授業の定型化

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塾の歴史の中で、クラスの人数を減らす、ということは、最初の課題になりました。

それまで中学受験の先生の数が圧倒的に足りなかったので、1クラスの人数が大手予備校のように多かった。しかし、これは子どもの指導をする上ではやはりいろいろ問題が出てくるので、1クラスの人数を減らさないといけない。

そうなると、先生を増やさないといけないから、授業を定型化する必要があるのです。

そこで採られたのが、各授業のパッケージ化。その授業で教えることは何かを明確にし、やる教材を同じにする。ここで先生の裏技が逆に邪魔になる。余分なことは教えるな、ということで、まあ一悶着はあったわけですが、しかし、粛々と定型化が進んだわけです。

なので、大手塾で1クラスの人数が15人という授業は、この定型化がもたらしたわけですが、もちろん問題もある。

というのは、小学生の場合、子どもと先生の相性、というのはやはり大きい。なんか、合わないなあ、と思うと子どもは先生の話を聞かなくなる傾向がある。また親もその話を聞いて、他の先生の授業にしてくれ、というクレームが発生するのです。

そこで効力を発揮したのが組み分けテスト。先生は選べない。だって成績順ですから、という一点張り。それがイヤなら辞めてください、ということになって、辞めた子もいましたが、しかし、まあ、多くの場合はそのままだったでしょう。

これで先生に対するクレームを封じたので、大手塾のシステムとしては完成したわけです。

で、個人情報の問題はあるものの、座席まで成績順で決める。これはそのクラス内での順序が明確に分かるわけですが、これもクレーム封じみたいなところもある。つまり、目の悪い子は前の席にという親の要望を封じたのです。まあ、いろいろ封じることは多かったみたいですが、しかし、結局、そういう力関係の中で、今のシステムは成り立っている。

その結果として、子どもたちの負担がどんどん増えている、というのは、許容しがたいレベルになってきています。通塾時期の低年齢化もそうですが、また出されている課題も異常なものが多い。

同じシステムも40年経つとやはり経年劣化が出てくるので、そろそろ違うシステムへ動いていくべきだと思います。


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