月別アーカイブ: 2012年3月

第20回 中学受験は親がやらせることだから

新4年生のクラスを担当すると、よく子どもたちに聞いていました。

「どうしてこの塾に来たのか、聞くからね?」
といって
「ママに行けといわれた人?」

圧勝。

クラスのほとんどが手を上げます。

かくのごとく、中学受験は親がやらせているのです。

ここを認識してください。

「うちの子がやりたい、って言ったから。」
最初に塾探しを始めたのはそうかもしれませんね。

でも、お金を出したのは親だし。つまりそれは親がやらせたことなのです。

だから「やめる」ときに子どもの気持ちを聞くのは当然ありだとしても、最後の決断をするのは「親」なのです。

中学受験はだれもがしなければいけない受験ではありません。

むしろ中学受験をしたことで、子どもがしんどくなったり、親子関係がうまくいかなくなったりすることもあります。

ずるずると決断を伸ばしてしまっては、むしろいけないこともあります。親がやめさせる、ということを受け入れて決断し、実行することでしょう。

私は、子どもが受験したいから、といって受験を始めてもいいが、基本的に中学受験は「親がやらせること」だということを親が認識していないといけないと思います。

この認識がずれると、親子関係に問題がおこります。親が子どもに腹を立てるケースが多くなる。

「やらないんなら、やめさせるわよ」

じゃなくて、

「退会手続きとってきた」

じゃなければいけないのです。

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子どもがすでに持っているものを大事にする

上の図はバスです。さてこのバスはどっちに向かって走るのでしょうか?

「この図だけで答えがでるんですか?」
「そうだ」
「ホントですか?」
「これはね、K小学校の入試問題なんだ」
「はい??」

幼稚園生が解ける、といわれて考えました。しかし、よい考えが浮かびません。

「わかりません。こんな問題ホントに出るんですか。」
「うん、出る。答えはね。Bなんだよ。」
「え、どうしてですか。」
「こちら側にドアがない。ということは、向こう側にドアがある。だからBなんだ。」

おわかりになりますか?

つまり左側通行の日本においては、当然左側にドアがこなければならないのです。ところがバスの絵にはドアがありません。ドアがないバスはありえないので、向こう側にドアがついていることになります。したがって、向こう側が歩道に面している、したがってバスはBの方向に動くということがわかるのです。

この問題を今でも覚えているのは、そのとき大変ショックを受けたからです。その当時、小学校受験の指導を担当するわけではなかったのですが、これは大変なことになったと思ったものです。なぜなら、自分でも発見できなかったことを、どうやって子どもたちに教えればいいのか?という大きな壁が突然、自分の前に現れたからでした。

「この手の問題は、大人は気がつかない、でも子どもは気がつく、なぜだかわかるかい?」
「いや、わかりません。」
「ははは、子どもには常識がないからだよ。子どもは見たものを覚えている。今乗っているバスと何が違うのか、それだけしか知らない。バスは乗り物だ。ドアがないと乗れない。そこを考えるから、答えがわかるんだ。もちろん、全員がわかるわけではないけどね。」

大人はある意味、いろいろなことを知っている分、本質が見えなくなることがあるものです。その意味ではむしろ子どもの方が大人より優れている、だから先輩は私にこういうことを教えたかったのです。

子どもに教え込もうなどとは思うな。子どもがすでに持っているものを大事にしろ

塾というのは、子どもに教え込む場所だとみなさん、思われるでしょう。もちろん、そういう塾もあります。ただ、それでは本当の力はつかない部分がたくさんあるのです。子どもに見えて、大人に見えないことはたくさん、あります。

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対角線の問題

2012年の渋谷幕張の問題です。

下の図のように、正方形のマスをたてに3個、よこに5個並べて長方形を作り-ます。この長方形の1本の対角線は、斜線の7個のマスを通過します。

次の各問いに答えなさい。

(1)正方形のマスをたてに7個、よこに11個並べた長方形を作るとき、この長方形の対角線は、何個のマスを通過しますか。

(2)正方形のマスをたてに39個、よこに51個並べた長方形を作るとき、この長方形の対角線は、何個のマスを通過しますか。


最近、よく見かける問題になりました。

例の場合で考えると、3と5ですから互いに素の関係にあります。したがって対角線は左上から右下に行くまでの間に格子点(正方形の頂点)は通過しません。
そうすると内側の線は全部で縦が4本、横が2本ありますから、対角線が通過するごとに1つの正方形が切られていきます。つまり6個切られて、最後に頂点に到達するときにもう1個切られるので合計7個になります。

で(1)ですが、7と11ですから、互いに素です。
そうすると内側の線は縦の線が10本、横の線が6本ですから10+6+1=17です。

で、問題は「対角線が通過する」といっています。もし17で答えが良いのであれば「1本の」と問題に書くべきであって、それが抜けていることを考えると両方の対角線について答えを出せ、という問題ではないかと思います。

そこで説明を簡単にするために、この場合の正方形の長さを7とします。そうすると内側の最初の横の線は11が切られ、22、33、44、55、66、で最後が77に到達します。真ん中で重複するのは33~44でこの間に7の倍数が出てくるのは35、42ですから2回切れているので3個が重複することになります。

したがって答えは17×2-3=31となります。

(2)は39と51ですからたがいに素ではありません。3で割ると13と17ですから、まず13と17の長方形について考えると1つの対角線は12+16+1=29です。

1本の対角線であれば29×3=87で答えが出るでしょう。

問題は真ん中です。そこで(1)と同じように考えます。正方形1辺の長さを13とすると17ずつ切っていきますから、17 34 51 68 85 102 119 136 153 170 187 204 で最後221に到達します。したがって真ん中は102~119です。この間に13の倍数は104 117と2つありますので、重複するのは3つです。したがって真ん中の長方形で切られている正方形は29×2-3=55ということになります。

すべての対角線が切る正方形は
29×4+55=116+55=171個となります。

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