も移動がない。

この暑い中、電車に乗って塾に行ったりする必要がないのです。先生も同じ。

だから結構体力の消耗を防ぐことができる。

案外これはこの時期の強みです。

自分でやらないといけない勉強を、しっかりやれば良いので、まあ、これも1つの道なのです。

組み分けから目を離そう

塾に通っていると、組み分けテストの結果やクラスの上下が、受験勉強の中心になりがちです。

次のテストでクラスを上げる。偏差値を戻す。席順を少しでも前にする。そのために宿題を増やし、追加の問題を解き、毎月のテストに追われていく。

しかし、中学受験の目的は、塾の中で上位に入ることではありません。志望校の入試で合格点を取ることです。

組み分けテストは、現在の学力を確認する一つの材料ではあります。ただし、志望校の出題傾向に合わせて作られているわけではありません。組み分けで良い成績を取るための勉強と、志望校に合格するための勉強が、必ずしも一致するとは限らないのです。

たとえば、塾では難しい応用問題に多くの時間を使っていても、志望校では標準問題を速く正確に解く力の方が重要かもしれません。反対に、組み分けではあまり問われない記述や条件整理が、入試では大きな差になる学校もあります。

組み分けの結果ばかりを見ていると、こうした志望校との違いが見えにくくなります。そして、クラスを維持するための勉強に時間を取られ、本当に必要な過去問や弱点対策が後回しになってしまいます。

もちろん、テストを無視する必要はありません。ただ、結果が出るたびに一喜一憂し、学習計画まで振り回される必要もないのです。

見るべきなのは、志望校では何が出るのか。その問題を解くために、今の子どもに何が足りないのか。そして、限られた時間をどこに使うべきなのか、ということです。

クラスが上がっても、志望校対策が進んでいなければ安心はできません。逆に、クラスが下がったとしても、必要な力が着実についているのであれば、必要以上に焦ることはありません。

そろそろ組み分けから目を離し、志望校の問題へ目を向けましょう。

周囲と同じ競争を続けることよりも、わが子に必要な勉強を選び、合格までの道筋を組み立てることの方が大切です。受験勉強の主導権を塾のクラス分けに預けるのではなく、家庭に取り戻していきましょう。