浮力が苦手な子

過去問をやっていると、理科の浮力の問題でなかなか点が取れない、ということがあります。

浮力は、苦手にしている子が多い分野のひとつです。

だから、できなかった問題を見つけると、

「では、浮力の問題をもっとやろう」

ということになりがちです。

しかし、その前に少し確認した方が良いことがあります。

そもそも浮力とは何なのか。

どちらの方向に働く力なのか。

物体の重さと浮力は、どのような関係になっているのか。

ばねばかりにつるしたとき、その数字は何を表しているのか。

こういう基本的なことが、実はあいまいなまま問題を解いている子は少なくありません。

そうなると、問題ごとに解き方を覚えることになります。

この問題では引き算をする。

こちらの問題では体積を求める。

というように、解き方だけを覚えてしまう。

しかし、入試問題では条件が少し変わります。

ばねと組み合わされたり、水面から一部だけ出ていたり、別の物体とつながっていたりする。

そうなると、覚えた解き方だけでは対応できなくなります。

理科の計算問題は、問題数を増やせば必ずできるようになる、というものではありません。

むしろ、一度基本に戻って、

「今、どんな力が働いているのか」

を図にして考える方が近道になることがあります。

これは浮力に限りません。

ばね、てこ、滑車、電気、水溶液なども同じです。

入試問題が難しくなってきたときほど、難しい問題をたくさんやるのではなく、基本的な考え方をもう一度確認してみる。

秋の過去問演習では、そういう戻り方も大切です。

できなかった問題は、単に「練習不足」なのではなく、「基本のどこかがあいまい」というサインかもしれません。

そこを見つけて直すことができれば、同じ分野の問題が一気に解きやすくなることがあります。

ていねいさ

この時期、子どもたちに改めて意識してほしいのが「ていねいさ」です。

特に男の子は、どうしても急いでしまうところがあります。字が雑になったり、数字の0と6、6と9がわかりにくかったりする。自分では読めても、採点する先生に伝わらなければ得点にはなりません。

問題文の読み方も同じです。

急いで読めば、条件をひとつ飛ばしたり、「何を答えるのか」を取り違えたりする。難しい問題ができないのではなく、読めばできた問題を落としていることは結構多いのです。

計算も、途中式を雑に書けばミスが出やすくなります。数字をそろえる、式をきちんと書く、途中で一度確認する。そういうちょっとしたことが、最後の答えを変えます。

そして、答えが出たらもう一度問題を見る。

聞かれていることにちゃんと答えているか。単位は合っているか。記号で答えるのか、数字で答えるのか。ここまで確認して、ようやく一問が終わりです。

できる子がミスをしないわけではありません。ミスに気づいて、試験時間の中で直しているのです。

だから、これからは問題数を増やすことばかり考えなくてもいい。

一問一問をていねいに解く。字をていねいに書く。問題文をていねいに読む。計算をていねいに進める。そして最後にていねいに確認する。

その積み重ねだけでも、得点はかなり変わってきます。

学校別対策は自宅でできる

過去問を一年分解いてみた。点数は出たけれど、さて、次に何をすればいいのかがわからない。近くの塾には志望校別講座もない。

学校別対策で困るのは、講座に通えないこと以上に、答案を次の勉強へどうつなげるかが見えないことです。

学校別対策は、特定の講座を受講することではありません。志望校の問題を知り、どの問題を取るのかを考え、得点を上げるために直すべきことを決める作業です。この流れは自宅でも作れます。

過去問から次の課題を一つ決める

まず、過去問を本番と同じ時間で解きます。最初から合格点を取る必要はありません。大事なのは点数だけではなく、答案で何が起きたかを見ることです。

時間が足りなかったのか。解けるはずの問題を落としたのか。問題の条件を読み違えたのか。記述の要点が不足していたのか。同じ失点でも、原因によって次にやることは違います。

解き終えたら、わからなかった問題の解説を確認します。すでに理解できている問題まで、すべて見直す必要はありません。必要な説明だけを選び、自分の考え方とどこが違ったのかを確かめます。

オンラインの解説は、ここで役立ちます。わからないところで止める。途中まで戻る。必要なら同じ説明を繰り返して見る。後日、同じ問題を直すときに、もう一度その解説へ戻ることもできます。視聴した解説や取り組んだ問題の履歴を残しておけば、以前の間違いも確かめやすくなります。

地域に志望校別講座がなくても、過去問と学校別の解説が用意できれば、この確認作業は進められます。移動時間がいらないことだけではなく、必要な説明を必要な回数だけ使えることが、自宅で進める利点です。

間違いは短く分類する

解説を確認した後は、間違いの原因を記録します。細かな分析表を作る必要はありません。

  • 知識を覚えていなかった
  • 解き方を思いつかなかった
  • 条件を読み落とした
  • 計算や答案の書き方で失点した
  • 時間配分に問題があった

この程度の分類で十分です。その横に、「理科の該当単元を復習する」「同じ形式の問題を二題解く」「記述をもう一度書く」など、次にすることを一つだけ書きます。

記録する内容が多すぎると、続かなくなります。問題番号、間違えた理由、次に直すこと。この三つが残っていれば、過去問は単なる点数調べではなくなります。

子どもが自分で回せる形にする

基本の順番は、「解く」「解説で確認する」「間違いを記録する」「次の学習へ戻る」です。

この流れを子ども自身が進められるようにしておけば、保護者や先生が一問ずつ横について教える必要はありません。保護者は週に一度、記録を見て、直す課題がたまりすぎていないか、同じ原因の失点が続いていないかを確認する程度でもよいでしょう。

もちろん、解説を見ても理解できない問題や、記述答案の評価が難しい場合は、先生に質問したり答案を見てもらったりする必要があります。しかし、すべての問題で常に指導を受ける必要はありません。まず本人が解き、確認し、それでも残った問題を質問する方が、指導を受ける目的もはっきりします。

塾の志望校別講座には、答案を継続して見てもらえることや、同じ学校を目指す仲間と学べる良さがあります。一方で、通える講座がない場合や、通常授業との両立が難しい場合には、自宅で過去問とオンラインの解説を組み合わせる方法があります。どちらがよいかではなく、答案から次の課題を決める流れができているかが大切です。

まずは一科目、一年分で構いません。時間を計って解き、必要な解説を確認し、点数の横に「次に直すこと」を一つ書いてみてください。そこまでできれば、学校別対策はもう始まっています。