6年生の夏から学校別対策を始めるとして、では具体的にどのように進めていけばよいのでしょうか。
まず、子どもたちの今のレベルから考えて、得意な範囲はどれで不得意な範囲はどれかをまず調べます。もちろんその週たまたまできたという場合もあるでしょうが、やはりデータで見ると、得意、不得意はわりとはっきり出てきます。
次に教科のバランスを考えます。
基本的な優先順位は、
算数>国語=理科の計算分野>理科と社会の知識
です。
そのうえで、次に第一志望の傾向を考えます。算数について私は大きく4つの型に分けます。
(1)完全記述型
(2)記述難問型
(3)単答難問併用型
(4)単答基礎型
それらの型にあわせてよく出る範囲がわかります。例えば(1)や(2)でよく出るのは規則性、数の性質、速さ、図形の4分野です。これと本人の得手不得手を比べてみて、不得意な分野からじっくり復習を始めるのです。
このケースでは、単純に式で出るという問題は少なく、場合分けを考えたり、ある程度面倒な検証を含む場合があります。
例えば、速さの問題で、川の下流から上流に向かっていた船が、荷物を途中で落とし、その後気がついて荷物を追いかけ、荷物をひろった後、また上流の目的地に向かう、などという問題が出題されます。最初の速さは船の速さー流れの速さ、次は船の速さ+流れの速さ、引き返すときは船の速さー流れの速さと2つの速さを場合にわけて考えなければならないので、面倒でしょう。
しかし、この面倒な問題を解くというのは、
「ていねいさと分析力」
を持っているかどうかを吟味する上で、非常に有効な問題といえます。ただ、これらの問題はやはり、しっかり練習しなければできないわけで、ですから学校別の傾向に分けた対策が必要になるわけです。
(3)や(4)の場合は、範囲は広くなりますが基本的な出題が多いのでいわゆる典型的な出題をしっかり理解することからはじめるとよいでしょう。ただし、多くの問題集で出ている問題から多少なりともひねりを加えた出題が増えてきました。
「あ、これやったことある」
と思うと、そこがスキになります。良く問題を読んでいれば他愛のないことなのですが、入試本番でそれだけていねいに問題に向きあえるか、は大きな差になっていきます。
繰り返しになりますが、やはりていねいさというのは入試に合格する上で一番大きな要素ですから、練習を積み重ねて「ていねいに」問題が解けるようにしていきましょう。
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