暑さに対抗して、オンラインを駆使する

今年の夏も、外に出るだけで体力を奪われるような暑さが続いています。

子どもたちは学校や塾への移動だけでも消耗します。重い荷物を持ち、暑い中を歩き、電車やバスを乗り継ぐ。そのうえで授業を受け、帰宅してから宿題をするとなれば、勉強以前に疲れてしまうこともあるでしょう。

もちろん、教室に行かなければできないこともあります。しかし、今はオンラインでできることがずいぶん増えました。

授業を受ける。質問をする。教材を進める。答案を提出する。先生から説明を受ける。こうした学習の多くは、家にいながら進めることができます。

暑い時期に無理をして移動時間を増やすよりも、涼しい環境で集中して勉強した方が、結果として学習量も確保しやすくなります。

特に夏休みは、やるべきことが多くなります。講習、復習、知識の整理、過去問の準備など、時間はいくらあっても足りません。だからこそ、移動に使う時間と体力をできるだけ減らし、その分を本当に必要な勉強に回すという発想が大切です。

オンラインの良さは、単に家で授業を受けられることだけではありません。

体調に合わせて時間を調整したり、必要なところを繰り返したり、自分のペースで先に進んだりすることもできます。暑さで疲れている日は軽めの知識学習に切り替え、元気な時間帯に算数の問題へ取り組む、といった工夫もしやすいでしょう。

暑さに正面から立ち向かう必要はありません。

外に出なくてもできることは、家でやる。オンラインで済ませられることは、オンラインを使う。そして、移動せずに済んだ時間と体力を、睡眠や休養、集中した学習に充てる。

この夏は、根性で乗り切るのではなく、仕組みで乗り切ることです。

オンラインを上手に駆使しながら、体調を守り、必要な勉強を着実に進めていきましょう。

次はできる?

できなかった問題を復習するとき、解説を読んで終わりにするのではなく、もう一度自分で解き直してもらうことがあります。

説明を聞いた直後は、本人も「わかった」と思っています。ところが、こちらが「本当に大丈夫かな」と感じて、もう一度最初からやってもらうと、やはり途中で引っかかることがある。式の立て方がわからなくなったり、条件をひとつ見落としたりして、結局、解説をもう一度確認することになります。

まあ、勉強とはそういうものです。一度説明を聞いただけで、何でも完全にできるようになるわけではありません。「わかった」と「自分でできる」の間には、思っている以上に距離があります。

ただ、6年生になると、残された時間は少しずつ短くなっていきます。今できなかった問題と、まったく同じ問題にもう一度出会えるとは限りません。次に似た問題が出てくるのは、模擬試験かもしれないし、場合によっては本番の入試かもしれないのです。

だからこそ、復習する以上は、「一応わかった」というところで終わらせないことが大切です。

なぜその式になるのか。どの条件を使ったのか。最初に何を考えればよいのか。途中で迷ったときは、どこに戻ればよいのか。そうしたことまで確認して、次に出会ったときには自分の力で解ける状態にしておきたい。

できれば、「次は絶対にできる」と自信がみなぎるくらいまで理解してほしいと思います。

もちろん、実際にはそこまで簡単ではありません。時間がたてば忘れることもあるし、問題の形が少し変わっただけで迷うこともあります。それでも、「答えが合ったから終わり」ではなく、「次は自分でできるところまでやる」という意識を持つだけで、復習の中身は大きく変わります。

解説を読み直し、必要なら例題に戻り、何も見ないでもう一度解いてみる。そして、解き終わったときに「これなら次はできる」と思えるかどうかを確かめる。

復習は、過去の間違いを眺めるためにするのではありません。次に正解するためにするものです。

忘れるのは当たり前

せっかく覚えたのに、しばらくすると忘れてしまう。

これは、ごく当たり前のことです。人間の記憶は、一度覚えればそのままずっと残る、というものではありません。時間が経てば薄れていきますし、使わなければ思い出しにくくなります。

ですから、子どもが以前覚えたはずのことを忘れていても、すぐに「ちゃんと勉強していなかったのではないか」と考える必要はありません。忘れることを前提に、もう一度覚え直せばよいのです。

大切なのは、忘れないように一度で完璧に覚えようとすることではなく、忘れた頃にまた戻ることです。そのためには、学習範囲を広げすぎず、同じ教材を繰り返した方が良いでしょう。

何度も同じ教材を使っていると、問題の内容だけではなく、ページの配置や図の位置まで記憶に残るようになります。

「これは右上に載っていた問題だ」

「このページは前にも間違えた」

そんな記憶も、答えを思い出すきっかけになります。教材を次々に替えるより、一冊を繰り返す方が覚えやすいのは、そのためです。

覚えることと忘れることは、反対のように見えて、実はひとつの学習の流れです。

忘れたら、また覚える。しばらくして、もう一度確かめる。その繰り返しによって、少しずつ忘れにくい知識になっていきます。

忘れるのは当たり前です。だから、忘れたことを責めるのではなく、もう一度戻れる仕組みを作っておくことが大切なのです。