月別アーカイブ: 2012年6月

第37回 基本に戻ってはいけない場合

■ 例えば速さの問題が得意でない場合。「基本に戻るか」ということで、例えば通過算の基本をやらせてみると、できる。あるいは旅人算の簡単な問題はできる、ということがあるでしょう。

■ つまりある程度簡単な問題ならできる、という場合は、基本に戻ってはいけないのです。

■ しかし、「できないから基本に」という指導が目立つのですが、これをやるからかえって算数ができなくなるのです。

■ 最近の入試問題は、いくつかの要素を重ね合わせて作られています。基本問題はそのひとつの要素にすぎません。応用問題を解くためには、その要素を分解していかなければならないのですが、それは応用問題を考えてはじめてできるようになることなのです。

■ ところが、解こうと思っても、なかなかできない。時間がかかる。だから「やはりわかっていない」ではないのです。分解の仕方がわからない。だったら、まずは解答・解説をよく読むことです。そして、それを再現する。自分でやってみて、解いてみるのです。そうすると次第に、構造がわかってくる。さらには分解ができるようになります。

■ ただし、この勉強は時間がかかります。できなければ一問について30分程度は少なくともかかるでしょう。でも、こればかりは時間をかけない限り、突破できません。問題数をこなすというよりは、むしろ考える力を鍛錬するというイメージに近いでしょう。土台、すべてのパターンを網羅する、なんて勉強はできないので、本人に考える力をつけるのだ、という視点で勉強を組み立てていけば良いのです。

■ 過去問もその意味では大事な題材になります。あってる、あってない、よりは、「どうやって解くかをじっくり考える」ということにこだわってほしいと思います。

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図形の問題

2011年四天王寺中学の問題


図のように、1辺の長さが15㎝の正方形の中に半径5㎝の4つの円があります。図のかげをつけた部分の面積は何㎝2ですか。
ただし円周率は3.14とします。


一目見て面倒だなあと思いますが、こういうのは組み合わせてみれば、案外シンプルになることが多いのです。基本的には合同な2種類の図形が4つずつ、合計8個塗られているので、簡単にすることができるだろうな、ぐらいの予想は立ててもよいかもしれません。

まずこうしてみると、

とこうなって

赤い線を引いてみれば、すっきしります。そうすると、もう少し動かせばさらに簡単になることがわかるので、

最終形はこうなって

5×5×4+5×5×3.14÷2=100+39.25=139.25㎝2が答えになります。

(答え)139.25㎝2

「映像教材、これでわかる比と図形」(田中貴)

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できない範囲をチェックする

夏休みの勉強で、できない分野を復習するのはとても大事なことです。苦手なところはどこか、をまず明確にする必要があるわけですが、過去の試験データがない、という場合もあるかもしれません。

そうなると、一応一通り解いてみるということが必要になるでしょう。すべての範囲が載っている薄い問題集を用意します。
これはいくつか出ていて、塾でまとめのテキストを出している場合もあるでしょう。あるいは書店で買い求めても良いかもしれません。ただし、絶対に厚い本を選んではいけません。厚いとどうしても、時間がかかる。また子どものモチベーションを上げるのにも難しくなります。だからなるべく薄い問題集を選ぶ。そして、その基本問題だけ、どんどん解いていき、「わからないものは飛ばす」というルールで範囲を拾っていきます。

わからなければ飛ばす、というのは「え?」と思われるかもしれませんが、大事なのはどこができないか、を探すことなので、それができる、できないは後からフォローを考えれば良い。これは、算数に限らず、理科にも有効な方法です。ただ知識を忘れてしまっている、あるいは覚えていなければ、全部だめ、ということになりかねないので、知識分野は外して考えるのが良いでしょう。

一通りやってみて、できなかった範囲がはっきりすれば、そこを復習しなければなりませんが、ただしそれが第一志望の出題傾向から外れていれば、あまり力をいれなくても良いでしょう。

大事なのはできなくて、良く出る範囲です。

そのためには現状を十分に把握しなければなりません。模擬テストなども資料で、問題別に平均点を出してくれるテストがあります。これも有効でしょう。みんなができて、自分ができなければこのテーマは克服しなければならないテーマですから、一度しっかり復習することが必要になります。

模擬試験はどうしても合格可能性に目が行きやすいのですが、この時期に合格可能性を議論するよりも、「何ができるようになればよいのか」に絞ってデータを調べてみてください。

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