第27回 クラス分けテストで半年近く、上位に上がれない時

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    先日、あるお母さんから、半年近く、クラスが真ん中よりやや下で、クラスを上がることができないという相談メールがありました。
    案外、そういう方は多いのではないかなと思います。そして厳しい言い方をすれば、多分今後もそう変わらないだろうと思うのです
    なぜでしょうか?
    カリキュラムがあり、その内容が理解できれば、上位に上がれるというわけではありません。上位に別の子どもたちがいて、その子どもたちが並んでいる以上上位に食い込むというのは、よほどがんばらないといけないからなのです。しかも大手の塾で言えば、ベテランの先生が上の子どもを教えている状態にあるので、その先生たちが自分の教えている子どもたちの成績を下げるわけにはいきません。必然、上位に上がることは難しくなります。
    その間に、子どもたちはいくらがんばっても「今のクラスが変わらない」ということになると、モチベーションが上がらなくなります。私が一番問題だと思っているのはここなのです。しかも学校別の選抜もこのクラス分け通り行われるので、「希望しているクラス」にすら入れないということも起こります。(あるいは入れてもまた、下のクラスということになるのでしょうか。)
    一つの基準(この場合、組み分けテストという基準)があって、ある序列が出来上がってくると、そう変化するものではありません。組み分けテストに対して得意な子とそうでない子があり、得意な子たちが上に並べば、そこに入っていくのはなかなか困難でしょう。
    それが入試では?と思われるかもしれませんが、ここに落とし穴があります。

全員が同じ中学校を受けるわけではない

    ということなのです。だから、志望する中学校に関する順位ではないものを信じて、自信をなくしてしまう、やる気を失ってしまうから困るのです。実際に組み分けテストというのは、志望する学校の傾向を反映しているものでは決してないからです。
    ある生徒は、通っている塾で自分の志望校に関するクラスではそこそこ上にいました。私が見てもなかなか力があると思いました。ところが、その子は全然自信がない。
    「だって、僕の上には何人も出来る子がいるんですよ。」
    「でもその子たちは君の学校を受けるの?」
    「いや、そうではないですが。でも、僕は彼らほど算数ができないんです。」
    とこうなると始末が悪いのです。
    私は半年近くポジションが変わらないのなら、すでに危険な状況にあると考えた方が良いと思っています。このまま行けば、自信ややる気を失ってしまう。さらに同じような子どもたちと友達になりますから、いたわりあってしまうようなところもあるのです。
    まずはその基準から離れてしまうというのが、大事なことだと思います。山の登り方はいくらでもある。ひとつのやり方に固執していると、子どもの可能性が閉ざされてしまう場合がありますから、そこを親が考えてあげなければいけないのです。

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