2025年桜蔭中学の問題です。
石灰水に炭酸水を加えると、はじめに白いにごりが生じ、さらに炭酸水を加えていくと、にごりがうすまっていきます。この現象について図書館で調べたところ、以下のことがわかりました。
石灰水は水酸化カルシウムの水溶液です。石灰水に二酸化炭素をふきこむと、水酸化カルシウムが水中で二酸化炭素と結びっいて、水に溶けにくい炭酸カルシウムに変化し、白くにごります。さらに二酸化炭素をふきこみ続けると、炭酸カルシウムが水中で二酸化炭素と結びついて、水に溶けやすい炭酸水素カルシウムに変化し、白いにごりが消えます。また、固体の炭酸カルシウムを強く加熱すると、酸化カルシウムに変化します。酸化カルシウムを水に入れると、水酸化カルシウムに変化し、石灰水ができます。
名前に「石灰」と付くさまざまなものはカルシウムを答み、利用価値の高いものがあります。以下にいくつかの例を挙げます。
①石灰石は水に溶けにくいものですが、細かくくだいて酸性の液体に入れるとその酸性を弱め、二酸化炭素が発生します。この性質を利用し、温泉の成分によって強い酸性を示す河川で、その酸性を弱めるために使われています。また、水に溶けにくいことから、土のグラウンドに白線を引くためにも使われます。石灰石のもととなる石灰岩は、日本でもさまざまな場所で採れます。
②消石灰と呼ばれる白い固体は、時間がたつと空気中の二酸化炭素と少しずつ結びつき、水に溶けにくく、かたくて燃えにくいものへと変化します。これを利用した建築素材に漆喰とよばれるものがあり、古い民家や土蔵などのかべとして使われています。
③生石灰と呼ばれる白い固体は、水と結びつくと消石灰へと変化し、発熱します。この性質は、駅弁を温める仕組みなどに利用されています。
問1 石灰水と炭酸水を、赤色リトマス紙と青色リトマス紙にそれぞれ1滴ずつたらしました。リトマス紙はどのようになりますか。つぎのア~ウからそれぞれ選び、記号で答えなさい。
ア。赤く変化する イ。青く変化する ウ。変化しない
問2 石灰水と炭酸水をそれぞれ蒸発皿に入れたものを加熱し、水を蒸発させた蒸発皿の様子を観察しました。蒸発皿の様子として正しいものを、つぎのア~ウからそれぞれ選び、記号で答えなさい。
ア。何も残らない イ、白い固体が残る ウ。黒い固体が残る
問3 ①石灰石、②消石灰、③生石灰はつぎのア~エのどれか、それぞれ記号で答えなさい.
ア.酸化カルシウム イ.水酸化カルシウム
ウ.炭酸カルシウム エ.炭酸水素カルシウム
問4 石灰岩が作られる主な要因をつぎのア~オから1つ選び、記号で答えなさい。
ア.火山からふき出した火山灰が積もった
イ.火山からふき出した溶岩が冷えて固まった
ウ.貝やサンゴの死がいが海底に積もった
エ.枯れた植物が海底に積もった
オ.河川で上流から運ばれた砂やどろが河口付近に積もった
【解説と解答】
問1 石灰水はアルカリ性、炭酸水は酸性です。
(答え)
石灰水 赤色リトマス紙 イ 青色リトマス紙 ウ
炭酸水 赤色リトマス紙 ウ 青色リトマス紙 ア
問2 石灰水は水酸化カルシウムが溶けているので、白い固体が出てきます。炭酸水は二酸化炭素が溶けているので、何も残りません。
(答え)石灰水 イ 炭酸水 ア
問3
石灰石は、酸性の液体に入れると二酸化炭素が発生するので、ウの炭酸カルシウム。消石灰は二酸化炭素と結びついて炭酸カルシウムを作るので、イの水酸化カルシウム。
生石灰は水と結びつくと、消石灰である水酸化カルシウムになるので、酸化カルシウムでア。
石灰石を1000℃で熱すると生石灰になり、それに水を入れると、消石灰になります。
(答え)① ウ ② イ ③ ア
問4
石灰岩は貝やサンゴの死骸が海底に積もってできます。
(答え)ウ
問題文をちゃんと読めばわかる、という問題ではあるものの、やはりこの辺で力の差を見るようです。
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