失敗に学ぶ中学受験」カテゴリーアーカイブ

「くやしくて勉強するだろう」

 子どもとのコミュニケーションには言葉を使います。自分の子どもだからといって何をいってもいいというわけではありません。言葉にはいろいろなニュアンスがあるわけですから、家庭で使う言葉について親は気を遣っていなければなりません。

(1)ありがとう

 子どもが何かとってくれたとします。
「ありがとう」といっておられるでしょうか。
 とってくれるのは当たり前?
 そうではありません。子どもも一人の人格です。個性です。だから「ありがとう」といってください。親が「ありがとう」という子は自分も「ありがとう」をいえる子です。子は親の鏡。子どものすることが気になったらまず自分がそうしていないか、反省してみましょう。

(2)ママの言葉

 お母さんは言葉によって子どもに影響を与えます。だからその言葉の使い方が大事です。当然、子どもの可能性を否定する言葉は、なるべく使わない。
 よくお母さんが勘違いをするのは、
「あれだけいえば、くやしくて勉強するだろう」
という発想です。そんなことは絶対にありません。
 子どもは、
「僕は、理解のない母親に生まれてしまった。なんてかわいそうなんだろう……」
と考えるものなのです。最初のうち、子どもはなかなか勉強しません。
 ゲーム、野球、漫画、サッカー、バレー、テレビ……やりたいことがたくさんありますから。その中に勉強を加えなければなりません。だから、勉強は楽しくやらないと最初はうまくいかない。ごほうびもあり、ゲームもあり。
 そして、知的好奇心が満たされてくると、これが解けるならあれも解けるかも、という欲望が出てくるのです。その間、親が使う言葉は「ほめる言葉」中心。お父さん、お母さんにほめられて、喜ばない子どもはいません。
 小言をいいそうになったら、ちょっと深呼吸。本当にいったほうがいいか、考えましょう。

 一度いった言葉は、もう変えることができませんから。
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問題を解くスピードをつける

 過去問などをやらせていると、時間が不足するという場合があるかもしれません。例えば国語の問題などは長文を読むのに時間がかかって、全部の問題ができない、ということはあるでしょう。特に最近の模擬試験では差をつけるためにかなりの長文を出し、かつ問題数も多くなってきています。だから、すべての問題に手がつかないお子さんも多いのではないでしょうか。

 だからといって速読術などをやらせても間に合いません。あせりは禁物です。急いでやらせれば、ろくなことが起きません。問題を読み飛ばす、大事なところをななめに読んで見過ごす ― 結局点数がまとまらないでしょう。

 全部終わらなくてもいいのです。ただ問題を解く順番は気をつけておくと良いでしょう。まずは漢字、知識など、あまり時間のかからないものから手をつけます。そして長文問題にとりかかりますが、長文を読み始める前に問題に一応目を通しておくとよいかもしれません。こんなことが聞かれるのかということを頭にいれてから読んでいくと良いでしょう。そして傍線部が出てきてその場で解ける問題は解いていってもいいでしょう。そのとき、問題を飛ばしていますので、解答欄を間違わないようにすることです。解答欄がひとつ飛ぶだけで全部の問題を間違えてしまうことになります。問題番号と解答欄の番号を確認してから答えを書く、こんな基本的なチェックがミスを防ぐ方法なのです。

 間に合わなければ間に合わないでよいのです。むしろ正解率を上げていく方が良いでしょう。

 子どもたちも過去問の練習をしていくうちに、少しずつ早くなっていきます。とにかくあわてず、あせらずに問題を解かせていくようにしましょう。じっくり解く練習をすれば、次第にスピードはつくものです。

 急がば回れですね。

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記述問題の採点

 最近は記述問題を出題する学校も増えてきました。記述については、過去問などで練習していることと思いますが、問題は採点基準。子どもにはなかなか採点できないので、保護者のほうが丸付けをされていることと思います。

 入試の場合、採点基準を細かに決める学校と教員の裁量に任す学校とあるようです。が、まずは採点しやすい、あるいは読みやすい答案であるかが大事です。入試では答案はかえってきません。だから汚くて読めないと判断されても反論のしようがないのです。誰が読んでもそう読めるような読みやすい答案を書かなければなりません。

そのためには3つのことを実行させる必要があります。
(1)字をていねいに書かせること。上手な字は必要ありませんが読みやすい字でなければなりません。
(2)一文は短くすること。一つの文は一つのことをいえばよいのです。
(3)結論を先に書くこと。時間切れにならないように構成を考えて書く必要があるでしょう。

 さて、採点ですが、これはもし塾の先生が対応してくれるのであれば、ぜひお願いしましょう。やはり専門の先生に採点してもらうのが一番ですし、採点していただければ、
「こういう点を注意するように」
という添削や注意を聞くことができます。むしろこういう勉強が子どもの記述対策には有効なのです。ただ、たくさんの子どもたちがいる塾ではなかなか対応してもらえない場合もあるでしょう。その場合、親が採点をすることになりますが、先ほど書いた3つの注意点を考えて採点してください。内容はだいたいあってれば○で結構です。それよりも先の注意点ができているかどうかをチェックした方が良いでしょう。お母さんが読んでもわかりにくいものは、学校の先生が読んでも同じこと。
「何を書いているかわからない」
答えにならないように注意することです。

 記述問題は書き慣れることが大事ですから、入試までなるべく練習する機会を多くするようにしてください。

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