難度をある程度はしぼる

志望校の対策を考えるとき、まず見ておきたいのは、やはり過去問です。

学校によって、問題の作り方はかなり違います。国語であれば、物語文が多い学校もあれば、説明文を重視する学校もあります。記述が多い学校、選択肢が中心の学校、漢字や語句をきちんと出す学校もあります。

ただ、もうひとつ大事なのは、問題の難度です。

どの学校も、毎年まったく違う問題を出しているように見えて、実はある程度、受験生の層に合わせて問題を作っています。あまりにやさしすぎれば差がつきませんし、逆に難しすぎれば、合格者を選ぶ試験として成り立ちにくくなります。

ですから、学校ごとに「このくらいのレベルの問題を解ける子に来てほしい」という幅があるのです。

受験勉強をしていると、どうしても難しい問題に手を出したくなります。難しい問題が解けるようになれば力がつく、と思いやすいからです。しかし、志望校の入試でそこまでの難問が出ないのであれば、時間の使い方としては少しもったいない。

それよりも、その学校でよく出るレベルの問題を、確実に解けるようにすることの方が大事です。

過去問を見ていくと、「この学校はこのくらいの難度で勝負している」という感覚が少しずつわかってきます。もちろん、年度によって多少の上下はありますが、大きく外れることはあまりありません。

だから、対策では難度をある程度しぼる。

何でもかんでも難しい問題をやるのではなく、志望校に必要な難度の問題をくり返し練習する。そこで正確さとスピードを上げていく。その方が、入試本番ではずっと点数につながりやすいのです。

子どもたちの時間は限られています。だからこそ、やるべき問題のレベルを見極めることが大切です。志望校が求めている難度を知り、そこに合わせて力をつけていく。それが、効率の良い学校別対策につながっていきます。

ゴールデンウィーク

実は受験の世界では、ゴールデンウィークが1年の中で一番のんびりしている時間なのかもしれません。

夏休みは、これだけ長い時間をじっくり学習に使える機会はありませんから、やはり学習中心になります。

冬休みは入試直前。

春休みは新学年が始まる時期ですから、復習や予習に使うことが多くなります。

そう考えると、ゴールデンウィークだけは少し特別です。

だから、ゴールデンウィークに特別なカリキュラムを組まない塾も少なくありません。

もちろん、まったく勉強しなくてよい、ということではありません。ただ、ここで無理に詰め込もうとしすぎる必要はないのです。

休むときは、休む。

遊ぶときは、遊ぶ。

子どもたちにとっても、少し気持ちをゆるめる時間は必要です。ゴールデンウィークは、勉強の遅れを取り戻す期間というより、もう一度元気を取り戻す期間と考えてもよいでしょう。

共働き家庭の中学受験、塾とオンラインをどう組み合わせるか

共働きのご家庭では、平日に子どもの勉強を細かく見ることが難しくなります。帰宅してから宿題を確認しようとしても、子どもはもう疲れている。週末にまとめて見ようとすると、親子ともに気持ちが重くなる。そういうご相談は少なくありません。

だからこそ大事なのは、家庭が全部を抱え込まないことです。塾、オンライン、家庭学習にはそれぞれ役割があります。そこを分けずに、足りないところをすべて家庭で埋めようとすると、どうしても無理が出ます。

塾に通っているのであれば、授業で理解すること、確認テストで抜けを見つけること、今後の優先順位を示してもらうことは、まず塾の役割です。家庭が毎回教え直す形になると、通っている意味が薄くなってしまいます。

ただし、丸投げではありません。宿題に時間がかかりすぎている、同じ種類のミスが多い、テストで時間が足りない。そういう事実を短く塾に伝えるだけでも、対応はかなり具体的になります。

オンラインは便利ですが、増やせばよいというものではありません。通塾で全体の流れを作り、わからないところだけをオンラインで確認する。あるいは移動時間を減らすために、一部をオンラインにする。そのくらい使い方を絞った方が、効果は出やすくなります。

注意したいのは、授業を足しすぎて、子どもが受け身になることです。画面の前に座る時間が長くても、自分で直す時間、覚える時間、もう一度やる時間がなければ力はつきません。

家庭で毎日長く見る必要はありません。平日は五分でも、ノートを見ながら「今日はどこが難しかった?」と聞いてみる。宿題が終わったかどうかだけでなく、どこで手が止まったのか、直しができているのかを見る。

それだけでも、子どものつまずきはかなり見えてきます。そして週末に、そのつまずきが解消しているかを確認すればよいのです。

授業内容がわからないなら、説明を受け直す場が必要です。わかったつもりで終わっているなら、演習後の直しを見てもらう方がよい。時間が足りないなら、問題の選び方や進め方を練習する必要があります。

同じ「成績が伸びない」でも、原因によって手当ては違います。最初から完璧な組み合わせを作る必要はありません。二週間ほど試して、何が楽になり、何が残ったかを見る。その上で、塾、オンライン、家庭学習の配分を少しずつ変えていけばよいのです。

中学受験は、家庭が無理を重ねればうまくいくというものではありません。共働きで時間が限られているなら、その条件の中で続けられる形を作ることが大切です。

塾に任せること、オンラインで補うこと、家庭で確認すること。この三つを一度書き分けてみてください。家庭が見るべきところが絞られると、子どもにも余裕が出ます。親が全部を抱えないことが、結果として子どもを自立させる近道になるのです。