日別アーカイブ: 2026年5月20日

理科計算を出す学校、出さない学校

理科の計算問題が苦手、という子は少なくありません。

特に6年生になると、溶解度、気体の発生、中和、電気、力のつり合いなど、いろいろな分野で計算が出てきます。算数で比や割合を勉強しているとはいえ、それを理科の条件にあてはめて考えるとなると、また別の難しさがある。

だから、理科計算でつまずく子が出てくるのは、ある意味当然です。

ただ、ここで考えておきたいのは、すべての学校が理科計算を同じように重視しているわけではない、ということです。

学校によっては、かなりしっかり計算問題を出してくるところがあります。例えば、物理や化学の分野で、条件を整理し、比例関係を使い、場合によっては何段階か計算を重ねる問題を出す。こういう学校では、理科計算を避けて通ることはできません。

一方で、あまり理科計算を出さない学校もあります。

もちろん、まったく計算が出ないというわけではありません。基本的な割合やグラフの読み取り、表の数値を使った簡単な計算ぐらいは出るでしょう。しかし、受験生が大きく時間を取られるような本格的な計算問題は、それほど出さない学校もあるのです。

なぜそうなるのか。

ひとつには、理科の計算問題は正答率が低くなりやすい、という事情があります。難しく作れば作るほど、ほとんどの受験生ができない問題になってしまう。そうなると、問題としては出しても、合否を分ける材料になりにくい場合があるのです。

また、学校によって理科で見たい力が違います。計算力を見たい学校もあれば、知識を正確に使えるか、実験や観察の意味を理解しているか、文章や図表から考えられるかを重視する学校もあります。

ですから、理科計算が苦手だからといって、ただちに理科全体がだめだと考える必要はありません。まず志望校がどの程度、理科計算を出しているのかを見ておくことが大事です。

過去問を数年分見れば、かなりはっきりします。

毎年のように電気や力学、化学計算が出ている学校なのか。出るには出るが、基本的な計算にとどまっているのか。あるいは、計算よりも知識や観察、実験の考察を重視しているのか。

この違いを見ずに、ただ「理科計算をもっとやらなければ」と考えると、勉強の配分を間違えることがあります。

もちろん、基本的な理科計算はできるようにしておいた方が良いでしょう。溶解度の基本、気体の発生量、電流と抵抗、ばねやてこの基本などは、入試に出る出ない以前に、理科の理解として必要な部分です。

ただし、どこまでも難しい問題に突っ込んでいく必要があるかどうかは、志望校によって違います。

理科計算をしっかり出す学校を受けるなら、早めに対策を始める必要があります。計算の型を覚えるだけでなく、条件を整理する練習をしていく。図を書く、表にまとめる、比例関係を見つける。そういう練習が必要になります。

一方、理科計算の比重がそれほど高くない学校であれば、難問に時間をかけすぎるより、基本知識、実験の理解、グラフや表の読み取りを安定させた方が得点につながる場合があります。

入試は満点を取る試験ではありません。

特に理科は、すべての分野を完璧に仕上げようとすると時間がいくらあっても足りません。だからこそ、志望校に合わせて、どこに時間をかけるかを決める必要があります。

理科計算が出る学校なのか、出ない学校なのか。

ここをまず確認してください。その上で、必要なレベルまで練習する。必要以上に怖がらない。逆に、出る学校なのに後回しにしない。

この見極めが、理科の勉強では案外大事なのです。

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