月別アーカイブ: 2006年5月

じっくり考える

よく「算数の問題はじっくり考えさせてください」というお話をします。
子どもたちが自分で問題に取り組んでいくとき、いろいろなことを試しているうちに時間がかかってしまうことがあります。図を描いてみた、グラフにしてみた、そういう試行錯誤をやってはいるものの、実際に答えが出てこない。そろそろ答えを見たら?いや、まだ。

こういうときは、多少時間に余裕を持って子どものすることを見ていてほしいと思います。だって次にやらなければいけない問題が。その通りですが、これまでかけた時間を有効にする意味では、ある程度結論が出るまでは時間をかけるべきなのです。その試行錯誤の中で子どもたちの中にいろいろな経験が積まれています。これでは、だめなんだ、そうか。だめなんだという発見も大事なことなのです。そして、出来る場合もあるでしょう。最終的に「だめだ、わからん」という場合もあるでしょう。そこまで来て答えや解説を見ると、それこそ水が砂にしみいるように理解が広がります。それを中途半端にさえぎって、答えを見ても十分に経験があがっていないので、理解が進まないのです。

一方、鉛筆を動かすこともなく、ただじっと問題を見ている子がいます。その子がよほど天才的でもない限り、「本人に解く意欲がない」と見ていいでしょう。このような子に1問30分与えても、仕方がないのです。

本人のやる気がなぜ起きないのか、問題のレベルがあっていないのかもしれないし、実は遊びに行きたいと思っているのかもしれません。

その辺をしっかり聞いてみたらいいでしょう。子どもが自分でやる気になれば、その分自学自習の作用が効いてきます。学びたいという気持ちが強ければ、理解も進みます。逆にそうでなければ、「やりなさいよ!」と強制されたところで大して身になるわけもないのです。その辺はご自分の経験を振り返ってみれば、よくおわかりになるのではないでしょうか。

お父さんの気合はほどほどに

どうも、中学受験の過熱化はいろいろなところに波及しているようで。
先日もある週刊誌の編集者と話をしたのですが、毎週必ず中学受験の話題を
取り上げているそうです。そうすると部数が伸びるとか。そういえば、今日の
中吊りでもずいぶんそんな記事が目立ちましたね。

確かに中学受験は小学生の受験ですから、親がかかわる場面は多いと思います。
最近ではお父さんが帰宅後、子どもたちの算数や理科を見ているという話も
聞きます。
子どもたちの勉強を見ていただくのは大いに結構ですが、ただ、やり始めると
どうしても加熱気味になる可能性がありますから、十分注意してください。

多くのご家庭の場合、お母さんがお子さんと多くの時間を共有して、叱咤激励
されていると思います。そこにお父さんがまたいろいろとやり始めると、
子どもたちの逃げ場がなくなってきます。

むしろお父さんはお母さんの話を聞いてあげてください。そして上手にブレー
キをかけてほしいのです。ここまで受験率が上昇してくると、当然競争は
厳しくなりますが、一方で小学生の受験であるということを頭の中にいれて
おかないと、子どもたちが十分に吸収できる余力を持っていませんので、
大きな問題がおきてくる可能性があります。

「おれのころはそんなに勉強しなかったなあ」と言ってお母さんからヒンシュクを
買うくらいでも良いのではないでしょうか?

上手にバランスをとってあげてほしいと思います。

第2回 「幼さをどう克服するのか」  

最近は小学生にしても中学生にしても以前に比べて精神的に幼くなっています。これはやはり兄弟姉妹が少なくなり、親の目が行き届いてきたために、自分でいろいろなことをする機会が少なくなっているからです。 
 例えば小学生は自分の部屋の掃除をしないだろうし、洗濯物ものもたたまないでしょう。何でもお母さんにやってもらうということでは、自分で苦労することが少ない分、なかなか精神的な成長が期待できません。一方で、そういう環境の中で反抗期だけは従来通り出てきますから、「口ばっかりで行動がともなわない」子どもたちがたくさん出てきていることになります。
 その意味では、やはり早くからいろいろなことを子どもたちにさせる必要があります。それと同時に、家族としてみんなのためにする仕事も持たせていくことが大事です。

 我が家の話で言うと、息子の「風呂番」と娘の「夕飯の後片付け」はすでに8年近く続いています。息子は大学生になって、さすがに毎日というわけにはいかなくなりましたが、それでも家にいるときは家族のためにお風呂を用意するという仕事を受け持っています。これは中学生のときも、高校生のときもずーっと続けてきてくれています。ただ、私はやらせたことはありません。忘れているときは、「お風呂、頼むよ」と言っていました。反抗期のときは「自分で入りたければやればいいのに」と言っていましたが、それでも頼むと「しょうがないなあ」といいながら、やってくれました。そしてやってくれたら「ありがとう」を必ず家族みんなでいうことにしていたのです。

 人のために何かをするということは、小さいときから練習させておく必要があります。そしてやってもらったら必ず「ありがとう」という言葉をいうこともきちんと教えておきましょう。自分がする立場になるときも、してもらう立場になるときも相手の気持ちがわかるようになれば、それもまた幼さを克服する大事なステップになると思います。