偏差値だけで決める受験校選びの落とし穴

中学受験を控えるご家庭では、塾が行う組み分けテストの結果を基に志望校を決めるケースが一般的です。特に大手学習塾では、小学3年の終わりごろから何度も偏差値を算出し、おおよその学力の目安を示します。その偏差値に沿って志望校を選ぶ方法は、一見すると合理的で確かな判断材料のように思えます。

しかし、この偏差値中心の受験校選びには見過ごされがちな問題があります。というのも、こうした模試や組み分けテストは、幅広い学校の入試問題に対応できる力をつけることを目的としているため、受験生は「どの学校にも合格できるように」広く浅く学習を進める傾向が強いのです。

この学習スタイルは、結果的に膨大な範囲をカバーすることになります。中学入試の範囲は、公立の教科書で例えると小学校高学年から中学2年生程度までに及びます。さらに、新たに志望校に加わる学校の問題傾向に合わせて学習内容が増えるため、勉強量は増大の一途をたどります。

しかしながら、中学受験の入試問題は学校ごとに独自に作成されており、それぞれの学校が求める生徒像や教育方針に沿った出題傾向があります。そのため、すべての範囲を網羅する必要はなく、志望校の特色に応じて優先して取り組むべき分野が明確に存在するのです。

この点を踏まえると、偏差値だけで志望校を決めて広範囲の対策を行うことは効率的とは言えません。むしろ、志望校を初めから絞り込み、その学校の過去問や出題傾向を詳細に分析したうえで学習計画を立てるほうが、効果的に合格力を高められます。にもかかわらず、多くの子どもたちは無理に幅広い内容を学ばされることで、学習意欲が低下してしまうケースも少なくありません。

受験準備をより充実させるためには、まず家庭で目指す学校を明確にし、志望校の入試問題を手に取ってみることをおすすめします。問題を実際に見てみることで、どの教科のどの分野に重点を置くべきかが自然と見えてくるはずです。

偏差値だけに頼った「輪切り」の志望校選びは、決して最善の方法とは限りません。志望校の特性を理解し、それに合わせた計画的な学習を進めることが、受験を成功に導く近道です。

のびる時期はいろいろ

子どもたちの成績を見ていると、あるとき「ぐーん」と伸びる時期があります。

これは背が伸びるのを同じようなものですが、コンスタントに少しずつ上がっていく、ということはあまりない。

ある時、ぐーんと上がり、そしてしばらく低迷する。かと思ったら、またぐーんと伸びて、という感じ。

思うに、ある努力が蓄積する時間が必要だからでしょう。

いろいろな経験があって、できなかったり、ミスをたくさんしでかしたり、ということもある意味経験なのです。そこから学ぶことはたくさんある。

「おっと、ここで慌てたからこの前間違えたんだ。何を出すんだっけ?」

と踏みとどまれるようになるのも、これはミスをしたからできるようになったと考えられるでしょう。

だから、それまでの間、やはり我慢する必要がある。

結果が出ないなあ、と思ってもくさらず、コツコツやっていると、あるときぐーんと伸びる時期が来るのです。

それまで頑張りましょう。

空白の3ヶ月をどう過ごすか?

受験生にとって、春期講習が終わり夏期講習が始まるまでの約3ヶ月間は、一見すると「何をすれば良いかわからない」時期になりがちです。この期間は、学校別対策の授業が始まるまでの準備期間として位置づけられることが多く、結果として「空白の3ヶ月」と呼ばれることもあります。

この時期に塾や教室では、これまで学習してきた内容の総復習を行うことが一般的です。しかし、全体で同じ内容を繰り返すだけでは、個々の苦手分野の克服にはつながりにくいのが現状です。つまり、画一的な復習に時間を割くことで、個別の弱点を解消する時間が不足してしまうのです。

本来、この期間はそれぞれの志望校や学力に応じて、弱点補強や応用問題の対策に重点を置くべき時期です。志望校の出題傾向に合わせた対策や、自分自身が苦手とする単元の強化を進めることが、合格への近道となります。

ところが、多くの塾では全体のカリキュラムを優先するため、個別対応が後回しにされがちです。その結果、「復習はしたけれど成績が伸びない」「何となく勉強して時間が過ぎてしまった」という感覚に陥るお子さんが少なくありません。

この時期を有意義に過ごすためには、まず自分の弱点を正確に把握することが不可欠です。志望校の傾向分析と合わせて、苦手分野に絞った学習計画を立て、効率よく取り組みましょう。また、組み分け試験などの短期的な成績に振り回されすぎないことも重要です。試験結果ばかりに気を取られて、本当に必要な学習が後回しになることは避けなければなりません。

つまり、この「空白の3ヶ月」は、単なる休憩期間ではなく、自分自身と向き合い学力の土台を固める貴重な時間として捉えるべきなのです。志望校合格を目指すなら、ここでの過ごし方が後の結果に大きな影響を与えます。

保護者の皆さまも、お子さまが無駄な時間を過ごさず、効果的な学習ができているかどうかを見守り、必要に応じてサポートしてあげてください。


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