中学受験辞典

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模試の答案で見直すべきポイント

模擬試験が返ってきたら、まずしっかり点検してほしいのは答案です。

もちろん、偏差値や合格可能性は気になるでしょう。しかし、それはあくまで今回の試験の結果をデータにしたものです。

大事なのは、ここから何を変えるか。

そのためには、答案を確認する必要があります。

まず、次のような点をチェックしてみてください。

□基本がわかっていない分野がないか
□問題文を読み飛ばしていないか
□条件を勘違いしていないか
□計算間違いをしていないか
□捨て問に時間を使いすぎていないか

該当するところがあったら、それぞれ対策を考えていきます。

### (1)基本がわかっていない分野がある

これは早急に復習した方が良いでしょう。

ただし、何でも全部やり直せば良い、ということではありません。

塾の模擬試験は、いろいろな学校を受験する子どもたちを対象にしています。ですから、自分の受験校ではあまり出ない分野まで出題されることがあります。

そこに多くの時間をかける必要はありません。

問題なのは、志望校で出そうなのに「できない」分野です。

そこは時間を確保して、まとめて復習する。これからは、そういう優先順位をつけて勉強することが大事です。

### (2)問題文を読み飛ばした

これは、解き方のルーティンを決めてしまうのが良いでしょう。

1 大事な条件に下線を引く
2 その条件を使っているか確認する
3 答えが出たら、もう一度問題を確認する

子どもたちは急ぐと、こういう手順を飛ばします。

しかし、一つひとつは数秒しかかかりません。

問題を読み違えて、途中まで解いてからやり直すことを考えれば、最初に数秒かけて確認した方が、むしろ時間の節約になるのです。

### (3)条件を勘違いした

一番多いのは、自分が知っているパターンの問題だと思い込んでしまうことです。

算数の一行問題などは、見た瞬間に「ああ、あれだ」と思うことがあります。

ところが、よく読んでみると条件が少し違う。

子どもは「できる!」と思ったときが、案外危ないのです。

わかったと思ったから、問題文を最後まで丁寧に確認しなくなる。

ですから、ここでも(2)のルーティンが大事になります。「わかった」と思ったときほど、条件をもう一度確認する習慣をつけてください。

### (4)計算間違いをした

計算ミスは、単に計算力の問題とは限りません。

式を書かないために起こっているミスもたくさんあります。

頭の中だけで処理せず、まず式を書く。

記述式の学校でなくても、これは同じです。

例えば円周率をまとめて計算するときも、式を書いて整理した方が圧倒的に間違いにくい。

そして縦の計算をしたら、その場で一度確認する。

計算練習も、ただたくさんやれば良いわけではありません。こうした手順を実行しながら、「間違えない練習」にしていくことが大切です。

### (5)捨て問に時間を使った

難しい問題に時間を使ってしまい、その後にあったできる問題を落とした、ということもあります。

これはある程度仕方がないところがありますが、意地になって解き続けるのはやめた方が良いでしょう。

一つの目安は、その問題に使える時間の半分程度です。

例えば50分で8問なら、1問平均は約6分です。3分程度考えても先が見えないのであれば、いったん置いて次へ進む。

そして、最後に時間が残ったら戻れば良いのです。

この判断は、過去問を解きながら練習していけば、だんだん上手になります。

入試で大事なのは、「できない問題をできるようにする」ことばかりではありません。

それ以上に大事なのは、

「できる問題を間違えないこと」

です。

難しくて多くの受験生ができない問題は、できなくてもそれほど差にはなりません。

しかし、取れる問題を落とせば、それはそのまま差になります。

模擬試験の答案は、そのことを教えてくれる大事な材料です。

数字だけを確認して終わりにせず、答案から次に直すべきことを見つけてください。

5年生は基本に徹する

5年生のこの時期は、算数でも理科でも新しいテーマが続きます。理解することが多いうえに、毎週のように内容が変わる。基本を覚え、考え方をつかもうとしているうちに、次のテーマへ進むこともあるでしょう。応用問題まで手が回らなくても、不思議ではありません。

しかし、それで良いのです。

難しい問題に取り組んでいないと、保護者は遅れているように感じるかもしれません。けれども、習ったばかりの内容が曖昧なままでは、応用へ進んでも考えが途中で止まります。今週の基本がわからないうちに次の内容が始まれば、わからないところがそのまま残る。5年生で気にしたいのは、問題の難しさよりも、子どもが基本をちゃんと理解しているかどうかです。

テーマによっては、入試でそこまで難しい問題を出さない学校も多いのです。それなら、無理に難問へ手を伸ばすより、基本を一つずつ確かなものにした方がよい。ちゃんとわかっていれば、6年生になってからその知識を使い、自分で考えられます。あとから力を伸ばしやすいのは、そのためです。

応用問題をたくさん解いているから安心、ということではありません。何となく解き方を追うより、いま習っていることを自分で考えられる方が、よほど結果につながります。5年生は基礎で良い。そう決めて、慌てずに取り組んでください。

やらないものがあってもよい

この時期、本当に忙しいスケジュールをこなしている子どもたちがいます。

塾もあり、個別指導もあり、家庭教師もある。模擬試験があり、学校別の特別授業もある。あちらこちらに出かけているうちに、家で勉強する時間がほとんどなくなってしまう。

「来週までにこれを覚えておいてね」と言っても、

「その時間、いったいどこにあるの?」

ということになりかねません。

残り時間が少なくなってくると、どうしても「あれもやった方がいい」「これも追加した方がいい」と考えたくなります。

あとになって、「あのとき、やっておけばよかった」と後悔したくない、という気持ちもあるでしょう。

しかし、追加したことが逆に仇になることもあります。

ですから、新しい授業を入れるにしても、家庭教師を頼むにしても、

「何のためにやるのか」
「具体的にどんな効果を求めているのか」

ということを、はっきりさせておく必要があります。

例えば、過去問を解いていて、どうしてもわからない問題がある。解説を読んでもよくわからない。塾の先生に質問しようと思っても、質問の列が長くてなかなか聞けない。

それなら、その問題を教えてもらうために先生に来てもらう。

これは目的がはっきりしています。

しかし、せっかく教えてもらったのに、それをもう一度自分で解いたり、理解したことを確認したりする時間がないまま、次の予定に追われてしまうのであれば、少し考え直した方がいい。

それでは、せっかく時間を使っているのに、十分な効果が出ません。

「何となく不安だから、もう少しやれば成績が上がるかもしれない」

という理由だけで予定を増やしていくのは危険です。

つねに、

「何のためにこれをやるのか」
「やった結果、どうなったのか」

を確かめながら、必要なものを選んでいくべきでしょう。

そして、もうひとつ大事なことがあります。

何かを追加するのであれば、その分、やめるものがあってもよいのです。

時間は増えません。

新しいことをひとつ入れるなら、何かをひとつ減らす。

全部やろうとするのではなく、今、本当に必要なことに時間を使う。

この時期は、そういう整理も大事な受験勉強です。