合格点の取り方を考える

これからは、志望校の「合格点」を意識した勉強に切り替えていく必要があります。

例えば算数、国語が100点満点、理科、社会が50点満点の合計300点満点で、例年200点前後が合格ラインだとします。

そうしたら、まずその200点をどう取るのかを考える。

算数70点、国語60点を目標にするのであれば、理科、社会で合わせて70点必要になります。こうして教科ごとの目標点を決めると、やるべきことも具体的になってきます。

では、算数で70点を取るためにはどうするか。

これは学校の出題傾向によって違います。

例えば10問程度の問題が並ぶ学校であれば、1問に使える時間は平均5分程度です。そうなると、極端に難しい問題を解けるようにすることよりも、標準的な問題を確実に解き、ミスを減らすことの方が大事になります。

一方、4~5問の応用問題を中心に出題する記述式の学校であれば、対策は変わります。そのレベルの問題をじっくり考える練習が必要ですし、最後まで正解にたどり着かなくても、途中式や考え方を書いて部分点を取れるようにしておくことも大切でしょう。

偏差値や順位ばかりを追いかけていると、こういう視点が抜けてしまいます。

しかし入試で必要なのは、偏差値を上げることではなく、その学校の試験で合格点を取ることです。

第一志望、第二志望が絞り込まれてきたら、「この学校で合格点を取るには、何をできるようにすればいいのか」という考え方に切り替えていきましょう。

摸擬試験はもともと時間が足りないようにできている

摸擬試験を受けた子どもたちに感想を聞いてみると、
「全然間に合わなかった」
という声が多く聞かれます。

で、そういう経験をしていくうちに、急いで解かなきゃ、という気持ちが強くなる。そして、ミスが増えるのです。問題文をちゃんと読まなくなるから。

摸擬試験は実は全員がすべての問題を解ききるだろう、という前提で作られていません。つまり、こんなに忙しい入試はない

なぜかといえば、1種類の試験ですべての学校の合否判定を出すから、です。

そのためにはできるだけ正規分布に近い状態になってもらいたい。つまり、適度に差がつく状態にしたいのです。その方法のひとつとして、標準的な問題をたくさん出す、という方法論があるのです。難しい問題ばかりを出すと、差はつきません。むしろやさしい問題から始まって、最後やや難しいと思われる問題まで含めて硬軟とりまぜてたくさん出すと、分布的にはちょうど良くなる。

だから、摸擬試験で時間が足りなくなっても、余り気にしてはけない。

むしろ、ていねいに解くことを心がけ、間に合わなければ間に合わないでも良い、と考えていった方が良いのです。一番いけないのは急いで解いて、ミスだらけになること。

だから、良く子どもたちには言います。

「最後の3題は解かなくても良いから、ていねいに、良く問題文を読んで解きなさい」

入学試験と摸擬試験は根本的に作り方が違います。入学試験は、その学校の取りたい人材像に合わせて作られるが、摸擬試験は差が出来るように作られる。この点を十分に踏まえて試験を受けて下さい。

摸擬試験に対して最適化する必要はありません

積み重ね

子どもの力は、やはり毎日の積み重ねでついていきます。

特に計算はそうでしょう。低学年のうちから、少しずつでも毎日計算を続けていると、学年が上がったときに大きな差になります。

例えば割り算をするときも、かけ算がしっかり身についていれば、商の見当がすぐにつきます。210÷36であれば、36×5、36×6と頭の中で動かせるかどうか。こういうことは、急にできるようになるわけではありません。

毎日計算をして、九九を使い、数を動かしてきた経験があるから、自然にできるようになるのです。

これは計算だけではありません。漢字もそうですし、文章を読むこともそうです。少しずつでも続けてきたことは、後になって確実に力になります。

逆に、必要になってから急いでやろうとしても、なかなか追いつかないことがある。だから、まだ受験学年ではないから、と考える必要はありません。

難しいことをたくさんやる必要もないのです。毎日少しずつ、できることを続ける。

その積み重ねが、やがて大きな力になります。