個別指導では、どうしても「先生の予約」という問題が起こります。
特に夏期講習や冬期講習のように、みんなが同じ時期に授業を増やしたいと考えると、人気のある先生の時間はすぐに埋まってしまいます。いつもの先生に見てもらいたい、できればこの曜日、この時間がいい、と思っていても、なかなか希望通りにはいかないことがあるでしょう。
ただ、これは個別指導である以上、ある程度避けられない問題でもあります。
ひとりの先生が同時に見ることのできる生徒は限られています。集団授業であれば、ひとつの教室に多くの生徒を入れることができますが、個別指導ではそうはいきません。子どもの状況を見て、今何がわかっていて、どこでつまずいているのかを確認しながら進めるからこそ、先生の時間には限りがあるのです。
ですから、先生の予約が取れないからといって、すぐに「この塾はだめだ」と考える必要はありません。むしろ大事なのは、その限られた時間をどう使うかです。
たとえば、先生にすべてを教えてもらう、という考え方にしてしまうと、授業時間はいくらあっても足りません。しかし、家庭でできることを先に進めておき、わからないところ、判断に迷うところ、答案の直し方などを先生に見てもらう形にすれば、短い時間でも効果は上がります。
先生の役割は、すべてを最初から説明することだけではありません。今の勉強の方向が合っているか、優先順位は間違っていないか、子どもがどこで止まっているのかを見つけることも、大事な役割です。
特に受験学年になると、あれもこれもと授業を増やしたくなります。しかし、授業を増やせば成績が上がる、というものでもありません。授業を受ける時間が増えれば、その分、自分で考える時間、復習する時間、やり直す時間は減っていきます。
だから、先生の予約が取りにくいときほど、少し冷静に考えた方が良いのです。
本当にその授業は必要なのか。家庭で進められる部分はないのか。先生に見てもらうべきところはどこなのか。そこを整理しておくと、限られた指導時間をかなり有効に使うことができます。
また、先生が変わることを必要以上に不安に思わないことも大切です。もちろん、子どもとの相性はあります。しかし、別の先生に見てもらうことで、違う角度から課題が見えることもあります。同じ問題でも、説明の仕方が変わると、子どもがすっと理解することもあるのです。
大事なのは、「この先生でなければだめ」と決め込みすぎないことです。もちろん信頼できる先生に継続して見てもらうことは大切ですが、それ以上に、子どもが自分で勉強を進められる形を作っていくことの方が、長い目で見れば大きな力になります。
先生の予約は、確かに悩ましい問題です。
しかし、それは同時に、勉強の進め方を見直すきっかけにもなります。先生に頼るところと、家庭で進めるところを分ける。授業を受けることよりも、授業で何を解決するかをはっきりさせる。そういう使い方ができるようになると、個別指導の効果はずいぶん変わってきます。
先生の時間は限られています。だからこそ、その時間をどう生かすかを考えることが大事なのです。
今のやり方が合わないと感じる場合は、家庭で進めやすい形に切り替えることも大事です。こちらもあわせてご覧ください。
