中学受験、する、しない?

中学受験は、した方がいいのか、しない方がいいのか。

これは本来、家庭ごとに答えが違ってよい問題です。ところが、周りが塾に行き始めると、「うちもそろそろ」となりやすい。説明会に行けば行くほど不安になり、テストを受ければ順位が気になり、気がつけば中学受験をする前提で話が進んでいる、ということがあります。

でも、中学受験は義務ではありません。

子どもに合う学校を早めに選ぶ、という意味では大きなメリットがあります。中高一貫校で6年間を落ち着いて過ごせることもあるでしょう。附属校に入れば、大学受験とは違う時間の使い方ができる場合もあります。

一方で、受験勉強によって家族が疲れ切ってしまうこともあります。毎週のテスト、クラス分け、宿題、講習。子どものために始めたはずなのに、いつの間にか親子で追い込まれている。そうなると、何のための受験なのかが見えにくくなります。

大事なのは、「みんながやるから」ではなく、「この子にとって今必要か」を考えることです。

中学受験をするなら、家庭のペースを失わないこと。しないなら、基礎学力と学ぶ習慣をきちんと育てること。どちらを選んでも、子どもの成長は続いていきます。

受験をするか、しないか。

その答えを急ぐ前に、まずは子どもが無理なく学べているか、家庭が必要以上に振り回されていないかを見てください。そこが崩れてしまうなら、いったん立ち止まってよいのです。

出た数字は何か、メモする

算数の問題を解くとき、まず式を書かない子は、今もかなり多いように思います。

特に図形の問題などでは、図にどんどん数字を書き込み、横でちょろっと計算をして、「あ、出た出た、これが答えだ」というような解き方をしている子が少なくありません。

しかし、この解き方ではミスはなかなかなくなりません。記述式の学校であれば、そもそもこの段階でかなり不利になりますから、やはり式を書く練習は必要です。

この時期あたりから、しっかり式を書くことを意識していきましょう。

式を書くというのは、単に採点者に見せるためだけではありません。自分が今、何を求めているのかを確認するためでもあります。

そこでひとつ工夫したいのが、出てきた数字が何を表しているのかをメモすることです。

たとえば、速さの問題なら「太郎君の行きの速さ」。図形の問題なら「三角形AFGの面積」。割合の問題なら「全体の人数」や「残りの量」。そういうふうに、数字の横に短く書いておくのです。

このメモが、あとで非常に役に立ちます。

例えば計算していくと人数が、分数になってしまった、ということもあります。

そのとき、ただ数字だけが並んでいると、どこで何を求めたのかがわからなくなります。ところが、「これは何の数字か」というメモが残っていれば、式を追いながら考え方を確認しやすくなります。

できる子でも間違いはします。

ただ、できる子は試験時間内にその間違いに気づき、修正する力を持っています。そしてその修正力は、実はこういう小さな工夫から生まれているのです。

入試直前になってから、急に見直しの力をつけようとしても、なかなかうまくいきません。

出た数字は何か、メモする。

今からこの習慣を身につけておくことが、ミスを減らし、得点を守るための大事なノウハウになるでしょう。

復習だって大変だ

復習型の塾と予習型の塾がありますが、最近は復習型の塾の方が圧倒的に多くなりました。

家庭で予習をしてくることが難しい、という事情もあるでしょうし、塾としても「それ、もう知ってる」という子が増えると授業がやりにくい、という面もあるのだと思います。

もちろん、復習が十分にできるのであれば、それで構いません。

しかし今は、その復習自体がかなり大変になってきています。

毎週やることが多すぎるのです。宿題があり、課題があり、確認テストの準備がある。目の前のものをこなしているだけで一週間が終わってしまう。

そうなると、本来いちばん大事な「できなかった問題をもう一度やる」という時間が取れなくなります。ましてや、二週間前、三週間前に習った内容をもう一度見直すところまでは、なかなか手が回りません。

大量のプリントをきれいにファイリングしているご家庭は少なくありません。しかし、そのプリントをもう一度見直す時間があるかといえば、実際にはほとんどない、ということも多いのです。

ファイルは増えていく。ノートも増えていく。でも、それを見直す時間がない。これでは、復習型の塾に通っていても、結局は「習いっぱなし」になってしまいます。

だから、ある程度は勉強を絞り込む必要があります。

塾から出されたものを全部やることが理想ではありますが、子どもの時間も体力も限られています。すべてを同じ重さで扱うと、結局どれも中途半端になることがあるのです。

そこで大事なのは、「これだけはかっちり復習する」というものを決めることです。

算数なら、授業中にできなかった問題、テストで間違えた問題、解説を聞いてもまだ怪しい問題。国語なら、本文の読み違いをした問題、設問の条件を落とした問題。そういうものを優先して直す。

宿題をやること自体が目的になってしまうと、本当に必要な復習が後回しになります。

「課題さえやってもらえれば、復習は必要ありません」という話もあるようですが、これは少しおかしな話です。できなかったところは、子どもによって違うからです。

同じ課題を全員がこなしても、できるところは相変わらずできる。できないところはできないまま残る。そういう勉強になってしまうことがあります。

だからこそ、子どもの勉強の中身をよく見ておく必要があります。

何を間違えているのか。どこで時間がかかっているのか。どの課題は意味があり、どの課題はただの作業になっているのか。

復習だって大変です。

だからこそ、何を復習するかを決める。

たくさんやったかどうかではなく、できなかったことができるようになったか。そこを見失わないようにしたいものです。