第2回 「幼さをどう克服するのか」  

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最近は小学生にしても中学生にしても以前に比べて精神的に幼くなっています。これはやはり兄弟姉妹が少なくなり、親の目が行き届いてきたために、自分でいろいろなことをする機会が少なくなっているからです。 
 例えば小学生は自分の部屋の掃除をしないだろうし、洗濯物ものもたたまないでしょう。何でもお母さんにやってもらうということでは、自分で苦労することが少ない分、なかなか精神的な成長が期待できません。一方で、そういう環境の中で反抗期だけは従来通り出てきますから、「口ばっかりで行動がともなわない」子どもたちがたくさん出てきていることになります。
 その意味では、やはり早くからいろいろなことを子どもたちにさせる必要があります。それと同時に、家族としてみんなのためにする仕事も持たせていくことが大事です。

 我が家の話で言うと、息子の「風呂番」と娘の「夕飯の後片付け」はすでに8年近く続いています。息子は大学生になって、さすがに毎日というわけにはいかなくなりましたが、それでも家にいるときは家族のためにお風呂を用意するという仕事を受け持っています。これは中学生のときも、高校生のときもずーっと続けてきてくれています。ただ、私はやらせたことはありません。忘れているときは、「お風呂、頼むよ」と言っていました。反抗期のときは「自分で入りたければやればいいのに」と言っていましたが、それでも頼むと「しょうがないなあ」といいながら、やってくれました。そしてやってくれたら「ありがとう」を必ず家族みんなでいうことにしていたのです。

 人のために何かをするということは、小さいときから練習させておく必要があります。そしてやってもらったら必ず「ありがとう」という言葉をいうこともきちんと教えておきましょう。自分がする立場になるときも、してもらう立場になるときも相手の気持ちがわかるようになれば、それもまた幼さを克服する大事なステップになると思います。

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