5年生2学期、テストの成績が下がったら

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 5年1学期の成績はまずまずだったのが、2学期になったら成績が下がってきた。毎日毎日横で勉強を見ているのだが、成績は上がらず、子どもも私も疲れてしまって……というご相談をよく受けます。

 今も何とか塾のクラスは維持してはいるものの、それにかけるエネルギーは相当なもので、このまま続けられるか自信がない、でもクラスを落ちてしまえば志望校に合格できないのでは、という漠然とした不安を抱えられているようです。

 塾のクラスと合否で一番関係があるのは、6年生の2学期、つまり受験直前期ですが、この時期にはまだ力の差はあまりありません。

 ある集団が飛び出るほかは、固まっているといってもいいでしょう。

 成績を上げるためには、細かい知識も理科も国語の漢字もできなければいけませんが、その記憶の多くは入試まで持ちつづけることができないので、ここでそれほどエネルギーをかける必要があるかどうかという点は考えてみなければならないのです。

 5年1学期と2学期はかなり分量も難しさも違います。ある一定量を処理できた子どもたちも2学期に入るとアップアップするというのは、毎年のこと。ですからそこで振り分けられてしまって「志望校にいけないのでは?」と不安を感じられるお母さんも多いでしょう。

 ですが細かい知識は6年生の後半期でしっかり固めればいいのです。それより5年のうちは算数の基礎力をしっかりして、毎週1本か2本、国語の読解練習をして読解力を身につけていくことが必要でしょう。塾に行けば理科や社会の勉強をするでしょうから、細かい知識の暗記を何回も繰り返すのではなく、塾の勉強だけで試験を受けるでもいいでしょう。つまりこの段階でも何を優先すべきなのか、しっかり決めてやらないと時間はいくらあっても足りないのです。

 クラス分けが進む塾では、やはり漠然とした不安があるでしょう。上位のクラスにいれないのだから、志望校に入れない―本当にそうでしょうか? 山の登り方はいくらでもあります。私の塾はいっさいクラス分けがありませんが、上位の学校には入っていけます。
 大事なのは「その塾のやり方が自分のお子さんにあっているかどうか」です。合っていれば上位にいけるでしょう。合っていないのだから成績が伸びない、だとすればやり方を考えてあげなければいけません。それは保護者が考えないといけないのです。

 5年のうちはまだまだ余裕をもって勉強をしてほしいと思います。お母さんとお子さんが夜遅くまで歴史の暗記をするのはなぜでしょう? 塾のクラス分けテストのためだとすれば、それが志望校合格のために本当に必要なのか、考えなければいけないのです。

 歴史の暗記をするのは6年生でいいのです(繰り返しになりますが、ほとんどの子が忘れているからです)。その分5年で算数や国語の力を伸ばしたほうがよほどいい― そう考えると勉強の優先順位は変わるはずです。

 クラス分けで楽に上位に行ける子はそのままやればいいのです。そうでなかったら勉強の方法は考えなければなりません。ただ、どんなに先にいっても入試がだめなら不合格です。逆にその日が良ければそれでいいのです。もう少し幅広く考えてあげてください。


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