第69回 失敗体験記

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■ 受験で失敗した理由は大きく2つ、考えられます。1つは、その学校のレベルまで力がついていなかった。 もうひとつは、レベルには達していたが、僅差の勝負に勝てなかった、ということです。

■ これまでの模擬試験の結果から見て、子どもたちの力は12月上旬まで判定されていました。しかし、そこから2か月弱あるので、さらに伸ばした子もいれば、あまり変わらなかった子もいるかもしれません。しかし、それで培った力でも、やはり及ばない難しい学校を挑戦していれば、それはその学校のレベルまで力がついていなかった、ということになるでしょう。チャレンジ校の受験はこれにあたります。

■ 一方実力相応校、あるいはそれよりも安全と思える学校で失敗をしている場合は、僅差の勝負になっていて、そこで点が取れなかった、ということです。子どものすることですから、ミスもあるし、問題の読み違いもある。まして、入学試験でこれまで以上にプレッシャーがかかったところで、自分の力を出し切れたかどうか、ということが問われるでしょう。

■ で、今後はこれをどうするのか?ということが問題になります。これから自分の進む方向がより具体的に決まっていって、例えばもう一度高校受験をする、という選択もあれば、大学で挑戦する、という場合もあるでしょう。あるいはまったく違った道に挑戦することになるかもしれません。で、失敗の理由は総括しておかないと、その間違いを繰り返してしまう場合があります。

■ 合格した子も、実はいくつか残念な結果を持っているでしょう。上には上がいる、あるいは僅差の勝負で負けた、ということをここで本当は総括しておくべきです。ところがつい、合格した、受験が終わった、ということでそこをうやむやにする。その結果として、受験が終わった解放感ばかりにひたり、この2か月ほどを遊んで暮らすから、中学校に行っても勉強しなくなる。結果として合格して失敗する子が生まれるわけです。

■ しばらくしたら、親子でやはりこの受験を総括すべきです。総括して、質すことがなかった、というのは実は大変な損。例えば全勝した子は、質すことがないとつい思ってしまうから、合格して失敗する。しかし、中学に入ればそれこそ部活で叩きのめされ、上には上がいることを知らされ、そこで総括するから、先の成長が望めるのです。

■ 残念だった子どもたちに、作文を書いてもらったことがありました。合格体験記ではなく、失敗体験記。しかし、後からそれを読み返して、「そうだ、こういうとこで失敗したんだ」と思い返すことは大事なのです。トラウマになる、と心配されることがあるが、しっかり分析しないまま、落ち込むから理性的に考えられなくなるのです。だからしっかり総括して、記録する。記録した以上、もう忘れて良い。思い出すのは記録を読めば済むことだから。そういう風に切り替えていくと、失敗は怖くなくなり、大事な経験になるのです。

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