第41回 2006年入試をふりかえって(2) 

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■慶応中等部が2月3日に移動して、ますます日程の集中化が目立ちました。2月3日までにある程度入試が終了してしまう感じが強く、4日以降は募集人数が少ないためにかなり各校とも難しい入試になっていたように思われます。

■その意味で、今年は午後入試をいかに利用するかというのも大事な戦略のひとつになりました。午後入試は午後3時から4時にかけて始まります。したがって、翌日の入試を考えると体力的にも大変ですが、逆に合格可能性の高い学校を受ければ、午前入試を挑戦校に集中させることもできます。

■午後入試の学校は、合格発表もインターネットで当日確認できる学校がほとんどでした。学校によっては午前入試の学校よりも早く発表されるため、翌日、安心して挑戦校を受験できるメリットがあります。したがって1日や2日の午後、合格可能性の高い学校を受験して、一度安心してから翌日の学校を受けられたようです。その結果、精神的に楽になった子どもたちも多かったようです。

■2教科選択と4教科選択ではやはり、4教科の生徒の合格数が多かったようです。これらの学校では、まず2教科で定員のある程度の割合の合格者を決め、その後4教科で並び替えて残りの定員の合格者を決めています。したがって4教科の受験生は合格のチャンスが広がったので、受験準備はやはり4教科で進めて行く方が良いでしょう。今後4教科のみにしぼっていく学校もふえていくことが予想されていますので、2教科に早くから絞り込まないほうが良いようです。

■問題の傾向としては、従来とあまり大きな変化はなかったようですが、算数の問題レベルがやややさしくなったように思われます。これは、ここのところ合格点が下がる傾向が見受けられ、あまり難しい問題を出しても差が読み取れないということから出てきたようです。この傾向は偏差値50前後の学校に見られ、その分合格点は上昇し小さなミスが大きな差になってきたようです。

■今後の対策としては、まず基本をしっかりマスターし、ていねいさを身に付けていくことが重要だと思います。また時間内に自分のできる問題を正確に解くという力が合否の決め手になっているので、日ごろからテストの練習をすることがはますます必要になっていくでしょう。

(田中 貴)

(2006年2月19日)

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