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第87回 記述は、模範解答を書き直し、添削を受ける。

    国語や社会など、最近は自分の文章で解答する記述式の問題が増えてきました。
    記述だけの出題というところもあって、記述対策は非常に大事なのですが、問題は自分の答えをどう直すか。
    まず、書いてみる。答え合わせをする。しかし、ここで、いったい何があっていて、何があっていないのか、吟味することがむずかしい。
    一番いいのは指導する先生の添削を受けること。過去問などの答えは見てもらったほうがいいでしょう。
    しかし、そういう機会がなかなかとれない場合、模範解答を写して勉強を終えてしまうケースが多い。これはあまり良い勉強法ではありません。
    なぜか。
    解答は、大人が書いたものであり、ことばが難しかったりする。だから、解答を自分なりにもう一度書き直してみることが本来は必要です。こういう意味なんだろうなと書き直してみることで、理解が深まる、何を書かなければいけなかったのか、明確になります。
    本当はそれも見てもらうのがいいが、なかなかそこまでやってくれる塾はないでしょう。ただ、解答を写すだけではだめ、もう一度自分なりに書き直す、この練習は絶対してほしいと思います。

第86回 新しい合不合の成績表の見方

    合不合の2回目の結果が郵送されていますが、成績表が変わりました。
    前の成績表はかなり、長い間使われてました。2回目から変わるというのは、やや唐突ではありますが、まあ、それはさておき、早速分析をしましょう。

1 あなたの成績

    第1回~第4回まで得点、平均点、偏差値、順位、受験者とならんでいきます。これは前と同じですが、受験者数はちょっと気にしておきましょうか。
    例えば男子4教科は第1回が10487人 第2回が10438人 若干減少しています。が、だいたい1万人のデータであることはかわりがありませんので、第1回と第2回で母集団がほぼ同じであったと思われます。 次に平均点。だいたい合不合は250点前後(500点満点)が平均になるのですが、今回は算数、理科がやややさしかったようで、男子の場合は平均が272.1点でした。点はのびたが、偏差値は変わらないというお子さんもいらしたでしょう。

    傾向としてはやはり右肩上がりがよい。1回から2回へ各科目の偏差値が上がっていれば、いいのではないでしょうか。

2 あなたの志望校履歴

    合不合では受験日別に6校まで志望校を登録できます。この合格可能性の判定が数値化され、これも第1回から第4回まで判定されています。判定のやり方については以下のページをご参照ください。

    模擬試験の結果の見方(1)

3 あなたの志望校の受験併願パターン

    新しい情報です。下の説明を読むと、「あなたと同じ学校を志望した人たちがどのような学校を併願したのか」をデータ化しているといいます。つまり、これは第一志望にA校と登録した人が、志望している学校を受験日ごとに人数でまとめているわけです。ご家庭の考え方や、住んでいる場所でも違いますが、他の人がどういう学校を併願しているかはわかるでしょう。

4 合格するための学習目標

    いい企画なのですが、もう少し分野を増やして分析しないと意味がないかもしれません。またこの分野の分け方はもう少し検討した方がよさそうです。
    算数は和と差、割合、図形、計算と数、速さと変化になっていて、帯グラフが第一志望者の平均得点率 折れ線グラフが自分の得点率です。帯グラフの中に折れ線グラフが入ってしまうのは。平均を下回るということですから、よくない。そこをしっかり勉強しましょうね、ということなのですが、分野が狭いので、大雑把なことしかわかりませんね。理科は化学、地学、物理、生物となっているから、子どもは「そんなの、わかってらい」ぐらいしかいえないでしょう。せっかくやるのなら「電気」「水溶液」などの情報がほしいですね。

5 あなたの志望校合否判定

    各志望校について、昨年の合格者の最高偏差値と最低偏差値を箱で表示し、自分が第1回~第4回までその箱とどういう関係になるか、折れ線で表示をしています。
    箱が動くのは昨年の第1回から第4回までの結果を考えているからですが、しかし、同じ試験ではないので、単純に比較することはできません。ただ、概ね第1回から第4回まで箱は似たような位置にあるので、相対的に自分はどのくらいのレベルにいるかはわかるでしょう。この箱から下に大きくはずれると、やはり合格は難しい。目標としては箱の半分より上にはいたいというところですが、意欲的にデータを処理した割に、紙面が1枚なので、箱が小さい。
    こういうのはやはり2枚にして、グラフの縦軸も大きくしないとせっかくのデータが活かせませんから、ぜひ今後の課題にしてもらいたいと思います。
    この折れ線グラフも当然右肩上がりがよい。だんだん上がっていくというベクトルがあれば、たとえ第4回で届かずとも、そこから入試まで2ヶ月弱あるので、届く可能性はあるのです。
    子どもたちもようやく本気モードに入ってきましたから、ぜひこの右肩上がりを実現してほしいと思います。

第85回 字が汚いのはなぜ?

    後期になって、何人か6年生の新入生を迎えました。
    その中で、ある共通の特徴を見つけました。「字が汚い」。自分の書いた数字を読み間違えるほどです。
    「なぜ、もっとゆっくり書かないの?」
    「前、いた塾で、とにかく早く書けといわれたから。」
    「なぜ早く書かないといけないの?」
    「できる子が解いちゃうと、もう解説が始まっちゃうから。あっという間に黒板から解説は消されちゃうし。」
    「え、まだ書いてませんって言えばいいじゃん?」
    「そんなこと、いったら怒鳴られる!」
    と、まあ、何となくわかってきました。
    先生は、カリキュラムと当日解くべき問題を与えられている。上のクラスになればなるほど、ノルマは増えます。そうすると、子どもが、わかる、わからないに関わらず、次へ行く。だから、子どもたちはあわてる。急ぐ。スピードをとにかく求められているわけですね。
    ところが実際にノートはぐちゃぐちゃで、何が書いてあるか、わからない。復習主義という塾だそうですが、復習ができない。
    「ここでは、まず字をていねいに書かないと怒られるよ。」
    「え、そうなんですか?」
    「そう。試験の答案の字もきれいにかかないとだめ。だって、試験のときに先生に読んでもらえなかったらアウトだろ?この字は誰がどうみたって6だって、そういう字を書かなきゃ、だめだよ。」
    「でも、そうすると時間が・・・」
    「もちろん、早く解きたいという気持ちもわかるけど、それで間違えちゃ、合格しないんだぜ?どうする?」
    「はい、がんばります。」
    私は入試で必ず合格する子は「ていねいな子」だと思っています。だから、ていねいに解く、ていねいに勉強する、ということを大事にしたいと思うし、量をやるよりも1問しっかり考え抜くことが大事だと思うのです。
    カリキュラムをこなすということが目標ではなく、「子どもがわかる」ということが本来の目標でなければいけないと思うのですが。