月別アーカイブ: 2011年11月

学校によって違う算数試験の四つのパターン

 6年生の夏から学校別対策を始めるとして、では具体的にどのように進めていけばよいのでしょうか。
 まず、子どもたちの今のレベルから考えて、得意な範囲はどれで不得意な範囲はどれかをまず調べます。もちろんその週たまたまできたという場合もあるでしょうが、やはりデータで見ると、得意、不得意はわりとはっきり出てきます。

 次に教科のバランスを考えます。
 基本的な優先順位は、

 算数>国語=理科の計算分野>理科と社会の知識

 です。

 そのうえで、次に第一志望の傾向を考えます。算数について私は大きく4つの型に分けます。

(1)完全記述型 
(2)記述難問型
(3)単答難問併用型
(4)単答基礎型

 それらの型にあわせてよく出る範囲がわかります。例えば(1)や(2)でよく出るのは規則性、数の性質、速さ、図形の4分野です。これと本人の得手不得手を比べてみて、不得意な分野からじっくり復習を始めるのです。

 このケースでは、単純に式で出るという問題は少なく、場合分けを考えたり、ある程度面倒な検証を含む場合があります。

 例えば、速さの問題で、川の下流から上流に向かっていた船が、荷物を途中で落とし、その後気がついて荷物を追いかけ、荷物をひろった後、また上流の目的地に向かう、などという問題が出題されます。最初の速さは船の速さー流れの速さ、次は船の速さ+流れの速さ、引き返すときは船の速さー流れの速さと2つの速さを場合にわけて考えなければならないので、面倒でしょう。

 しかし、この面倒な問題を解くというのは、
「ていねいさと分析力」
を持っているかどうかを吟味する上で、非常に有効な問題といえます。ただ、これらの問題はやはり、しっかり練習しなければできないわけで、ですから学校別の傾向に分けた対策が必要になるわけです。

 (3)や(4)の場合は、範囲は広くなりますが基本的な出題が多いのでいわゆる典型的な出題をしっかり理解することからはじめるとよいでしょう。ただし、多くの問題集で出ている問題から多少なりともひねりを加えた出題が増えてきました。
「あ、これやったことある」
と思うと、そこがスキになります。良く問題を読んでいれば他愛のないことなのですが、入試本番でそれだけていねいに問題に向きあえるか、は大きな差になっていきます。

 繰り返しになりますが、やはりていねいさというのは入試に合格する上で一番大きな要素ですから、練習を積み重ねて「ていねいに」問題が解けるようにしていきましょう。

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5年生2学期、テストの成績が下がったら

 5年1学期の成績はまずまずだったのが、2学期になったら成績が下がってきた。毎日毎日横で勉強を見ているのだが、成績は上がらず、子どもも私も疲れてしまって……というご相談をよく受けます。

 今も何とか塾のクラスは維持してはいるものの、それにかけるエネルギーは相当なもので、このまま続けられるか自信がない、でもクラスを落ちてしまえば志望校に合格できないのでは、という漠然とした不安を抱えられているようです。

 塾のクラスと合否で一番関係があるのは、6年生の2学期、つまり受験直前期ですが、この時期にはまだ力の差はあまりありません。

 ある集団が飛び出るほかは、固まっているといってもいいでしょう。

 成績を上げるためには、細かい知識も理科も国語の漢字もできなければいけませんが、その記憶の多くは入試まで持ちつづけることができないので、ここでそれほどエネルギーをかける必要があるかどうかという点は考えてみなければならないのです。

 5年1学期と2学期はかなり分量も難しさも違います。ある一定量を処理できた子どもたちも2学期に入るとアップアップするというのは、毎年のこと。ですからそこで振り分けられてしまって「志望校にいけないのでは?」と不安を感じられるお母さんも多いでしょう。

 ですが細かい知識は6年生の後半期でしっかり固めればいいのです。それより5年のうちは算数の基礎力をしっかりして、毎週1本か2本、国語の読解練習をして読解力を身につけていくことが必要でしょう。塾に行けば理科や社会の勉強をするでしょうから、細かい知識の暗記を何回も繰り返すのではなく、塾の勉強だけで試験を受けるでもいいでしょう。つまりこの段階でも何を優先すべきなのか、しっかり決めてやらないと時間はいくらあっても足りないのです。

 クラス分けが進む塾では、やはり漠然とした不安があるでしょう。上位のクラスにいれないのだから、志望校に入れない―本当にそうでしょうか? 山の登り方はいくらでもあります。私の塾はいっさいクラス分けがありませんが、上位の学校には入っていけます。
 大事なのは「その塾のやり方が自分のお子さんにあっているかどうか」です。合っていれば上位にいけるでしょう。合っていないのだから成績が伸びない、だとすればやり方を考えてあげなければいけません。それは保護者が考えないといけないのです。

 5年のうちはまだまだ余裕をもって勉強をしてほしいと思います。お母さんとお子さんが夜遅くまで歴史の暗記をするのはなぜでしょう? 塾のクラス分けテストのためだとすれば、それが志望校合格のために本当に必要なのか、考えなければいけないのです。

 歴史の暗記をするのは6年生でいいのです(繰り返しになりますが、ほとんどの子が忘れているからです)。その分5年で算数や国語の力を伸ばしたほうがよほどいい― そう考えると勉強の優先順位は変わるはずです。

 クラス分けで楽に上位に行ける子はそのままやればいいのです。そうでなかったら勉強の方法は考えなければなりません。ただ、どんなに先にいっても入試がだめなら不合格です。逆にその日が良ければそれでいいのです。もう少し幅広く考えてあげてください。


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第一志望を強く心に持つ

 6年生ではまず目標が必要です。どこに合格させるのかということで戦略は当然変わってきます。ですから、まずしっかりと第一志望を決めることです。最終的に何校合格しようと通学するのは1校だけ。だから第一志望に合格することが一番です。第一志望に合格してしまえば、あとはほかの受験生に譲ってかまわないのです。

 6年生の秋に行われる模擬試験の結果で第一志望がころころ変わってしまう方がたまにいますが、これは間違い。第一志望を決めてその入試傾向にあわせてじっくり戦略を練ることが合格の近道なのです。第一志望を変えてしまうと、それまでの勉強の効果がなくなってしまいます。

 そしてもうひとつ大事なことは親子ともこの第一志望を強く受け入れることです。「絶対に合格しよう」という強い気持ちを持つことが必要です。「もしかすると入らないかもしれない」という心配は受験勉強の敵といってもいいでしょう。「こんなにがんばったってだめかもしれないし」と思えば、力は入りません。やるべきことをきちんとやって「絶対に合格してやるんだ」という気持ちを子どもがしっかり持てるように導いてあげてください。

 さて、その次は入試傾向の分析です。入試問題はどの学校にも特徴があります。過去5年、10年と調べていけばやはり何が出そうなのか見えてくるでしょう。その結果として、やるべき勉強がだんだん絞れてきます。

 子どもたちは今まで4年生くらいからずっと受験勉強をしてきましたが、学習した内容はかなり広い範囲になります。どのくらいかといえば中学校の全課程の3分の2くらいまで及んでいるのです。それを残りの期間ですべて復習し終わることはなかなか大変です。ですから、何が出るのか、そこから勉強をしぼる必要があるのです。例えば国語についていえば、多くの学校が物語文と説明文の読解と漢字にしぼってほぼ間違いないでしょう。詩や文学史、あるいは国文法はあまり出題されないし、過去にあまり出ていなければまず出ないといってもいいのです。

 同様に難しい電気や化学の計算問題も学校によってはまったくでない学校があります。そのことを調べもせず、単に模擬試験の結果から難しい電気をこれでもかと勉強して何にもならなかったということはあるのです。

 中学入試は当日の結果がすべてです。当日、合格点が取れればいい話。それまでの間がどんな偏差値であろうと、どんな点数であろうと合格には直接関係がありません。

 逆に考えれば、出るものをやる、これは子どもたちに分析させるわけにはいきませんから保護者の方が塾の先生としっかり相談して進めてください。塾によっては「そんなことをやっても意味がない」と先生にいわれる場合があるでしょう。これはその先生が情報を持っていないだけの話。決まったカリキュラムを進めるしか方法を知らないだけなのです。志望校が違えば、対策はおのずと違ってきます。

 さて、傾向の分析が済んだら次は、子どもの現状を正確に把握することです。ただしそれはよく出題されるものに対してどうか、ということに集中すべきです。出ないものはできなくたってかまわないのです。

 それと試験のくせもよく知っておきましょう。最近中堅から上位の男子受験校は難しい問題を前半にちりばめるようにしています。これは特に成績の良い子どもがかかるワナといってもいいかもしれません。自信があるから、前半の問題は全部できなければいけないとつい思い込んでしまう。そして難しい問題に時間をかけてしまい、後ろの簡単な問題を落としてしまって失敗するのです。

 実はこれらの学校は、全体を見極める力を期待しているのです。やさしい問題、自分ができる問題を見つけられるということは試験に対して強い子です。ということは先の大学受験も期待できるでしょう。そういう傾向を先に知っておけば、「わからなかったらすぐ飛ばせ」というアドバイスで簡単に通り抜けられるのです。こういう準備もまたしっかりやっておかなければなりません。

 そうやって絞っていくと、やらなければいけない課題が出てくるでしょう。それに優先順位をつけて、計画化していきます。

 そしてもはや時間が間に合わないと思われる学習内容や参考書はすべて机の上から消してしまってください。これまで塾で貰ったプリントで、復習をしようと思っていたのになかなかできなかった問題は、もはや置いておいても仕方がないのです。この先も多分やる暇などないでしょうから、とっとと整理してしまうことです。


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