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第90回 併願校の過去問

    今日は第3回目の合不合。
    今月でだいたい併願校が決まってくるでしょう。第一志望は、比較的早く決まって、過去問の準備をしてきた子も、併願校についてはまだ、十分でない場合が多いと思います。だって、ようやく決まってきたわけですから。
    したがって、併願校の過去問は、それほどたくさん時間をかけられるわけではありません。ただ、過去問に手をつけないというのも問題。やはり、時間の許す限り、やっておく必要があります。
    この時期ですから、最初から時間を計っていきましょう。第一志望のように、じっくり勉強する余裕はあまりないでしょう。また、この時期ですから、ある程度、子どもにも力はついているので、時間を決めてやっていく。
    そして、やり直しとまとめをします。
    できている問題については、何もふれない。
    できなかった問題について、解説を読んでもわからなければ、これは捨て問として扱っていい。
    解説を読んで、なんだ、そういうことか、ということであれば、得点できる可能性があったということなのだから、そこはしっかり勉強しておきましょう。
    知らない知識は暗記ノートに追加。そして最後にまとめをします。
    (1)どういう特徴のテストか。
    (2)合格点をとるためにどういう点に気をつけなければならないか。
    (3)合格点をとるために必要で、残りの時間でできる勉強は何か。
    特に(3)であれも、これもと書いても、所詮時間がありません。ですから、第一志望の対策を進めつつ、それに共通するものはないかを考えて、絞り込んでいきましょう。
    5年分ぐらいやれればOKでしょう。2回できれば、それに越したことはないが、1回でも仕方がないかもしれません。計画をしっかり立てて、練習していきましょう。

第89回 幼い子をしっかりさせるには?

    最近の子どもたちを見ていると、やはり幼い子が多いです。これは、少子化で子どもを見る大人の目が多くなり、いろいろ手をかけているからでしょう。いやな事件も多いので、確かにやや過保護気味に今の家庭教育が進んでいることは間違いないでしょう。
    ただ、幼い子はやはり受験には向かない。国語の読解にも響くし、入試や試験のプレッシャーにも弱い。だから、やはり幼い子の精神年齢を上げていかなければなりません。
    で、具体的にどうするか?
    今は、子どもがお母さんを頼っているという関係ですから、これを逆転させればいい。つまり、お母さんが子どもを頼るのです。

「母は頼り気がない方がいい」

    お母さんがしっかりしている、ということは、子どもは安穏としてて、いいのですが、それではなかなか成長しない。
    だから、本人をしっかりさせるには、お母さんが子どもを頼るようにする。
    「この、勉強どうするの?いつ始めるの?」
    例えば、このフレーズ、日ごろのお母さんは強く、指導するように言うでしょう。しかし、相談するように言う。あるいは頼り気なく、言う。
    「速さがわからないの? 何やればいいの?」
    お母さんがビシビシ決めていくのではなく、相談する。
    こういわれた子は
    「じゃあ、塾の先生に聞いてくる」
    とこうなるでしょう。
    親は試験会場に入ってはいけないのです。もう後ろで見ているしかない段階に入ってきています。
    だから、もう頼るほうがいいのではないでしょうか? 特に男の子には、効きます。

第88回 ノルマを果たしても実力はつかない

    1週間のノルマを決める塾があります。
    算数の課題はこれこれ、国語の課題はこれこれ。
    1週間にこれだけの問題数をこなす。ということが課題になって、それを計画して実行する。
    確かに説得力はありそうですが、実はこれ、中身がともなわない場合が少なくないのです。
    つまり宿題にしてしまうと、「とにかくノルマを果たす」ことが優先されてしまう。そうするとこんな勉強の仕方が始まってしまいます。
    問題と、解答を横に並べる。
    まず問題を解いてみる。すぐにはわからない。そこで解答を見る。なるほど。というので、答えを写す。
    ズルではないのです。このくらいのことをしないと、ノルマが終わらないから、そうする、という話。
    だから、実力はつかないのです。
    私の教室では、長期的な課題を出します。2ヶ月~3ヶ月がひとつのスパン。全体としてこのくらいの量という目安は出しますが、それが絶対に果たさなければいけない量ではない。むしろ、しっかり理解できることが優先されますから、これとこれはできなかった、という報告があってしかるべきだと思っているのです。
    ここまでの勉強をしたから、合格するという絶対的な量は存在しません。子どもが与えられた時間の中で、どのくらい思考能力や表現能力を鍛えてきたか、が問われるだけであって、「どのくらいの問題を解いたか」が競われているわけではないからです。
    受験学年だけでなく、5年生や4年生でも「ただノルマをこなす」だけの勉強をしている子が目に付きます。本当に実力はついていますか?