塾との距離感

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    私は中学受験第一次ブームのころ、100人の授業をしました。
    100人って、今の塾では考えられないでしょう。1クラスに100人入っているのです。その頃、200人ぐらいの担任を持っていたのではないかと思います。勢い、進路面談のときなんかはもう、大変で、朝から授業開始までずーっと面談というのが数週間続きました。
    そのとき、あるお母さんが
    「先生、うちの子、この子です。」
    と写真を持ってこられたことがあります。
    これは結構、こたえましたね。さすがに6年生ですからわかるのですが、お母さんからすれば
    「うちの子、わかってもらっていないかもしれない」
    と思われている。 塾との距離感が遠いわけです。
    まあ、そこからクラス分けをしたり、いろいろありましたが、なぜ100人であったかと言えば、毎年、学校別特訓は全員自分でみる、という意識が強かったからです。学校別がほとんどない時代のことですから、地方からも授業にこられるわけで、そこは「自分が教えなきゃダメだ」みたいな感じになっていたのだと思いますね。
    で、最近はそういう塾はまるっきりないのは、良いことなのですが、しかし、家庭と塾の距離感というと、また話は違ってくる。
    ご父母のブログなんかをたまに読ませていただくのですが、先生との面談の話があまり出てこない。まあ、多分みなさんが通っている塾は大手だから、システム化されているのだと思いますが、私が知っているいわゆる地元塾はもっと家庭との距離が近い。
    指導している先生と保護者の方がよく話し込んでいる、何かあると電話で話している、というのがしょっちゅうでしょう。で、特に指導している先生との距離感は私は非常に大事だと思うのです。
    何か疑問がある、ちょっと困ったことがある、もちろんご家庭で話し合うことで解決する場合も多いでしょう。しかし、すぐ先生に相談する、電話をかける、ということで解決できることも多いのです。
    特に受験が近づくにつれ、子どもたちにはプレッシャーがかかる。と、いろいろ問題が出てきます。成績がさがるのもあるし、勉強しなくなったりもする。まあ、そういうことは一過性のものといえなくもないですが、長引くと受験にならなくなってくる場合もある。だから、手は打っておいた方がいいに決まっている。お母さんが塾の先生に相談してくれるということは、塾の先生にとってもありがたいことなんです。
    家庭での様子は見えないわけですから、情報が増えるということは、子どもたちに話しかける内容もいろいろ工夫できる。
    だから、秋からはぜひ指導する先生との距離をつめて、どんどん相談してください。このときのために月謝は払っている、と思っていただいていいのですから。

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