偏差値表

最初に、本年の受験結果を受けて、各塾で2027年受験に向けた偏差値表が更新されていきます。

受験後半になると、多くのご家庭がこの偏差値表を見るようになります。縦軸に偏差値、横軸に受験日が並び、受験校を考える上でひとつの目安にはなるでしょう。

しかし、この表の使い方には注意が必要です。というのも、大人でもつい「上にある学校ほど良い学校だ」と思い込んでしまいやすいからです。

私は以前から、偏差値が高くても、子どもにとって必ずしも良い学校とは限らないし、偏差値がそれほど高くなくても、実に良い学校はたくさんある、というお話をしています。

たとえば、校地が広く、子どもたちが伸び伸びと過ごせる学校がある。一方で、校地は狭いが、管理をしっかり行い、その結果として大学受験の実績を伸ばしている学校もあるでしょう。後者の方が、保護者には安心感があり、人気も集まりやすい。その分、偏差値も高くなりやすいのです。

しかし、子どもにとって大切な6年間が、ただその先の受験準備のためだけに使われるとしたら、それはあまり幸せなことではありません。むしろ前者の学校には、偏差値表には表れない魅力があるかもしれないのです。

結局、いちばん大事なのは、その学校がわが子に合うかどうか、ということです。

偏差値が高くても、子どもに合わない学校に進めば、毎日の学校生活は苦しいものになりかねません。場合によっては不登校になってしまうこともあるでしょう。しかも、いったん学校生活の歯車が狂ってしまったとき、私立は公立ほど手厚く対応してくれるとは限りません。そこで苦労するご家庭も少なくないのです。

ですから、偏差値表はあくまでひとつの参考資料に過ぎません。学校選びは、ぜひご自身の目で学校を見て、この学校はわが子に合うのか、6年間を前向きに過ごせるのか、という視点で考えていただきたいと思います。

教えすぎない方が、最後は伸びる

家庭で勉強を見ていると、つい教えたくなるものです。

子どもが止まっていると、ここはこうだよ、と言えば早い。実際、その方がその場は進むでしょう。

しかし、教えすぎるのは考えものです。

入試本番で問題を解くのは子ども自身だからです。親が横で説明してくれるわけではない。自分で問題を読み、自分で考え、自分で立て直さないといけない。

だから、普段から少し待った方がいいのです。

黙っていても、子どもは考えていることがある。そこで答えに近いことを言ってしまうと、その考えは止まってしまいます。

もちろん、放っておけばいいわけではありません。必要な助けは要る。

ただ、すぐに答えを言うのではなく、どこで止まったのか、何を考えたのかを先に聞いてみる。すると、自分で整理できることが少なくありません。

親が教えすぎると、子どもは「わからなければ教えてもらう」と思いやすくなります。それでは、少し崩れたときに弱いのです。

中学受験で大事なのは、順調なときよりも、わからなくなったときに自分で考え直せることです。

だから、教えないのではなく、まず考えさせる。必要な分だけ助ける。その順番が大事なのだと思います。

自分で考える時間が大事

大量の宿題や課題は、流れ作業を生みやすくなります。

だから、AIが出てきて、それを使って一気に宿題や課題をやってしまう、という技を身につけている子もこれから出てくるでしょうが、やはり自分で考える力をもっていないと、逆にこれからは生きられない。

AIやロボットに何でも任せられると思ってしまうと、一気にいろいろな力がなくなってしまうことがあるものです。

だから、今のうちにちゃんと自分で考える時間と力を作っていかないといけない。

そこが結構これから重要になってくるでしょう。

ちゃんと自分で考える時間を大切にしていきましょう。これは子どもだけでなく大人もそうかもしれません。