月別アーカイブ: 2012年5月

受験人口が減少すると学校は良くなる?

今年の一都三県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の2月1日の私立中学受験者数は3万7568人となったそうです。前年比は3%減。総人口ではこの学年が前年比1%減ぐらいですから、中学受験を選ばなかった家庭が増えたということです。

バブルが崩壊した、とか、いろいろ報道されていますが、過去こういう波は何回かありました。実際に子どもの数は減少しているのだから、中学受験もその影響を受けないはずはない。しかし、例えば「ゆとり教育」が始まったりして、神風が吹いたように中学受験人口が増えたりしたのです。

私はようやく普通の状態に戻ったかな、という印象を持っていますが、実際に募集定員が埋まらない学校も2割程度あるそうで、そういう学校は大変でしょう。しかし、考えてみると、今の上位校も最初から上位校であったわけではないのです。振り返ってみれば、「難しくなったなあ」と思う学校が多いのですが、当然、それだけ学校は努力してきたし、いろいろな改革を続けてきています。

学校が塾に営業に来たところで、募集はうまくいきません。学校自体が子どもたち、お父さん、お母さん、にとって魅力的になっていないと、募集はうまくいかない。だから、学校はいろいろな工夫をするし、特徴を考えるし、特別なカリキュラムやシステムを組むことになるのです。それが1回でうまくはいかない。当然、何年もいろいろな改革をして、それがまず学内で定着し、結果が出て、受験生の家庭に伝わっていく。その繰り返しの中から、これまでの学校は良くなってきたのです。

私は以前、「偏差値が高くて悪い学校がある、偏差値が低くても良い学校がある」というお話をしていました。

この「良い、悪い」は実は「子どもに合う、合わない」だと思うのです。学校に合うというのは、まずスクールカラーがなじむこと。そして、その学校が持つシステムや教科の特質の中で、その子の持つ潜在的な力が伸びる、ということではないかと思います。

ある学校で、特別な留学制度をやっていて、その子はそのシステムを使ってカナダに留学した。そして現地でサイエンスフェアという自分の研究を発表する機会をもらって、最高賞をとった。その経験からそのまま、アメリカで学び、研究者になった。この子は日本の大学を受験しているわけではないので、その意味では大学受験の実績とは関係ありません。しかし、この学校にいたからこそ、留学の機会もあったし、そこで自分の研究を発表する機会も得られた。もちろんその学校に行ったすべての子がそうであるわけではなく、その子がそのシステムを利用して、自分の力を伸ばしたわけですが、でも、そういう機会を活かした、ということは、その子にとって明らかにこの学校は良い学校だった、と言えるわけでしょう。

学校はどうしてもアピールを大学受験の実績に求める傾向がありますが、私は、もっと学校が取り組むべきことがたくさんあるように思います。まして今は国際的な時代になっているのだから、例えばアメリカの大学に進学するのなら、ここ、というような特徴があってもいいのではないか、ぐらいに思うのです。

その意味において、これからしばらくは学校が良くなる時期に入るかもしれませんね。



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一人の先生が4教科教える塾

こういう塾が減ってきただろうと思います。

だいたいは、各教科で先生が変わるのが普通でしょうか。しかし、小学校と中学校の違いを考えてみると、実は小学生にとっては一人の先生が4教科教える方が本当は良いのです。

小学校は、担任の先生が音楽など特殊な教科を除いて、全部教えるでしょう。中学校では、各教科の先生が専門になる。

これは教科の専門性が中学になると格段に上がるからです。しかし、その分中学生が自分で教科のバランスを考えないといけない。しかし、小学生ではそのバランスを自分でとることが難しい。したがって一人の先生が教科バランスを考えられるようにしているのです。

中学受験はその両面があります。つまり、教科の専門性で言えば、それは中学校2年のレベルまではあるので、小学校は超えるから必然、各教科の専門の先生が必要になる。しかし、子どもたちの精神年齢は小学校のままですので、本当は教科バランスを指導する側がとった方が良い。

よく、各教科の専門の先生の塾では、算数の先生は算数のことしかいわない(当たり前ですが。)、国語の先生は国語だけ。したがって受け取った子どもとお父さん、お母さんがその受け取った情報をもとにいろいろ考えなければいけなくなる。

しかし、一人の先生が4教科教える場合は、その先生が「いまのうちは、算数をがんばろうか。」みたいな話をしてくれるので、子どもたちに与えられる情報がシンプルになる分、勉強しやすくなるのです。逆に、1人の先生が4教科教える塾は先生の負担が当然大変になります。一人で算数も国語も理科も社会も教える、ということは、これはなかなか準備もいるし、大変でしょう。ただ、その子のことをあらゆる面から観察し、考えられる分、進学指導はかなり綿密なものになることは間違いないでしょう。

私は一人の先生が4教科教える塾の方が子どもたちにとっては良い、と思っていますが、やはり4教科教えられる先生を並べるのは経済的にとても大変であるので、したがって、そういう塾はきわめて少ない、ということになるのです。

もし、今通っておられる塾がそういう塾であるならば、それはなかなか幸運なことだ、と思います。

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第31回 5年の壁に潜む、もう一つの理由

■ 5年生にとって、算数はだいぶ難しくなってきたのではないかと思います。円周率が出て、割合が出て、濃度が出て・・・。てこずっているお子さんも少なくないのではないでしょうか。

■ この時期、一気に難しくなった、と思う理由は算数ですが、実は、算数の基礎にその原因があります。つまり、分数と小数の計算。

■ これは学校ではまだ習っていないので、慣れていない子どもが多いのです。3.14の計算にしてもそうですし、分数の加減乗除、まだまだ練習が足りない。

■ しかし、塾でやるのは文章題や、面積の問題。したがって、計算を使いこなせないとうまくいかない。しかし、それが上手にいかないから勉強が進まない。どうしましょう?

■ これは練習するしかありません。この基礎の練習をしっかりやっていないにもかかわらず、応用である割合やおおぎ形の面積を求めようとしても、うまくできるわけがない。そこで計算の練習をするわけですが、これが楽しくない。時間がかかる。たくさんやろうとするとミスがいっぱい出て、「なぜ、こんなに間違うの?」ということになってしまう。

■ 計算練習は毎朝、3題。数をきめて、絶対に間違えない、という練習にとどめてください。そして楽しくやる。これは「勉強を楽しくやる工夫」を参考にしてください。

■ もうひとつは、問題の量を追わず、ひとつひとつ計算からふくめてていねいに解いていくことです。テキストには基本問題、練習問題、応用問題、と分かれているでしょうが、今はまず基本問題だけにする。そのかわり、計算力を上げる、ということで良いのです。というと、「じゃ、練習問題、応用問題はいつやるの?」ということになってきますが、これは夏休みに回しましょう。なに、難しい問題は、この後もやる機会はあります。ただ、その基礎となる小数や分数の計算力がついていないと、何をやってもうまくいきません。

■ これは何事もそうですが、まず基礎をしっかりつくること。目の前の慌ただしさに気を取られて、基礎力を積む練習をしないと、後々やり直すことになるから、時間のムダです。それよりは、今確実に一歩進むことを考えてください。

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