早く読もうとしない

近年の入試問題は、国語だけでなく、理科や社会でも問題文が長くなっています。実験や観察の説明、会話文、資料を読むための条件などが増え、読む量そのものが多くなりました。

そうなると、「もっと速く読まなければ間に合わない」と考えがちです。しかし、慌てて読んでも、ろくなことはありません。条件を一つ読み落としたり、問われていることを取り違えたりすれば、その後の計算や判断がすべて無駄になってしまいます。

大切なのは、文章を速く目で追うことではなく、必要な情報を正確につかむことです。何がわかっていて、何を求めるのか。どの資料を使い、どの条件に注意するのか。そこを確認しながら読んだ方が、結局は解答まで早く進めます。

もちろん、すべての問題を最後まで解き切れるとは限りません。しかし、入試は全問正解を競うものではなく、合格点を取る試験です。できる問題を見つけ、そこで確実に得点を重ねる方が、慌てて全体に手を出し、あちらこちらでミスをするよりも点数はまとまります。

時間が足りないと感じると、子どもは読むところから急ぎ始めます。しかし、急ぐべきなのは問題文ではありません。難しい問題に長くとどまらないことや、後回しにする問題を判断することで時間を作るべきです。

早く読もうとしない。しっかり読んで、できるところを正確に解く。その方が、結果として安定した得点につながります。速さだけを求めるのではなく、確実に点を取るための読み方を身につけてください。

その場で見直す癖をつけよう

算数の問題を解いているとき、計算間違いは良く起きます。

式を書いていると、どこで間違えたか、よくわかる。

できる子もミスをします。

しかし、彼らは試験時間内に修正できる能力を持っているのです。

そのために、彼らは常に確認を怠りません。

問題の条件を確認し、計算も確認して、ミスを出さないように進む。

それでも多少のミスは出るものですが、その場で見直すだけで間違えたまま進むことを防ぐこともできるので、間違いにくくなるのです。

そんなことしたら時間がかかる、と思ってしまいがちですが、むしろ確認をすることでやり直しをしなくて済むことの効果の方が上回るものです。

その場で見直すくせをぜひつけてください。

本を読もう

小学生のうちは、できるだけ本を読む時間をつくってほしいと思います。

特に小学校中学年から高学年にかけては、語彙が増え、文章を読む力が大きく伸びる時期です。本を読んでいると、普段の会話では使わない言葉や表現にも自然に触れることができます。

また、長い文章を読み続けることにも慣れてきます。最初は少し難しく感じる本でも、読み進めるうちに登場人物の関係や話の流れがわかるようになる。そういう経験を重ねることで、文章を頭の中で整理する力も育っていきます。

もちろん、本をたくさん読めば、すぐに国語の成績が上がるというわけではありません。

国語の入試問題では、自分がどう感じたかではなく、文章のどこを根拠にして答えるかが問われます。物語を楽しむ読み方と、設問に答えるための読み方は、やはり少し違います。

ですから、国語の点数を上げるためには、読書とは別に、問題文の条件を確認したり、根拠となる部分を探したりする練習が必要です。

しかし、だからといって読書が受験に関係ないわけではありません。

算数でも、条件の多い問題を正確に読み取らなければなりません。理科や社会でも、実験の説明や資料、長いリード文を読んで必要な情報を整理する力が求められます。

文章を読むことに慣れている子は、問題文が長くても、それだけで嫌になりにくい。最後まで読み、必要な情報を拾おうとすることができます。これは入試問題に取り組むうえでも大きな力になります。

受験学年になると、どうしても塾の課題や問題演習が増え、読書の時間は減っていきます。だからこそ、まだ時間に余裕があるうちに、本を読む習慣をつくっておくことが大切です。

何を読ませるかを大人が細かく決める必要はありません。子どもが興味を持った本を、自分のペースで読めばよいのです。物語でも、科学の本でも、歴史の本でも構いません。

一冊の本をじっくり読む時間は、言葉を増やし、考える力を育て、長い文章と向き合う土台をつくります。

夏休みは、普段より少し時間があります。勉強の計画の中に、ぜひ本を読む時間も入れてみてください。