個性に合った伸ばし方

子どもたちの能力はさまざまです。

足が速い子がいて、頭の良い子がいて、計算が速い子がいて、絵が上手い子がいる。

全員がすべての能力に長けているわけではなく、すべてが成長途上。だから、子どもたちに合うやり方でその能力を伸ばすことが一番正しい道筋です。

ところが集団授業というのは、その集団のペースについていけないと、ダメになったような気にさせられてしまうところがある。

本来、受験というのは、合格するためにやることだし、中学受験は入試の一発勝負であることは明確なのだから、その一発勝負に間に合うように準備をすればいいだけの話なのです。

4年生の今頃にどんな成績であろうと、入試には影響はないし、実際にそんな時期に勉強を始めていない子どもだっている。それでも次第にみんなが準備を始め、試験で合格点を取れれば合格するわけだから、その子に合った道筋を開いてあげることが大人の役割だと思うのです。

もっと能率の良いやり方はないか、もっと素早く準備できる方法はないか、考えてあげて欲しいのです。受験勉強についてどちらかといえば過剰な負担が求められる傾向があるのですが、小学生の受験ですから体力的にも難しい部分がある。歯を食いしばって、みたいな感覚を小さいうちからあまり求めすぎないことが大事です。




ご褒美作戦

子どもの数が減って、多くの大人が子どもたちを見ている環境になってきています。

親としては子どもがいろいろと自分でやれるようにと仕向けているつもりでも、実際には子どもに手をかけているところがある。

自分でやらなくてもすむものは、基本的に子どもはやらない。

能力的にはいろいろなことができても、やるか、やらないか、で言えばやらないを選びます。

特に幼い子はこの傾向が強い。

これはやらなければいけないこと、と決めても、それがやりたくなければ、自分のやりたいことをやってしまう。

我慢してやる、ということはあまり得意ではないので、したがって受験勉強に向かないのです。

そういう子どもたちをちゃんとやることに向かわせるためには、それをやりたいことにする動機付けをしなければなりません。

で、それを正面切ってやれば、志望校に合格することでしょ?という話になるわけですが、そういう話は幼い子には効かない。

しかし、ご褒美には敏感に動きます。

~をやったら~がもらえる

~をやったら~ができる

勉強は自分のためにやることだから、というような正論は子どもが幼さから脱してからの話。

幼い子には幼い子なりの向き合い方をしていかないと、いつまでたっても勉強は進まないので、親の方で切り替えていきましょう。




覚えるだけのこと

6年生はすでに大方のことは習っているので、あとはそれをどう答案に反映するか、確実に得点するか、にかかっています。

だから四の五の言わず、練習しなさい。

そして覚えていないことは覚えなさい。

ということに尽きる。

別に塾でなくても自宅でもいい。あるいは逆に塾の自習室でもいいかもしれない。

サッカーだって、野球だって、ピアノだって、全部同じ。

練習しなきゃ、できるようにならない。

問題を解かないと、わかるようにはならないのです。ただし、すべての問題を網羅する、などと考えてはいけない。あるいは過去問すべて解いたから十分、ということにもならない。

入試に到るその日まで、やれる練習は全部やる。

無理なことはやらなくていい。

しかし、できることはしっかりやりきる。

そういう覚悟は絶対に必要です。

何、残りはあと5ヶ月もないのです。

中学入試前に、

「いやあ、あのときはがんばった」

と思えるほどやっていれば十分だから、がんばりましょう。