第36回 得点力

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■成績の良い子どもたちのテストの解き方にはいくつか特徴がありますが、私がこの子は絶対合格すると太鼓判を押すのは「ていねいな子」です。ていねいな子というのは、「解けた問題は間違えない子」です。例えば70点という点数は全部手をつけて7割できたという70点もあれば、70点分手をつけてそれが全部できた70点もあります。絶対合格する子というのは後者の子なのです。

■同じ70点だから同じじゃないかと思う人がいるかもしれません。しかし、前者の子は7割はできる子なのです。ということは逆に3割は間違える可能性があります。ところが後者の子は正解率10割なのです。この違いは、独特な緊張感を持つ入試会場で威力を発揮します。3割間違う子は4割間違うかもしれないが、正解率10割の子はそうはくずれません。

■ではこの子たちはどうやって解いているのでしょうか?きっと、バシ、バシ解いているんだろうと思うかもしれませんが、実はそうではないのです。彼らもしょっちゅう間違えます。計算間違いもするし、問題の読み違いもするのです。ただ、途中で気がつくのです。「あ、間違えた。」そして修正するから、試験が終わるころには正解率10割の答案ができているのです。

■ではどうやって自分の間違いに気がついているのでしょうか?ひとつひとつはつまらないことです。計算をもう一度見直す、答えが出たと思ったらもう一度問題文を見直す、解けないなあと思ったら使っていない条件がないか、考える。そして答えが出たらもう一度条件にあてはめてみる、こういう確認作業を成績の良い子どもたちは何らか方法を考えてやっているのです。

■逆にミスの多い子は、先を急ぎます。早くやらなきゃ、早くやらなきゃという気持ちが強くなり、計算間違いをしたり、問題の読み違いをします。しかしあせっていますから、見直しもしないし、問題の読み直しもしない、結果としてミスを繰り返すのです。あとひとつ何か計算をすれば正答だったのに、それをしなかったばかりに全部間違えてしまうことがあるのです。

■残り4ヶ月でみなさんは得点力をつけなければなりません。そのためにはていねいに解く習慣をつけなければならないのです。時間を決められたテストでも、ていねいに考える、計算を確認する、問題文を読み直す、ひとつひとつ確認をすることで、合理的に時間を使うことができるので、結局早く解けたりするのです。自分のミスを振り返って、どうすればミスを見つけられるか考えてみましょう。その力が最大の得点力といえます。

(平成17年9月29日)

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