せっかく覚えたのに、しばらくすると忘れてしまう。
これは、ごく当たり前のことです。人間の記憶は、一度覚えればそのままずっと残る、というものではありません。時間が経てば薄れていきますし、使わなければ思い出しにくくなります。
ですから、子どもが以前覚えたはずのことを忘れていても、すぐに「ちゃんと勉強していなかったのではないか」と考える必要はありません。忘れることを前提に、もう一度覚え直せばよいのです。
大切なのは、忘れないように一度で完璧に覚えようとすることではなく、忘れた頃にまた戻ることです。そのためには、学習範囲を広げすぎず、同じ教材を繰り返した方が良いでしょう。
何度も同じ教材を使っていると、問題の内容だけではなく、ページの配置や図の位置まで記憶に残るようになります。
「これは右上に載っていた問題だ」
「このページは前にも間違えた」
そんな記憶も、答えを思い出すきっかけになります。教材を次々に替えるより、一冊を繰り返す方が覚えやすいのは、そのためです。
覚えることと忘れることは、反対のように見えて、実はひとつの学習の流れです。
忘れたら、また覚える。しばらくして、もう一度確かめる。その繰り返しによって、少しずつ忘れにくい知識になっていきます。
忘れるのは当たり前です。だから、忘れたことを責めるのではなく、もう一度戻れる仕組みを作っておくことが大切なのです。
