夏のスケジュールは細かく立てる

夏休みは時間があるように見えますが、実際には思っているほど自由には使えません。夏期講習があり、宿題があり、復習もあり、過去問も気になる。あれもこれもやろうとすると、結局どれも中途半端になってしまいます。

だから、まず大事なのは、やることをしぼることです。

この夏に本当にやるべきことは何か。苦手な単元の復習なのか、計算と漢字の安定なのか、理社の知識の整理なのか、志望校の過去問に入る準備なのか。子どもによって優先順位は違います。塾から出されたものを全部同じ重さで考えるのではなく、「これは必ずやる」「これは時間があればやる」と分けておく必要があります。

そして、やることを決めたら、時間を具体的に割り当てます。

「午前中に勉強する」では、なかなか進みません。「9時から9時40分まで計算」「10時から11時まで理科の復習」「夕方に社会の暗記確認」というように、できるだけ細かく決めておく。細かく決めるからこそ、何ができて、何が残ったのかが見えるようになります。

ただし、夏のスケジュールは必ず崩れます。

予定より時間がかかる問題もあります。講習の宿題が思った以上に多い日もあります。体調を崩すこともあるし、家族の予定が入ることもあります。最初に作った計画通りに進まないからといって、そこで失敗だと思う必要はありません。

むしろ、スケジュールは作り直すものだと考えておいた方が良いのです。

大事なのは、計画を守ることそのものではありません。限られた時間の中で、いま何を優先するかを考え続けることです。予定がずれたら、残っている課題を見直し、翌日以降に組み替える。無理に詰め込むのではなく、重要度の低いものを外す。そうやって柔軟に修正できる家庭ほど、夏の学習は安定します。

夏休みの計画は、細かく立てる。でも、細かく立てた計画に縛られすぎない。

やることをしぼり、時間を決め、進み具合を見ながら何度でも作り直す。その姿勢が、この夏を実りある時間に変えていきます。

誰もが同じやり方に合うわけではない

中学受験は、小学校が関わることが少ないので、どうしても塾中心に動きます。

ただ、今の塾のやり方は多かれ少なかれ、塾の運営にとってメリットがあるように作られている。

したがって子ども中心というわけではありません。

その結果として、誰もが合うというわけではない。

ここが割と見過ごされているところかもしれないと最近思うことが多いのです。

子どもの性格も目標も違うのだから、みんなが一線に並んでよーいドン、で競争するようなやり方がみんなに合うわけではない。

その仕組みに疲弊して、中学受験を止めてしまう、ということもあるようですが、しかし、それももったいない話。

なので、成績が伸びないのは子どものせい、ではない、という仮説を立ててみるのは大事なこと。

みんな行ってるから、はそろそろ卒業した方が良い時代に入っていると思います。

やらされすぎ?

受験の準備が進んでくると、だんだん「全部やる」ことが難しくなってきます。

塾では、カリキュラムがあり、宿題があり、テストがあります。そこではみんなが同じ問題を解きます。もちろん、基礎を固める段階では、幅広く学ぶことに意味があります。しかし、志望校がはっきりしてきた後も、ずっと同じように全部をこなそうとすると、かえって効率が悪くなることがあります。

大事なのは、我が子が受ける学校で、何が必要なのかを見極めることです。

たとえば、模擬試験や組み分けテストには、かなり難しい問題も含まれています。上位クラスを決めるためには、そういう問題も必要なのでしょう。しかし、実際の志望校の入試で、そこまでの難問が出るとは限りません。むしろ、合格に必要なのは、標準的な問題を確実に取り切る力である場合も多いのです。

それなのに、できなかった難問ばかりを追いかけていると、子どもは自信を失っていきます。

「またできなかった」

「自分はまだ足りない」

そう思い込んでしまうと、本来取れるはずの問題まで不安定になります。これはとてももったいないことです。

受験の後半に必要なのは、やることを増やすことではなく、絞ることです。志望校の過去問を見て、よく出る分野、必要な記述量、計算の重さ、知識の深さを確認する。そして、今の子どもにとって優先すべき課題を決める。

すべての宿題を同じ重さで扱う必要はありません。すべての難問を解けるようにする必要もありません。合格点を取るために、何を優先するかを考えるべき時期に入っているのです。

もちろん、塾の課題を無視すればよい、という話ではありません。ただ、言われたものを全部やることが目的になってしまうと、肝心の志望校対策が後回しになります。時間も体力も限られている以上、家庭で優先順位を決めることが必要です。

子どもにとっても、「これは今やる」「これは後でよい」「これは志望校にはあまり関係がない」と整理されるだけで、気持ちはかなり楽になります。目の前の課題が減れば、確実にできる問題に向き合う余裕も生まれます。

受験勉強は、たくさんやらされればよい、というものではありません。

我が子に必要なことを、必要な順番でやる。その方が、力はつきます。そして、できる問題が増えてくれば、子どもは少しずつ自信を取り戻していきます。

塾のペースから少し距離を置いて、まずは確実に自信を取り戻す、という方法もあります。こちらもあわせてご覧ください。