積み重ねが大事

中学受験の勉強を続けていると、「カリキュラムは一通り終わったはずなのに、まだできない問題が多い」と感じることがあります。基本的な問題で間違えたり、以前できたはずの内容を忘れていたりすると、保護者の方も不安になるでしょう。

しかし、中学受験の学習範囲は非常に広く、一度習っただけですべてが身につくわけではありません。習ったときには分かったつもりでも、しばらく時間がたてば忘れることもあります。別の問題になると、同じ考え方を使えないこともあるでしょう。

だから、受験勉強では積み重ねが大事なのです。

一度でできるようにしようとするのではなく、忘れたら覚え直す。間違えたら、もう一度考える。前にはできなかった問題が少し分かるようになり、やがて自力で解けるようになる。そうした小さな積み重ねによって、少しずつ力がついていきます。

もちろん、受験までの時間には限りがあります。しかし、だからといって、今すぐすべてを完璧にしようとすると、かえって勉強が苦しくなります。大切なのは、今日できなかったことを確認し、次にできるように準備することです。

子どもの力は、毎日の学習の中ではなかなか見えにくいものです。それでも、数週間、数か月と振り返ってみれば、読める文章が増え、覚えた知識が増え、解ける問題も確実に増えているはずです。

目の前の結果だけで、「伸びていない」と決めつけないことです。今日の勉強が、すぐに点数に表れないこともあります。しかし、その努力はなくなったわけではありません。積み重ねたものがつながったとき、急にできることが増える時期がやってきます。

焦らず、しかし止まらず、毎日少しずつ進んでいく。中学受験では、その積み重ねが最後に大きな力になります。

子どもの数だけ伸ばし方はある

勉強の教え方というか、指導法というのはいろいろあります。

だからある先生の指導法がすべての子に合うか?と言われればそうではない。例えば、気合いを入れていこうと言われて、「気合いって何ですか?」という子もいるわけだから、まあ、何でもエイエイオーで済むというものでもない。

これは学校選びも同じですが、やはり子どもの性格に合う伸ばし方や環境というのがあるので、そこは親がしっかり考えて選んで行く必要があるのです。

合格実績とかでつい同じことをさせないと、と思われることが多いのですが、同じことをやってもうまくいかないことはたくさんある。

子どもの数だけ伸ばし方はあるものです。

その意味で、引き出しの多い先生に習うとうまくいくことが多いでしょう。

これは年齢に関係ない。

ベテランでも引き出しの少ない人もいるし、若くても自分がいろいろ勉強して対応しながら子どもたちの力を伸ばす、という先生もいる。

子どもに合う先生を見つけられたら、結果はかなり違います。

残念ながら集合授業では先生を選べないことが多いですが、それでも子どもたちは自分に合う先生がわかる。

なので、子どもに合う先生を見つけて指導してもらうと、一気に状況が変わっていくケースが多々あります。

じっくり考える

問題を解いていて、すぐに答えが出ないと、子どもは「わからない」と言って解説を見たくなります。しかし、そこで少し時間をかけて考えることが大切です。

問題文をもう一度読む。条件を書き出す。図を描いてみる。これまでに解いた問題と似ているところがないかを考える。そうやって手を動かしているうちに、解き方の糸口が見えてくることがあります。

受験勉強では、たくさんの問題を終わらせることに目が向きがちです。宿題もありますし、復習もしなければなりません。時間に追われていると、わからない問題はすぐに解説を読み、次へ進みたくなるでしょう。

しかし、解説を読んでわかったことと、自分で考えて解けることは同じではありません。解説を見れば納得できても、数字や条件が変わると解けなくなることはよくあります。自分で考えた時間が少ないからです。

もちろん、一問にいつまでも時間をかける必要はありません。それでも、最初から答えを見ようとせず、まずは自分で試してみる。その時間は確保した方がよいでしょう。

特に、少し考えれば解けそうな問題は、すぐに教えないことです。大人から見るともどかしく感じますが、子どもが考えている途中で手を出してしまうと、自分で解き方を見つける機会がなくなってしまいます。

一題をじっくり考え、自分で解き方を見つけた経験は、次の問題に取り組む力になります。早く終わらせることばかりを考えず、ときには立ち止まって考える時間を大切にしてください。