2013年受験に向けて」カテゴリーアーカイブ

冷静にデータを考える

最近は、模擬試験のデータが帰ってくるのが早くなりました。WEBで見ることができるので、それこそ試験2日目には素点や子どもが書いた答案がアップされているでしょう。

そして数日後には偏差値、合格可能性、問題別偏差値、合格ライン分析などいくつかの資料が出てくるはずです。しかし、偏差値や合格可能性を見て「ガーん」となり、気を取り直そうとするもののさらに心配になって塾の先生に電話をしたり、さらには家庭教師を増やしたり、ということになってしまっては、当然、いけません。

データは、確かに現状を表しているので、これを冷静に、あくまで冷静に分析してみることが必要です。私は、子どもの成績表よりも問題と答案に視点を置きます。

つまり、どの問題ができて、どの問題ができていないのか。

できれば子どもにもう一度、問題を渡して、同じ時間で解きなおしてもらう。その結果として、試験ではできなかったが今度はできた、という問題もあるでしょう。

つまり、「できる可能性があった問題」というのは、どのくらいかを考えてみるのです。

実際の点数ととれる可能性のあった点数のかい離が大きい、ということはミスをしたり、試験で上がったりという、「試験で力を発揮する力」の不足が問題であることが多い。多くは、結果を気にするあまり、あわてて問題を読み飛ばしたり、計算をていねいにやらなかったり、ということが原因なので、ここは子どもと試験の受け方について話し合ってみる必要があるでしょう。

すでに結構プレッシャーがかかっている場合があるかもしれませんから、それを解きほぐしてあげる必要はあると思います。

次に、できなかった問題をもう少し詳しく調べてみましょう。

例えば国語の選択問題で、間違いが多い、という場合。

これは、雰囲気で読んで、勘で答えているケースが多いのです。つまり、作問者が作る紛らわしい選択肢にひっかかっている。しかし、作問者は著者ではないので、文中の根拠から選択肢を判定するように作ります。その根拠を見つけられていない、ということであるならば、その練習をしないといけない。

よくある問題で、「本文の内容と一致するものを2つ選びなさい。」のような出題があるでしょう。

このとき、これはどこに書いてあるのか、を明確にするくせをつけると、間違わなくなります。ところが何となく読んで、そういうことだろう、ぐらいに思って解いていると間違える。つまり解き方が曖昧になっているわけで、このやり方をいくら続けても国語の点数はとれません。

子どもの模擬試験の結果はいろいろな内容を教えてくれるものです。だからデータを分析することは大事なことで、そこから次の対策を考える必要があります。

じゃ、これを塾の先生がやってくれるか? 塾生の人数で決まるでしょう。しかし、すべてやってもらえるとは限らない。だったら、親がやった方が良いのです。子どもに任せてもなかなかそこまで冷静に考えられません。

中学受験が親と子の入試であるのは、子どもがすべてを解決できないからです。子どもの勉強の方向性をしっかり導いてあげるために、模擬試験の結果に一喜一憂せず、冷静に答案を分析してください。

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難しい問題は解説を写してみる

過去問をやっていると、難しい問題にぶつかることもあるでしょう。

解答を読んでみても、今一つわからない。何いっているんだ? これ。

解説にもよりますが、何か見つかっていないから、わからない場合があるのです。

そういうとき、塾の先生に質問に行くのもいいが、実は解説を写してみるのも手なのです。

確かに面倒なのですが、しかし、写していると、なぜここがこうなるのか?と思うことが出てくるでしょう。

それを考えているうちに、「あ、そうか」とわかる。発見する。

この発見が大事なのです。

私は算数の問題をパターンで覚えてはいけない、とよくお話します。もちろん基礎として、例えば流水算で(下りの速さー上りの速さ)÷2=流速みたいなことは覚えないといけない。だが、これはこうする、と解き方を暗記するのは意味がない。

良く碁や将棋で定石というのがあって、それをむやみに覚えるという場合がありますが、なぜ次にそこを打つのか考えられた上での話でないと、相手がちょっと変えるだけでもう太刀打ちできなくなる。

算数も同じです。だから棋譜を研究するのに似ている。そのために、解説を写す、といいのです。

解説を写す際に図も写してみると、図の書き方もだんだんうまくなってくる。

質問のために長い行列を待つぐらいなら、もう一度自分で考えてみる方が早い場合もあるので、ぜひやってみてください。

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社会の入試問題の変化

最近の社会の入試問題は長くなりました。電話帳を見ていても、一番薄いのは算数。逆に一番厚いのは国語なのですが、社会もだいぶ厚くなってきています。

これは実はグラフィックに原因があります。つまり、入試問題を作るためのグラフィック処理能力が格段に上がったのです。学校で作る版下の段階で、地図や写真をいろいろ入れられるようになった。だから写真や地図、グラフ、表などの資料がまあ、たくさん出てくる。

昔は問題文すら手書きだったのに今は活字が当たり前。入試問題がカラー印刷されている学校もあります。

で、そうなると明らかに増えてくるのが地図の問題です。

以前は地理の問題はどちらかといえば、地名や山脈、盆地などの名前を覚えることが大事でしたが、今はそれが地図上のどの位置にあるか、ということをしっかり認識していないといけない。

地図で言えば国土地理院の地形図がやはり良く出題されます。地図記号などは本当に昔に勉強した、(4年生の最初ぐらいでしょうか。)後、ぜんぜん振り返っていないかもしれませんが、結構入試問題に出されているのです。

ですから、最近の入試問題を横断的にやっておくのは非常に良い勉強だと思います。例えば地形図の問題だけピックアップしてみると、案外聞かれることは同じだったりする。縮尺や等高線の間の距離、A地点とB地点の高度差を出したり、傾斜を比べたり。

あまり昔の問題にさかのぼっても仕方がないので、社会についてはここ3年ぐらいを集中して、その代わりいろいろな学校の問題を解いてみると良いと思います。

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