月別アーカイブ: 2011年11月

基礎学力をつけるー計算力と漢字

 最近、私は6年1学期まではしっかりと基礎学力をつけて、第一志望を決めてから、その出題傾向にあわせて応用の枝葉を伸ばすというやり方が良いのではないかと思っています。中学受験の範囲は小学校5年生から中学2年生ぐらいまで4年分の範囲があり、そのすべてをやりこなそうとするのは土台無理な話です。ですから、しっかりと基礎学力を作り、正確に計算をしたり、文章をしっかり読み取る力を先につけて、出題傾向にあわせて発展させていくほうが効率が良いように思います。そこでここでは、基礎学力のつけ方についてまとめてみます。

計算力
 算数の解説を聞いている子どもたちの様子を見ていると、先生のしゃべった計算がすぐ頭に入る子と、そうでない子がいるようです。
「この辺が12cm、この辺が8cmだから面積は12×8=96平方cmになります」
という説明で、12×8がすんなり頭に入らない子がいて、そういう子は大抵、計算があまり得意ではないようなのです。
中学入試では教室に電卓を持ち込むわけにいかないので、計算力はつけなければなりません。

 練習をするにあたって、あまりたくさんやっても効果がありません。子どもが真剣に集中できる量を考えましょう。大人だって分数、小数の計算を20題もさせられたら辟易するでしょう。

 私は毎日3題練習する方法をお勧めしています。

 その代わり、絶対間違えない! という条件をつけます。絶対間違えないためには、検算を何回かするということが必要になります。そして、この答えは絶対合っている、という確信を子どもが持てるように練習しましょう。
できたら、記録をつけて、何日連続ノーミス記録! なんていって子どもたちを誉めてあげてください。
計算練習は、面倒なもの。
少しでも楽しくやれる工夫をしましょう。

「親鸞」という字も書けるように

 最近はパソコンを使うことが多いので、漢字を覚えなくなりました。自分で書こうと思うと、なかなか出てきません。だから、子どものころからの蓄積だけで勝負をしているようなものです。今後、この傾向は続くでしょう。漢字の勉強はしっかりやっておいたほうがいいのです。

 小学校のときは、毎年習う漢字が決まっていますが、そんな枠を超えて覚えられるときにどんどん覚えたほうがいいのです。小学校4年生くらいのとき、小学校で習う漢字を全部書けるようになったら、なかなかすごいと思います。

 読み書き、計算は学習の基本です。

 その中でも漢字の力があるのは、いろいろな点で役に立ちます。私は「親鸞」という字も漢字で書けるように指導します。そのほうが、ものを覚える力がつくからです。こんなところにも、漢字の力は役立つのです。

幼さとの戦い

 11月に入って6年生の子供たちの顔を見ていても、そんなに差し迫った感じになっていないと半ば「あせり」半ば「あきらめた」方もいらっしゃるのではないかと思います。子どもたちはまだまだ幼いので、すべてをなげうって受験に挑めるわけではありません。本人たちは精一杯やっていると思っているでしょう。だから腹がたって、お母さんが横にビターとついて、夜遅くまで勉強しているご家庭もあるかもしれません。

 ふとそんなことを思ったのは、実は今日、塾に出かけてくるまでの間に何人か、小学校受験の子供たちの姿を見かけたからです。スーツ姿のご両親、あるいはお母さんに手をひかれた「お受験スタイル」の子どもたち。6年後の姿もあまり変わらないなとつい思ってしまいました。

 しかし、実際には小学校受験と中学受験は明らかに違います。本人が試験でできなければ話にならない。つまり、子どもに力がついていないと道は開かないのです。お母さんが横について、「ああしろ、こうしろ」といってできたことが、果たして本番の受験でできるのか。その点を冷静に考えていないといけないのです。

 よく「家で勉強するとまだできるが、模擬試験に行くとぜんぜんだめ」という相談を受けます。それは本当に力がついていないといってしまえばそれまでなのですが、つまり「問題を自分で解決する能力」が備わっていないのです。

 「精神年齢が幼い」といってもいいかもしれません。いろいろなことをお母さんにしてもらった子供たちが果たしてプレッシャーのかかった受験会場で自分の力を発揮できるのか、考えてみてください。「何かしなければ」と思う気持ちはわかりますが、「与えてしまえば自分でとることをしなくなる」のが子どもなのです。

 その意味では、横についているばかりでなく、本人がどのくらいやれるのかをやや距離を置いて見てみることも大事なことでしょう。そして「できるようになったこと」をほめてあげることが必要です。ここからは子どもたちに自信を持たせなければなりません。「~ができない」ということに注目するより「~ができるようになった」を数えていってほしいのです。そしてほめてあげること、認めてあげることが多くなればなるほど、子どもの幼さが逆に武器になります。力以上のものを本番で発揮するのです。波に乗せるためには幼さは長所となります。

 しかしそれを生かすも殺すも回りの大人次第と言えるのです。

併願パターンの考え方

 併願パターンを考える際、どこでとめるかという問題を考えておく必要があります。繰り返しになりますが、すべり止め校には二つの役割があります。

 ひとつはまさにすべり止め。万が一ほかがだめならば、その学校に行くことになりますから、単に合格すればいいというわけではありません。事前にしっかりその学校の内容を調べておく必要があります。
もうひとつの役割が「勢いを取り戻すこと」。

 第一志望が「残念」な結果でも第二志望の受験が控えています。このとき、行く学校があることは子どもたちの気持ちに余裕をもたらします。ですからなるべく早めに合格をひとつとるということが大事なのです。
近年の日程表を見ていると、やはり1日か2日に滑り止めを持ってくるべきでしょう。3日はほとんどの学校が2次募集、3次募集になりますから、いかんせん募集定員が少なく、ここで滑り止めを作ることはリスクが高くなります。1日か2日であれば、まだまだ定員も多いのである程度下げてしまえば、合格をとる可能性が高くなるでしょう。

 滑り止めを決めるにあたって、私はよく「ガーッ」と大胆にランクを下げるというお話をしますが、なかなかお母様方にすぐに受け入れていただくのはむずかしいようです。
どうしても第一志望や第二志望と比べてしまうからでしょう。

 滑り止め校は、第一志望や第二志望と比べてはいけません。公立に行くことと比べてください。そこがなければ子どもたちは公立に進む可能性が高くなります。いまはどの私立もしっかりとした教育内容を提供しています。たとえば中学受験の偏差値が40でも高校受験の偏差値に換算すると55から60ぐらいになります。これは中学受験をする層の平均が全体の生徒の平均にくらべて10ポイント近く高くなっているからです。したがって中学受験の偏差値50は高校受験の偏差値60にあたります。中学受験は全体としてはやはり上位層の戦いであることは間違いないのです。だから逆に40の学校であったとしてもなかなか良い内容の学校があるのです。

 ただし、単に偏差値表を見てしまうと偏差値の高い学校が良い学校に見えてきますが、けっしてそうではありません。偏差値が高くても悪い学校があり、偏差値が低くて良い学校があります。入るのが難しくてもスクールカラーが本人に合わなければ意味がないし、また成績のいい子供たちが入ってくるからというので、学校側が何も工夫しないという学校があります。これらの学校が将来良い学校であり続けられるわけではないでしょう。一方で一生懸命提供する教育の中身を改善している学校があります。いまの上位校も10年前は十分に評価されていなかった学校が多いのです。ですから、その辺も踏まえて努力している学校、子どもに合う学校をよく考えてあげてください。

 そして滑り止めに関しては親が主導してください。子どもたちが滑り止めのことを考えるのはあまり楽しいことではありません。むしろ第一志望、第二志望をしっかり狙っていくことが大事。確実に受かる学校を選ぶのも大事ですから、そこはお母さんに任せてという感じでよいのではないでしょうか。