帰国子女入試

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今から20年ほど前は、帰国子女の入試はほとんどありませんでした。

海外で受験準備はなかなか難しかった。だいたい、日本人学校が海外では少ない時期です。多くの子どもたちが現地校に通う。だから現地のことばを勉強するのがまず最初。中学受験の準備なんてままならない。だから合格するのは大変難しかったのです。

しかし、だんだん学校側が帰国子女の入試を行ってくれるようになりました。

帰国子女の枠をつくった理由は大きく分けて3つあります。

1 英語ができる。

帰国子女が英語ができるとは限らないが、英語ができるなら、大学入試の戦力になるのは間違いないので、他の教科は学校で鍛えれば良いと考えて帰国子女入試をする。

2 いろいろなキャリアの子を入れる。

日本国内で、塾を中心に勉強した子ばかりだと単一化してしまう。いろいろな個性がいれば、子ども同士で影響が大きくなる。

3 枠を埋める

日本国内でなかなか埋まらないので、特別枠を設けて受け入れてしまおう。

ということであったのですが、結局1と2が大きい。特に2は、学校のスクールカラーを多様化させました。慶應湘南、渋谷渋谷などはその好例かもしれません。

この過程で帰国子女の枠を止めてしまう学校もありました。英語の能力がばらばらで対応できない、とか。あるいは国内生と比べれば自由な発想をする子どもたちを管理できないとか。逆にそれを乗り越えてきた学校は帰国子女の対応がしっかりできるノウハウを身につけているので、今は安心して預けられるでしょう。

海外の事情も変わってきました。まず、海外に日本人向けの塾ができた。これはいろいろな都市で見かけます。勿論田舎にはあまりない。大都市ばかりではあるものの、こういうところで受験勉強ができるようになった。インターネットでも動画で勉強できるので、間違いなく便利になったでしょう。

一方。企業側では受験期の子どもを持つ親に対しては赴任させない傾向が出てきました。もしくは単身赴任。家族の行き帰りの費用を考えると、家族で行く赴任はなるべく子どもが小さいうちがいい、と人事部が考えてるのでしょう。だから、帰国子女入試の人数はここのところ、それほど増えていない。

ただ、英語ができるのであれば、無理して中学受験をする必要がないのは事実です。高校受験の場合、私立は英語、数学、国語。数学も大きいが、実は英語も差が出ます。だから私立の帰国枠で受けず、一般枠で受けた方が有利な場合もあります。海外に赴任すると日本人のコミュニティーの力が強く、何となく「受験しなきゃいけないのではないか」と思いがちなのですが、せっかく海外体験ができるのだから、もう少し他の可能性も考えていった方が良いでしょう。

東大も秋入学を決めているので、これから大学は世界レベルで選ぶ時代になっていくかもしれません。そうなると、大学入試もまたいろいろな方法がありますから、まずは現状を良く調べて、中学で戻るのかを考えた方が良いでしょう。

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