過去問が合格点に届かない

この時期、初めて過去問に取り組んでみると、思っていた以上に点が取れず、「これではまだまだだ」と感じることがあるでしょう。

しかし、今の段階で合格点に届いていないこと自体は、それほど心配する必要はありません。入試まではまだ時間がありますし、ここから学校の出題傾向に慣れ、必要な力を身につけていけばいいのです。

ただし、「まだ時間がある」と安心しすぎるのも問題です。

秋以降は模擬試験も増えますし、塾の授業や学校行事もあります。気がつけば、入試までの時間はどんどん少なくなっていきます。だからこそ、今の得点を出発点として、「あと何点取れるようにするのか」「そのために何を直すのか」を具体的に考えていく必要があります。

模擬試験の結果ももちろん気になるでしょう。しかし、第一志望の合格に一番直接つながるのは、やはりその学校の問題が解けるようになることです。

過去問で少しずつ点が取れるようになってくると、「この学校の問題なら戦える」という感覚も出てきます。それが受験勉強を続けるうえでの自信にもなります。

ですから、過去問はどんどん練習していきましょう。

一度解いたら終わり、ではありません。間違えた問題を直し、しばらく時間を置いてもう一度解く。必要であれば2回目、3回目と繰り返して構いません。

最初から合格点を取る必要はないのです。

大事なのは、過去問を重ねるたびに、少しずつ取れる問題を増やしていくことです。入試本番までに合格点へ届けばいいのですから、今の点数に落ち込むより、ここから確実に得点力を上げていきましょう。

併願校を考える

受験シーズンが近づくにつれて、模擬試験の結果が徐々に明らかになり、志望校の選択を見直す時期がやってきます。その中で、多くのご家庭が安全圏と考える併願校の検討に頭を悩ませることでしょう。しかし、いわゆる「安全校」と呼ばれる学校も、単に合格できればよいというわけではありません。大切なのは、入学後に子どもが充実した学校生活を送れ、伸びやかな成長を支えてくれる環境かどうかを見極めることです。

成績の波が激しい時期でも、学びの場が子どもにとって安心できる場所であることは欠かせません。偏差値の数字だけで選ぶのではなく、その学校の教育方針やサポート体制、そして生徒の自主性を尊重する姿勢に目を向けてみてください。管理型の学校が多いのは事実ですが、その「管理」のスタイルも多様です。過度に厳しい環境は子どもの意欲を損なう恐れがあり、反対に適度な見守りが子どもの自信や自主性を育むこともあります。したがって、単なる安全策としての併願校選びではなく、子どもの未来にとってプラスとなる選択であることが何より望まれます。

また、子ども自身はやはり第一志望に向けて気持ちが集中しがちで、併願校について消極的なことも少なくありません。こうした気持ちのすれ違いを埋めるためにも、親子の対話が重要です。併願校は親御さんが主体的に情報を収集し、方針を固める必要がありますが、決めた後は揺るがずに受験対策を進めることが効果的です。頻繁に学校を変えてしまうと、準備が分散し、かえって不利になることもあるためです。

安全校だからといって軽んじず、また子どもの意思も尊重しながら、受験期の併願校選びには慎重な計画と深い思慮を持って臨んでいただきたいと願います。こうしたプロセスを通して、子どもが受験だけでなく、その先の学校生活にも自信を持って歩み出せるよう、親として支えていきたいものです。

第一志望の学校別対策を優先する

今の中学受験では、第一志望の学校だけを受験するというケースはほとんどありません。平均すれば、一人で5校前後に出願することも珍しくないでしょう。

そうなると、当然やらなければならない過去問の数も増えてきます。

しかし、だからといって受験予定の学校の過去問をすべて同じように進める必要はありません。むしろ、志望順位に応じて時間のかけ方を変えるべきです。

特に今の時期は、第一志望、第二志望ぐらいまでに絞って、しっかり学校別対策を進めた方が良いでしょう。

どの分野がよく出るのか。どんな形式の問題が多いのか。理科なら実験・観察の問題が多いのか、社会なら時事問題への対応が必要なのか。算数ではどの単元が頻出なのか。

過去問を解けば、そうした学校ごとの特徴が少しずつ見えてきます。

大事なのは、単に「過去問を何年分やったか」ではありません。過去問から出題傾向を読み取り、「この学校を受けるなら、これはもう少しやっておいた方がいい」と考えて、次の勉強につなげることです。

受験校が5校あるからといって、5校に同じ時間を使う必要はありません。第一志望に最も多くの時間を使い、そこから順番に配分していけばいいのです。

第一志望に合格して、その時点で受験終了、ということだってあります。

まずは一番行きたい学校に合格するために何が必要なのか。

そこを中心に考えて、学校別対策を組み立てていきましょう。