月別アーカイブ: 2012年5月

中学受験の変遷から思うこと

こんなに中学受験が大変になった一番の原因、それは1967年にさかのぼります。

ここで東京都立が学校群制度を始めた。学校群というのは、学区を地域で分けて都立高校は、その学区に住居がないと受けられない、というものです。それまで東京都立には日比谷を頂点とするトップ校が存在していたのですが、実はここに越境入学する全国の生徒たちがいたのです。その当時のことは庄司薫氏の小説に詳しいが、本当に全国から優秀な生徒が集まっていて、それで「都立?」はないだろう、ということになった。少なくとも都立高校は平準化すべきだということで、学校群が始まったわけですが、結果として、これは受験生が都立から私立に流れるきっかけになってしまった。この学校群が始まって以降、日比谷高校は東大合格者のトップ校から落ちました。

1965年の東大合格者では

1位 日比谷高校 2位 西高校 3位 戸山高校

だったのだが、10年後の1975年では

1位 灘 2位 東京教育大(現筑波大学)付属駒場 3位 麻布

ということになって、私立優位が明らかになってきます。1967年というと、45年前ということなりますが、この間、私立優位が続いていて、東京がそうなら、関西も、中京も、九州も、という流れになってきたわけです。

で、中学受験の塾という話になると、この40年の間に

テスト会→単科塾→総合塾

という流れになってきました。私の年代の方で、中学受験を経験された方はおおむね、テスト会出身者であろうかと思いますが、週1回テストを受けて、そのテストに向けて自分で勉強する、というスタイルでありました。このころは、あまり参考書や問題集もなかったので、自分で過去問をやったり、いろいろ工夫が必要であった。

そのテスト会の準備をするための塾というのが、生まれてきたのですが、その塾は基本的に単科塾が多かった。国語は国語の塾、算数は算数の塾に行く。つまり、自分の勉強の状況に合わせて、通う塾を変えることができたわけです。

やがてそれは総合塾に変わり、テスト自体は総合塾の中に飲み込まれる、という流れになっているといっていいでしょう。ということは、ある一定のシステムの中で受験をすることが、一般化されたということであって、子ども独自の工夫はあまり必要でなくなった、家庭が考えずとも塾が用意してくれるようになった、ということではないかと思います。

そして総合塾の時代になってからは、いわゆる「抱え込み」といって他の塾に行かないように、いろいろなシステムができあがった。学校別指導もそうですし、個別指導すら塾内にもうける、という状況になってきたわけです。何から何まで準備されている。だからお父さん、お母さんとしては、それを選べば良いということになった。

しかし、その分、子どもたちの時間はどんどん奪われることになりました。

最初週2日ぐらいだった通塾日は週3日、週4日と跳ね上がっていき、今では5日というところもあるわけで。その分、家で勉強する時間は減り、何から何まで塾任せ、というスタイルが出てきています。

私はこれが、どうも気になる。

小学生が受験をする、というのはいろいろな負担があるわけですが、それが一気に増えている。中学受験のメリットというのは、お父さん、お母さんが一緒にいてくれる分、その負担を軽減できるというところにあったはずなのが、そのメリットが減少しているのではないか、と危惧しているのです。

もうひとつ気になるのは、何から何まで準備されていると、自分で何かをすることがなくなる、自分で工夫しなくなる、という点です。私どものころは、参考書も十分でなかったから、自分で調べた。インターネットもありませんから、なんと分厚い「百科事典」を読んだものです。

それはすぐ、調べられないが、逆に言えば、苦労するから覚えるというところがある。暗記のテキストもないから、自分でカードを書いた。自分で書くから、当然、書く段階で覚えられた、というところがあります。そういう家庭や自分の工夫が必要ない、というのは確かに便利なのだが、便利すぎて、あとで苦労するところがあるのではないか。

良く私学の先生と話をして
「中学に入ったらやり直させないといかんのです。先生の前で恐縮だが、勉強の仕方がわかっていない子が多すぎる」
という話をよく聞かされる。

でも、さもありなんと、思うのです。「あれ、やれ、これ、やれ」というのは、すでにあるからやれるのであるが、すべての勉強にそういうものが用意されているとは限らない。だから中1から論外とも思えるレポートが出される。論外だから、子どもたちは大変です。しかし、その中から何となく、自分で方法論をいうものを考え出す。

「最近はねえ、どこかのホームページに答えを載せているのがあるんですよ。だから、生徒の答えがいっしょだったりしてねえ。困った時代です。」

しかし、まあ、それでもこういうことをしてくれる先生がいる学校は良いと思います。そのまま、何事もなく大学受験まで終わってしまうと、今度は準備されない実社会に出ないといけないわけでしょう。

もう少し前に苦労しておかないと、本当はいけないのではないかと私は思うのですが。

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過去問を始める時期

普通、6年生の場合は、過去問を始めるのは夏休みか、それ以降という感じだったのではないかと思います。

私もそれで良いのではないかと思っていたのですが、最近は塾の課題が多い。しかも、いろいろな過去問をやるそうなのです。

「第一志望はいつ?」

と思ってしまうのだが、いろいろな学校の過去問をやりながら、ある程度どんな問題が出ても「柔軟に対応できる力」を養うのが目的のようです。

しかしねえ。

まずは第一志望、第二志望をしっかりやるのが、順序ではないかと思うのです。先にどんな問題が出るかもわかるし、やっていくうちに例えば「ああ、まだ地理は不完全だなあ」とか「江戸時代を覚えなおさないといけない」という課題が見えてくる。そういう
出て、できないもの
をしっかり練習できる方が得策ではないか、と思うのです。

ただ、実際にいろいろな課題をやるということになると、じゃあ、先にやるしかない、ということになる。なので、先日国語の過去問は始めた方が良いというお話をしましたが、計画を立てて、少しずつでも他の教科もやっていくといいでしょう。

学校別にいろいろ対策を考えてくれる塾であれば、「これはやらなくていい」と言ってくれるが、むしろ「これも、あれも」と言われることが多いらしい。

そうなると、本当に自分でやらなければいけない勉強が見えてこなくなります。土台、子どものできないこと、課題は子どもそれぞれによって違うので、そこに注目しておかないといけない。

夏休みまでに10年分、とは思いませんが、それでも時間があるときに、少しずつ進んでいくと良いと思います。

でもねえ、実際にそういう時間もとれない、という話なのです。だとすると、何か捨てるしか、ないので、その辺は指導される先生とよく話をしておかないと、子どもたちは詰まってしまうのではないでしょうか。

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日食・月食に関する問題

5月21日は金環食の日ですが、以下は日食、月食に関する問題です。

2010年城北中学の問題。この分野の出題としては典型的と思えますので、参考にしてください。


昨年の7月22日に(a)「月によって太陽の一部(または全部)がかくされる現象」が日本付近でも観測されました。一方、(b)「地球の影によって月の一部(または全部)がかくされる現象」も2007年8月27日に観測されました。この現象について、つぎの問いに答えなさい。

問1 (a)の現象のうち、太陽の全部がかくされる現象の名まえを答えなさい。

問2 (b)の現象が起きる日に観測される月の形は、つぎのうちどれになりますか。ア~オから1つ選び、記号で答えなさい。

 ア.新月 イ.上弦の月  ウ.下弦の月  エ.満月  オ.三日月

問3  図1は、太陽、地球、月の位置関係を表したものです。(b)が起きる場合について、月の位置を①~⑧から選び、番号で答えなさい。

問4 図2は、日本付近の真南の方角で(a)、(b)の現象が起きるとき、欠け始めたようすを表したものです。図で白い部分が光っているところ、黒い部分がかくされているところになります。(a)、(b)それぞれについて、ア~エから選び、記号で答えなさい。

問5 図3は、(a)の現象によって、太陽からの光が月にかくされるようすを地球の北極側から見たものです。地球上の3地点A、B、Cから太陽の方向を見たときの月と太陽のようすについて、それぞれ正しいものをつぎのア~カから選び、記号で答えなさい。ただし、図で○は、太陽を、●は、月を表しています。

問6 月は、地球のまわりを公転しているので、(a)および(b)の現象は、月が地球のまわりを一回転するごとに、それぞれ1度ずつ起きそうですが、実際には、もっとまれにしか起きません。その理由について、もっともあてはまるものをつぎのア~オから1つ選び、記号で答えなさい。

 ア.地球と月の公転周期が違うから。
 イ.月と太陽の大きさの比と地球からそれぞれまでの距離の比がほぼ等しいから。
 ウ.地球と月の大きさの比がだいたい 4:1だから。
 エ.月の公転軌道の面が地球の公転軌道の面に対して傾いているから。
 オ.地球と月がともに大きさを持った球体だから。


問1 は皆既日食ですね。今度のように周りに光の環ができるのが金環食です。

問2 日食は月が太陽を隠すので、新月の位置、月食は地球の影に月が入るので満月になります。

問3 満月の位置ですから①

問4 日食のときは、図1でいえば⑤の位置で、地球から見ると月は右から左に動いていきます。したがって右側からかけるのでエ。 月食のときは①の位置で月が右側から地球の影に入ってきます。したがって左側からかけ始めるのでア

問5 Aの位置は太陽が右側、月が左側に並びます。だからオ
Bの位置は月が左側にかぶってくるのでウ
Cの位置は完全に月が太陽を隠している皆既日食なのでイとなります。

問6 月の公転軌道は地球の公転軌道面に対して約5度傾いています。だから毎回日食や月食がおこるわけではありません。

(解答)
問1 皆既日食
問2 エ
問3 ①
問4 (a)エ (b) ア
問5 A オ B ウ C イ
問6 エ

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