中学受験、向いてる、向いてない?

この時期になると、「うちの子は中学受験に向いているのでしょうか」という話がよく出てきます。

しかし、そこで判断されているのは、本当に中学受験そのものに向いているかどうかではありません。多くの場合、今通っている集団塾のやり方に合っているかどうか、という話にすぎないのです。

中学受験の勉強方法は、ひとつではありません。集団塾もあれば、個別指導、家庭教師、通信教育、オンライン教材もあります。市販の教材も豊富にありますし、最終的には志望校の過去問に取り組み、その学校の入試に必要な力をつけていくことになります。

つまり、目指す山は同じでも、登り方はいろいろあるのです。

集団塾は、多くの子どもを一度に指導する仕組みです。そのため、同じ教材、同じ授業、同じ宿題を与え、テストで競争させながらクラス分けをしていきます。これは塾を運営する上では合理的な方法ですが、すべての子どもに合うわけではありません。

授業の進度が速すぎる子もいれば、宿題が多すぎて復習ができない子もいます。競争によって力を伸ばす子がいる一方で、順位やクラスを気にしすぎて、自信を失ってしまう子もいるでしょう。

けれども、集団塾に合わないからといって、中学受験に向いていないわけではありません。自分のペースで勉強した方が力を伸ばせる子もいますし、必要な内容に絞って取り組むことで、志望校に合格する子もいます。実際、集団塾に通わずに難関校へ進学する子どももいます。

大切なのは、みんなと同じ道を進むことではありません。その子に必要な勉強は何か、どのような環境なら落ち着いて力を伸ばせるのかを、家庭が考えることです。

今の方法でうまくいかないと感じたら、「中学受験に向いていない」と決めつけるのではなく、別の登り方を探してみてください。

道を変えることは、受験をあきらめることではありません。子どもに合う道を選び直すことなのです。

夏休みの計画を大書する

夏休みは、毎日いろいろな勉強を進めることになります。

塾の宿題、知識の復習、過去問、計算や漢字など、やるべきことを頭の中だけで管理するのはなかなか大変です。そこで、夏休みの計画は大きな紙に書き出し、家族の目に入る場所に貼っておくと良いでしょう。

もちろん、計画そのものは本人が分かっていればよい、とも言えます。しかし、小学生が長い夏休みの計画を一人で管理し続けるのは簡単ではありません。家族も進み具合を知り、自然に応援できる形にしておくことには意味があります。

毎日やることを書き、終わったものを赤いペンで消していく。

これだけでも、子どもにとっては一つの楽しみになります。赤い線が増えていけば、自分が進んでいることが目に見えて分かるからです。

お父さんが帰宅して、たくさんの項目が消されているのを見れば、

「お、今日はがんばったな」

と声をかけることもできます。家族が結果だけではなく、毎日の努力を見てくれていると分かれば、子どもの励みにもなるでしょう。

ただし、計画を大書することが、いつも良い方向に働くとは限りません。

終わっていない項目が増え、赤い線がなかなかつかない。そこへ家族から「まだ終わっていないのか」「早くやりなさい」と言われれば、計画表を見ること自体が嫌になってしまうこともあります。

その場合は、遅れをすべて取り戻そうとしないことです。

できなかったものを翌日、さらにその翌日へと繰り越していけば、やることは増える一方です。本人も、どうせ終わらないと思い始め、気持ちが前を向かなくなります。

そうなったら、一度線を引いて、計画を立て直しましょう。

ここまでできなかったことは、いったん整理する。そのうえで、本当に必要なものを選び直し、今日から実行できる計画に組み替えるのです。

一度立てた計画を最後まで守れるのが理想ではあります。しかし、計画の目的は、計画通りに進めることではありません。必要な勉強を着実に進めることです。

予定が崩れたときは、失敗を責めるより、早く立て直す。その判断も、夏休みの学習をうまく進めるための大切な力になります。

公平、不公平を乗り越える

集合塾では、成績によってクラス分けが行われます。しかし、クラスが違えば教材まで変わるのかというと、多くの場合はそうではありません。

算数のテキストには、基本問題から練習問題、応用問題、さらに難問まで、さまざまなレベルの問題がまとめて載っています。そして、同じテキストがすべてのクラスに配られます。

違うのは、授業でどこを扱うかです。下のクラスでは基本問題や練習問題を中心に進み、上のクラスでは基本問題を飛ばして、応用問題から始めることもあります。

ここで問題になるのは、授業で扱われない問題です。

上のクラスの子が基本問題をすべてやることは、まずありません。しかし、組み分けテストには応用レベルの問題まで出題されます。すると、下のクラスの子も、いずれはそこまで到達しなければなりません。

ところが、授業では基本や練習までで時間を使い切ってしまい、応用問題までなかなか進めない。逆に、すべてを宿題として出せば、今度は負担が大きくなりすぎます。

そこで、「クラスによってテキストを変えるべきではないか」という議論が出てきます。一方で、教材を変えれば不公平だという声も出るでしょう。全員に同じ教材を渡せば公平に見えますが、実際に必要な問題を十分に学べるかどうかは別の話です。

集合塾では、どうしても公平、不公平という問題がつきまといます。大勢の子どもを同じ仕組みの中で指導する以上、完全に一人ひとりに合わせることはできません。

個別指導では、必要なものだけを選べる

個別指導には、この公平、不公平という議論がありません。

その子が今できていること、まだできていないこと、志望校で必要になることを見て、取り組む問題を決めればよいからです。

基本が不十分であれば、基本問題に戻る。基本はできているが応用に進めないのであれば、その間をつなぐ問題を選ぶ。志望校で特定の分野がよく出るのであれば、そこを重点的に練習する。全員が同じ順番で、同じ量をこなす必要はありません。

WEBワークスにも、さまざまなレベルや分野の問題が用意されています。しかし、それを最初からすべて子どもに見せるわけではありません。

今必要な問題だけを切り出して提示するので、「こんなにたくさんやらなければいけないのか」という負担感が生まれにくい仕組みになっています。

一方で、力がついて次の段階に進めるようになれば、新しい問題を追加することもできます。今は見えていない問題でも、必要になったときにはすぐに取り組めるのです。

同じ量をやることが公平なのではない

本当の意味で大切なのは、全員が同じ教材を持ち、同じ問題数をこなすことではありません。

一人ひとりが、合格に必要な力を身につけることです。

すでにできている問題を何度も繰り返す必要はありません。反対に、今の段階では難しすぎる問題に長い時間を使う必要もないでしょう。

必要な問題を、必要な順番で、必要な量だけ取り組む。その方が、学習の目的が明確になり、子どもも目の前の課題に集中できます。

公平、不公平という枠組みにとらわれていると、本当に必要な勉強が見えにくくなります。まず考えるべきなのは、「みんなが何をしているか」ではなく、「この子が今、何をできるようになるべきか」です。

個別指導のメリットは、単に先生が一対一で教えることではありません。その子に必要な学習だけを選び、余計なものを減らしながら、次に必要な課題を加えていけることにあります。

限られた時間を有効に使うためにも、まずは今必要なことをしっかり見極め、そこに絞って学習を進めてください。