学校別対策は自宅でできる

過去問を一年分解いてみた。点数は出たけれど、さて、次に何をすればいいのかがわからない。近くの塾には志望校別講座もない。

学校別対策で困るのは、講座に通えないこと以上に、答案を次の勉強へどうつなげるかが見えないことです。

学校別対策は、特定の講座を受講することではありません。志望校の問題を知り、どの問題を取るのかを考え、得点を上げるために直すべきことを決める作業です。この流れは自宅でも作れます。

過去問から次の課題を一つ決める

まず、過去問を本番と同じ時間で解きます。最初から合格点を取る必要はありません。大事なのは点数だけではなく、答案で何が起きたかを見ることです。

時間が足りなかったのか。解けるはずの問題を落としたのか。問題の条件を読み違えたのか。記述の要点が不足していたのか。同じ失点でも、原因によって次にやることは違います。

解き終えたら、わからなかった問題の解説を確認します。すでに理解できている問題まで、すべて見直す必要はありません。必要な説明だけを選び、自分の考え方とどこが違ったのかを確かめます。

オンラインの解説は、ここで役立ちます。わからないところで止める。途中まで戻る。必要なら同じ説明を繰り返して見る。後日、同じ問題を直すときに、もう一度その解説へ戻ることもできます。視聴した解説や取り組んだ問題の履歴を残しておけば、以前の間違いも確かめやすくなります。

地域に志望校別講座がなくても、過去問と学校別の解説が用意できれば、この確認作業は進められます。移動時間がいらないことだけではなく、必要な説明を必要な回数だけ使えることが、自宅で進める利点です。

間違いは短く分類する

解説を確認した後は、間違いの原因を記録します。細かな分析表を作る必要はありません。

  • 知識を覚えていなかった
  • 解き方を思いつかなかった
  • 条件を読み落とした
  • 計算や答案の書き方で失点した
  • 時間配分に問題があった

この程度の分類で十分です。その横に、「理科の該当単元を復習する」「同じ形式の問題を二題解く」「記述をもう一度書く」など、次にすることを一つだけ書きます。

記録する内容が多すぎると、続かなくなります。問題番号、間違えた理由、次に直すこと。この三つが残っていれば、過去問は単なる点数調べではなくなります。

子どもが自分で回せる形にする

基本の順番は、「解く」「解説で確認する」「間違いを記録する」「次の学習へ戻る」です。

この流れを子ども自身が進められるようにしておけば、保護者や先生が一問ずつ横について教える必要はありません。保護者は週に一度、記録を見て、直す課題がたまりすぎていないか、同じ原因の失点が続いていないかを確認する程度でもよいでしょう。

もちろん、解説を見ても理解できない問題や、記述答案の評価が難しい場合は、先生に質問したり答案を見てもらったりする必要があります。しかし、すべての問題で常に指導を受ける必要はありません。まず本人が解き、確認し、それでも残った問題を質問する方が、指導を受ける目的もはっきりします。

塾の志望校別講座には、答案を継続して見てもらえることや、同じ学校を目指す仲間と学べる良さがあります。一方で、通える講座がない場合や、通常授業との両立が難しい場合には、自宅で過去問とオンラインの解説を組み合わせる方法があります。どちらがよいかではなく、答案から次の課題を決める流れができているかが大切です。

まずは一科目、一年分で構いません。時間を計って解き、必要な解説を確認し、点数の横に「次に直すこと」を一つ書いてみてください。そこまでできれば、学校別対策はもう始まっています。

パパママ情報もほどほどに

秋になると、保護者のみなさんの間でも、いろいろな受験情報が飛び交うようになります。

「あそこの塾では、もう過去問を何年分もやっているらしい」とか、「今年はこの学校の人気が上がるらしい」とか、「このぐらいの偏差値がないと厳しいらしい」とか。

もちろん、そういう話の中には参考になるものもあります。実際に説明会に行った方から聞く話や、上のお子さんが受験を経験したご家庭の話など、役に立つ情報もあるでしょう。

ただ、あまり振り回されないようにした方が良いと思うのです。

受験情報というのは、伝わっていくうちに少しずつ話が変わっていくことがあります。「先生がこう言った」という話も、実際にはどういう前提で話したのかがわからない。あるお子さんには当てはまる話でも、別のお子さんにはまったく当てはまらないこともあります。

特にこれからの時期は、みなさん多少なりとも不安を抱えています。だから「もう10年分終わったらしい」などと聞くと、「ウチはまだ3年分しかやっていない」と急に心配になったりする。

しかし、過去問は何年分終わったかを競争しているわけではありません。その子に必要な練習ができているかどうかが大事です。

学校の入試情報についても同じです。出願や試験に関する大事なことは、学校の募集要項や公式な発表を確認すればいい。勉強については、わが子の答案や過去問の出来を見ながら考えていけばいいのです。

パパ友、ママ友からの情報は、ほどほどに。

情報をたくさん集めたから合格する、というわけではありません。むしろこれからは、たくさんある情報の中から「これはウチには必要」「これは気にしなくていい」と選り分けることの方が大切です。

入試が近づくにつれて、いろいろな話が耳に入ってくるでしょうが、最後に見るべきものは、やはりわが子です。

家でできることを増やす

秋になると、塾の授業が増えていくことが多くなります。通常の授業に加えて、学校別対策や過去問演習、模擬試験などが入り、気がつけば週のほとんどを塾で過ごしている、ということも珍しくありません。

もちろん、必要な授業は受ければ良いのですが、ここで一度考えておきたいのは、「本当に塾に行かないとできないことなのか」ということです。

例えば、過去問を解くこと、間違えた問題をやり直すこと、知識を覚えること、計算練習をすること。こうした勉強は、必ずしも塾でなければできないわけではありません。むしろ家庭で落ち着いて取り組んだ方が、自分のペースで進められる場合もあります。

通塾には授業時間だけではなく、往復の移動時間もかかります。準備をして出かけ、帰宅してから食事をして、また宿題をする。そう考えると、1回の授業に使っている時間は意外に長いものです。

秋以降は、やらなければならないことがどんどん増えていきます。だからこそ、時間を増やすのではなく、時間の使い方を考えなければいけません。

先生に質問したい、解説を聞きたい、学校別のポイントを教えてほしい。そういうことは授業を利用する。一方で、自分でできる演習や復習はできるだけ家庭で進める。

受験が近づくほど、塾にいる時間を増やせば安心する、ということもあります。しかし、大切なのはどこで勉強したかではなく、何ができるようになったかです。

家でできることを少しずつ増やしていく。そうすることで、自分の勉強を自分で組み立てる力もついてきます。秋以降は、そんな視点で学習時間を見直してみても良いでしょう。