月別アーカイブ: 2012年10月

第55回 量を解いても、できるようにならない場合

■ 6年生はこの時期、ずいぶんたくさんの問題を解いているように思うのです。過去問もやるし、塾でも演習のプリントが渡されて、問題を解いている。以前のように新しい事項を勉強するのとは違います。演習形式だから解く問題数は明らかに増えているはずです。

■ でも成績が伸び悩む子がいます。やはり量が足りないのか? いいえ、むしろ質が足りないのでしょう。終わらなければいけない、ばっかりになっていると「本当にわかっているのか?」ということが軽視されてくる。だから言葉は悪いが「ざるで水をすくっている」状態になるのです。

■ 算数などは確かに問題を解くことによって、経験値が上がるでしょう。いろいろな問題に対応することができるようになる。ただ、すべてのパターンを網羅する、ということはできないのです。ある程度、経験値は増えていなければならないが、やはり、その場で問題文を読み取り、しっかり考えて、解法を探し、答えを書くという一連の作業ができないといけないわけです。そのための力を養うのであって、過去のデータベースから似たような問題を思い起こして、あれと同じパターンだといって解くはずはないのです。

■ だから持っているデータを増やすのではない。むしろ、その場の対応を練習しているわけだから、一問一問の解き方にポイントがあるのです。ところが問題の量を増やすと、その焦点がぼけてくるので、対応力がつかない。だから成績が伸びないのです。

■ たくさん勉強しているのに、成績が上がらないとしたら、それはひとつひとつの精度が上がっていないと見るべきでしょう。だから問題数は減らした方が良い。むしろ、本当にわかっているのかを確認することが大事です。3000問解いたところで、合格するとは限らない。逆に300問で充分に力がつくことはありえるのですから。

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平面図形の問題

西大和中学2010年の問題です。


図のように1つあたりの面積が16㎝2の正三角形が5つ並んでいます。両端の正三角形の頂点を図のように結んだ時、斜線部分の面積を求めなさい。


図のBC間は4等分されています。したがって三角形ABCと三角形BON、三角形BKJ、三角形BGEはすべて相似形となります。

AC=【4】とすると
NO=【3】、KJ=【2】、EG=【1】となります。

また三角形BDFと三角形FEGの相似からDF:FE=4:1
三角形GHIと三角形IJKの相似からHI:IJ=3:2
三角形KLMと三角形MNOの相似からLM:MN=2:3
三角形POQと三角形QCAの相似からPQ:QC=1:4

したがって斜線分は左から正三角形の

4/5+3/4×3/5+1/2×2/5+1/4×1/5=4/5+9/20+1/5+1/20

=16/20+9/20+4/20+1/20=30/20倍になるので1.5倍です。

16×1.5=24
(答え)24cm2

「映像教材、これでわかる比と図形」(田中貴)

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帰国子女入試

今から20年ほど前は、帰国子女の入試はほとんどありませんでした。

海外で受験準備はなかなか難しかった。だいたい、日本人学校が海外では少ない時期です。多くの子どもたちが現地校に通う。だから現地のことばを勉強するのがまず最初。中学受験の準備なんてままならない。だから合格するのは大変難しかったのです。

しかし、だんだん学校側が帰国子女の入試を行ってくれるようになりました。

帰国子女の枠をつくった理由は大きく分けて3つあります。

1 英語ができる。

帰国子女が英語ができるとは限らないが、英語ができるなら、大学入試の戦力になるのは間違いないので、他の教科は学校で鍛えれば良いと考えて帰国子女入試をする。

2 いろいろなキャリアの子を入れる。

日本国内で、塾を中心に勉強した子ばかりだと単一化してしまう。いろいろな個性がいれば、子ども同士で影響が大きくなる。

3 枠を埋める

日本国内でなかなか埋まらないので、特別枠を設けて受け入れてしまおう。

ということであったのですが、結局1と2が大きい。特に2は、学校のスクールカラーを多様化させました。慶應湘南、渋谷渋谷などはその好例かもしれません。

この過程で帰国子女の枠を止めてしまう学校もありました。英語の能力がばらばらで対応できない、とか。あるいは国内生と比べれば自由な発想をする子どもたちを管理できないとか。逆にそれを乗り越えてきた学校は帰国子女の対応がしっかりできるノウハウを身につけているので、今は安心して預けられるでしょう。

海外の事情も変わってきました。まず、海外に日本人向けの塾ができた。これはいろいろな都市で見かけます。勿論田舎にはあまりない。大都市ばかりではあるものの、こういうところで受験勉強ができるようになった。インターネットでも動画で勉強できるので、間違いなく便利になったでしょう。

一方。企業側では受験期の子どもを持つ親に対しては赴任させない傾向が出てきました。もしくは単身赴任。家族の行き帰りの費用を考えると、家族で行く赴任はなるべく子どもが小さいうちがいい、と人事部が考えてるのでしょう。だから、帰国子女入試の人数はここのところ、それほど増えていない。

ただ、英語ができるのであれば、無理して中学受験をする必要がないのは事実です。高校受験の場合、私立は英語、数学、国語。数学も大きいが、実は英語も差が出ます。だから私立の帰国枠で受けず、一般枠で受けた方が有利な場合もあります。海外に赴任すると日本人のコミュニティーの力が強く、何となく「受験しなきゃいけないのではないか」と思いがちなのですが、せっかく海外体験ができるのだから、もう少し他の可能性も考えていった方が良いでしょう。

東大も秋入学を決めているので、これから大学は世界レベルで選ぶ時代になっていくかもしれません。そうなると、大学入試もまたいろいろな方法がありますから、まずは現状を良く調べて、中学で戻るのかを考えた方が良いでしょう。

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