秋になると、塾の授業回数が増えていきます。通常授業に加えて、学校別対策や志望校別の演習、日曜特訓などが始まり、気がつけば一週間のかなりの時間を塾で過ごす、ということも珍しくありません。
もちろん、入試が近づいているのですから、演習量を増やすことには意味があります。しかし、ここで気をつけたいのは、授業が増えたからといって、その分だけ力がつくわけではないということです。
授業では新しい問題を解き、いろいろなことを教えてもらいます。しかし、それを自分の力にするためには、家で考え直したり、間違えた問題をやり直したり、覚えていない知識を整理したりする時間が必要です。授業ばかりが増えて、その時間がなくなってしまうと、結局「習ったけれど、できるようにはなっていない」ということが起こります。
特に秋以降は、全員が同じ勉強をしていればよい時期ではありません。志望校も違えば、得意不得意も違います。算数を立て直した方がよい子もいれば、理科や社会の知識を急いで固めた方がよい子もいるでしょう。過去問を通して見つかった弱点を補強する時間も必要です。
だから、授業回数が増えてきたときほど、自分で勉強する時間をどう確保するかを考えてください。塾の予定を全部先に入れて、残った時間で家庭学習をする、という考え方では、なかなか個別の対策は進みません。必要であれば、授業を減らしてでも、自分の課題に取り組む時間をつくるという判断があってよいのです。
秋は「どれだけ塾に行ったか」ではなく、「何ができるようになったか」が大切です。授業を受けること自体を目的にせず、受けた授業を自分の力に変える時間まで含めて、これからの勉強を組み立てていきましょう。
