月別アーカイブ: 2011年11月

子どものタイプに合う学校の選び方

では(1)~(4)までの視点について、どんな子がどういう学校を選べばいいのでしょうか。まず(1)受験校と付属校に関していえば、

A 受験校
○これから進む方向をじっくり考えたい
○勉強することが比較的苦にならない
○いろいろなことに興味を持つ

B 付属校
○家業に関連する仕事に進む可能性が高い
○やりたいことが明確になっている
○社交的

というのが大まかなタイプ別といえるかもしれません(ご家庭の判断が中心になりますが)。

(2)男子校女子校と共学校で、A共学校に向くのは、
○男子はややおとなしいタイプ
○女子は積極的なタイプ
といえますが、これはまあいろいろでしょう。
ただ女の子がはっきりと「共学がいい」というケースが多いのは事実です。
管理型か放任型かでいえば、
A 管理型
○おとなしいタイプ
○まじめ
○我慢強い

B 放任型
○積極的
○うるさいタイプ
○好奇心が強い

ということになるでしょうか。
管理型の子が放任型に行ったとしても特に大きな問題はありませんが、放任型が合う子を管理型に入れるといろいろ問題がでてくるようです。
ただ管理型にも強い管理型と弱い管理型がありますのでこの辺は学校の様子をよく調べておいたほうが良いでしょう。

 単に学校の名前や場所に目を向けるだけでなく、どんな学校なのか、どういう教育をしているのか、しっかり調べていく必要があります。その内容が子どもの性格や資質に合えば、こんなにすばらしいことはありません。しかし、学校の内容が子どもに合わないと、私立は非常につらい場所になります。学校によって異なりますが、不登校になった子どもたちをそのまま附属の高校に上げる学校はほとんどありません。中学を出る段階もしくはもっと早い段階で退学の処置をしてしまう場合もあるでしょう。私立は退学や落第について公立にくらべれば明らかに厳しい処置をします。
 ですから、子どもに合う環境を選んであげることが必要なのです。これは子どもにできることではありません。親が自分の子どもの性格や資質を十分に理解したうえで、学校を選んでいかなければならないのです。近年のブランド志向はその意味では危険な傾向といわなければならないでしょう。

 では、どのように情報を集めていけばよいのでしょうか。保護者のみなさんができることは、学校の説明会に出かけることでしょう。またオープンキャンパスなどのイベントにも積極的に参加して、どのような授業をしているのか実際にごらんになってみると良いと思います。その際、ただ説明を聞くばかりでなく、質問をしてみるのも良いでしょう。

 また通っている塾の先生にその学校に通う保護者の方を紹介してもらって話を聞くのも良い方法です。入ってみたら全然子どもと合わなかったという方もいらっしゃいます。途中で学校をやめて公立にもどったという子もいます。せっかく中学受験をして合格したにもかかわらず、途中でやめてしまうというのはあまりにもったいないことです。学校案内にはなかなか載っていないけれども、ぜひ調べておくとよいチェックポイントを列挙しておきますので、説明会などで先生方に尋ねてみてください。

○ 英語の教科書は何を使っているか。
○ 各教科のシラバスは学校が決めているか、担当の教員が決めているか。
○ ネーティブ・スピーカーの先生は授業でどのようなテキストを使うか。
○ カリキュラムの進度。
(中3で高校1年の内容に入る学校が増えてきました)
○ 文理選択はいつから始まるか。
○ お弁当は持っていく必要があるか。
○ 出席日数に何か決まりがあるか。
○ 進級に関する基準はどうなっているか。
○ 習熟度別クラスの分け方。
○ クラブ活動と学習のバランス。
(成績が悪い場合は、クラブ活動を停止させてしまう学校があります)
○ クラブ活動の参加状況。
○ 生徒会活動(文化祭、体育祭など)にはどのくらいの生徒がどのように参加しているか。

第一志望の決め方

第一志望を考えるとき、まず今の成績はいったん棚上げします。
というのも、それにとらわれていると選択肢がどうしても狭くなってくるからです。

最初に考えなければならないのは、
(1)受験校か、付属校か
です。受験校は大学受験をする学校、付属校は大学にエスカレータ式でいける学校です。どちらがいいか、というのはご家庭の判断です。子どもが自分の進路の選択をじっくり考えるという意味では大学受験校のほうがいいですが、当然大学受験の負担が生じます。エスカレーター式はその大学の学部しか選べないというデメリットがありますが、一方で学校の勉強をきちんとやっていれば大学に進むことができるというメリットがあります。

次に(2)男子校、女子校、共学校の別
があるでしょうか。

これは子どもたちの嗜好によるところが大きいですが、最近は共学の人気が高くなっています。ただ共学校は数が少ないため、選択肢が絞られます。近年女子校が共学校になってきていますが、それでもまた数が多くはありません。私学は特に女子校が多かったので、共学を選ぶと女の子の選択肢はなかなか狭くなってしまいます。

(3)通学時間1時間以内
学校ではクラブ活動や課外活動があります。当然、朝の練習なども入ってきますからあまり遠距離の通学になるのは望ましくありません。

(4)スクールカラー
学校によって割としっかり管理するところと、子どもの自主性に任せるところとがあります。前者は校則もしっかりあり、生徒の成績管理にも細かい配慮がありますが、一方で宿題が多かったり、成績が下がった場合の子どもの精神的ストレスなどの問題が生じやすくなります。一方子どもの自主性に任せ、校則も少なく制服もないという学校もあります。自由はいいのですが、しつけができていない、あるいは遊びすぎてしまうなどお母さんが心配することもあるでしょう。

このほか、大学の進学実績なども気になるところでしょうが、毎年の増減はさほど気にすることではありません。生徒の顔ぶれによって増減はありますが、現役で合格できなければ浪人で翌年取り返すことが多いので気にかけても仕方のないところでしょう。むしろ5年くらいの期間をみて緩やかに増加していれば、勢いのある学校であることはわかると思います。

以上のようなことを考えて、いくつか候補を絞ってください。

 また、学校説明会や文化祭など、学校を実際に見て、生徒の様子も見たうえで判断されると良いでしょう。

 私自身は、一番大事なのはこのスクールカラーだと思っています。このスクールカラーが合わないと、子どもの学校生活が楽しくなくなります。ひどいときは、せっかく入った学校をやめてしまうことになる。これはもったいない。だからこの点をしっかり考えてあげる必要がありますね。この候補を絞る作業は保護者の方がしっかりとやらなければいけません。子どもたちにはまだよくわからないことがたくさんあります。実際、学校に行けば「制服がかわいい」「サッカーの試合をやっていた」という、それだけの理由で子どもたちは学校に魅かれてしまいます。

事前にしっかり下調べをし、候補を絞り込んで子どもたちに見せてあげるのがいいでしょう。闇雲に連れて行くのは時間の無駄でしょう。

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塾に振り回されていません?

 久しぶりに単身赴任のお父さんが東京に戻ってきました。せっかくの春休み、家族で旅行に行こうという話になったのですが、その日程がバッチリ春期講習に重なってしまいます。旅行に行くのであれば、今回の春期講習はお休みしたいところです。そこで塾の先生に電話をしました。

「すいません。単身赴任の主人が帰ってきたので、父親と旅行に行きたいと思います。春期講習を休んでいいですか?」
そうするとけんもほろろ。「だめです。そんなことをしている余裕はありません」とか「せっかく春期で取り戻せるチャンスなんですよ」とかいわれた経験、ありませんか?

でも、受験のために全部を犠牲にする必要はありません。せっかくお父さんが帰ってきたら、やはり旅行に行くべきでしょう。

 旅行に行くのはいいのですが、その間の勉強法は考えておかないといけません。だからそういうことを含めて先生に相談してみることが大事なのです。
 お父さんとの旅行も、春期講習の代わりになるような勉強も両方できるようにする方法はないか? そうすると、相談された先生はいろいろ考えてくれるでしょう。お母さんやお父さんの気持ちもわかって、
「そうですか。2ヵ月ぶりなら旅行にいきたいですねえ」
という話になってくるでしょう。その代わり旅行から戻ったら2日間個別で見てくれるとか、そんな話になってくればいいのです。

 塾には塾の論理がありますが、それを鵜呑みにする必要はありません。我が家の都合があり、家庭の教育方針があってよいのです。そのうえで、何をどう利用するのか、家庭が決めることが重要です。
 私もよく相談を受けました。たとえば5年生の冬期講習。
「先生、これが最後のチャンスだから、スキーにいってきていいですか?」
来年の冬は当然、試験直前だからスキーに行ってる余裕はないでしょう。でも、「全部休みにすると、きっとまた取り戻すのに時間がかかるかなあ」と思ってみたり。
たいていは宿題を出して、スキーに行ってもらっています。スキーに行く代わり、帰ってきたらしっかり勉強するという約束で。
普通は、こういう対応で済むんですが、先日のメールは結構深刻でした。
「春期講習を休むといったら、先生に、『ではうちの塾では責任が持てないので、塾をやめてください』といわれてしまいました。どうすればいいでしょう?」
やっぱりこういう塾は変じゃないでしょうか。

私は別の塾を捜したほうがいいかもしれないと返信しました。
そんなことで責任がもてないなどという塾は、大した塾ではない。どうせ、そういう脅しをかけて講習をとらせろとか誰かがいってるんでしょう。塾はあくまでみなさんが利用するものです。子どもを人質にとられているなどと思ってはいけません。

ある塾の先生がこんな話をしていました。
「昔は、プリントの答えがないのが当たり前だった。黒板に問題を書いて説明していたから、それをノートに書き写させればすんだんです。しかし、いまは休む子もいるし、親もチェックしたいから当然、解答がいる。さらに家でも演習させたいから、もっとプリントをください、そしてその解答もください、とだんだん与えるプリントが増えていくようになりました。そうなると問題を作ったから、これもやらせよう、あれもやらせようということになって渡すプリントが増えるばかり。本当は時間的にやれるはずがないのに、親も持っていくだけは持っていく。渡されると子どもはやらないといけないと思うから、負担がどんどん増えるんです。
昔は洗練された良い問題だけを与えようなどと話していたのですが、熱心なお母さんの要求に応えていくうちに、こんなやり方になってしまったんですよ」
「じゃ、やらなくていいといってあげればいいのに」
「でも先生ね、不要なプリントならくれなきゃいいと思うじゃないですか。実際に不要なプリントだと言えば、価値はなくなりますよ。そうなると面倒見が良いということにはならない。サービスが良くないといまはだめなんです。あの先生は熱心だということにならないとね。だから渡す。しかし、子どもは大変だ」

本末転倒とはこういうことをいうのです。

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