今回は条件が不足するつるかめ算や割合のつるかめ算について考えていきます。
(例題1)
100g500円のコーヒーと100g800円のコーヒーをブレンドして、100g620円のコーヒーを600g作りたい。100g500円のコーヒーは何gいれればよいですか。
(解説と解答)
100g620円のコーヒー600gは620×600÷100=3720円です。
全部を500円にすると、500×600÷100=3000円ですから、3720-3000=720円不足します。
100gを500円から800円に変えると800-500=300円あがりますから、
720÷300×100=240gが800円のコーヒーになり、600-240=360gが500円のコーヒーの重さです。
(答え)360g
(例題2)
A君とB君はそれぞれ20個のおはじきを持っています。じゃんけんをして、勝った人は負けた人から2個もらいます。あいこのときは、勝負がつくまで、じゃんけんをします。
勝負がついたのは6回で、終わった時A君は24個のおはじきを持っていました。A君は何回勝ちましたか。
おはじきの総数は変わりませんから、B君は20×2-24=16個持っているので、24-16=8個多くなりました。1回勝つと、相手から2個もらえるので、差は2×2=4個になります。
したがってA君は8÷4=2回多く、B君に勝ったことになりますから、(6+2)÷2=4回勝ちました。
(答え)4回
(例題3)
A君とB君があわせて2000円持っています。A君の$$\frac{1}{4}$$とB君の$$\frac{1}{3}$$のお金を出すと、お母さんに580円のプレゼントを買うことができます。
A君はいくら持っていますか。
(解説と解答)
消去算として考えてもよさそうな問題でしょう。
ともに$$\frac{1}{4}$$のお金を出すと2000×$$\frac{1}{4}$$=500円です。
$$\frac{1}{3}$$-$$\frac{1}{4}$$=$$\frac{4-3}{12}$$=$$\frac{1}{12}$$よりB君の$$\frac{1}{12}$$が580-500=80円ですから、
80÷$$\frac{1}{12}$$=960円がB君。
A君は2000-960=1040円
(答え)1040円
(例題4)
1本80円のえんぴつと1本120円のえんぴつを合計2000円分買いたいと思います。それぞれのえんぴつを必ず1本は買うとすると、買い方は何通りありますか。
(解説と解答)
普通のつるかめ算の場合は、合計の本数が出ているので、これは条件が不足しています。ただ、それぞれ整数本買うので、買い方は絞り込むことができます。
ます1本80円のえんぴつを全部買ってしまうと、2000÷80=25本買うことができます。
80円と120円の最小公倍数は240円ですから、240÷80=3 240÷120=2より80円のえんぴつ3本をやめて、120円のえんぴつ2本を買っていけば良いことになります。
したがって、(80円の本数、120円の本数)=(25、0)(22、2)(19、4)(16、6)(13、8)(10、10)(7、12)(4、14)(1、16)とあり(25、0)を除くので、答えは8通りあります。
(答え)8通り
(例題5)
10g、20g、40gのおもりを組み合わせて400gを作ります。おもりの合計は15個です。組み合わせ方は何通りありますか。ただし、どれも1つは使うものとします。
(解説と解答)
これは3つ、わからない数があり、条件としては2つしかないので、やはり条件が不足しています。
10gの個数をア、20gの個数をイ、40gの個数をウとします。
図のように、たてをおもりの重さ、横を個数として重さを面積で表すと、下の白い部分の面積は400gになります。
一方15個が全部40gであるとすれば、40×15=600gですから、600-400=200gが図のオレンジ色の部分になります。
これは40-10=30g 40-20=20gですから30×ア+20×イ=200g
200÷20=10、30と20の最小公倍数は60ですから、20gを3個減らして、30gを2個増やして行きます。
(ア、イ)=(0、10)(2、7)(4、4)(6、1)ということになりますが、(0、10)は除くので3通りになります。整理すると
(ア、イ、ウ)=(2、7、6)(4、4、7)(6、1、8)ということです。
(答え)3通り
(例題6)
50円、80円、100円の消しゴムを合わせて30個買って、2500円払いました。どれも必ず1個は買ったとして、次の問いに答えなさい。
(1)100円の消しゴムを最も多く勝った時、50円の消しゴムは何個買いましたか。
(2)買い方は全部で何通りありますか。
(解説と解答)
(1)
50円の消しゴムを30個買うと、2500-50×30=1000円不足します。
80円の消しゴムの数をア、100円の消しゴムをイとすると
80円-50円=30円、100円-50円=50円より、
30×ア+50×イ=1000円となります。
下図の通り、オレンジ色の面積が1000円です。
1000÷50=20、30円と50円の最小公倍数は150円ですから、150÷50=3 150÷30=5より50円を3個減らして、30円を5個ふやせばいいので、
(ア、イ)=(0、20)(5、17)(10、14)(15、11)(20、8)(25、5)(30、2)ですが、(25、5)(30、2)は合計30個以上になっているので、あてはまりません。
以上からイが一番大きいのは17ですから、その時の50円の個数は30-17-5=8個です。
(答え)8個
(2)
(50円、80円、100円)=(8、5、17)(6、10、14)(4、15、11)(2、20、8)から4通りです。
(答え)4通り
例題5と例題6は似たような問題ですが、面積図の使い方を変えてみました。どちらでやってもかまいません。
大事なことは、柔軟に使いまわせることですから、両方で解けるようにしておきましょう。
入試は、きれいに解ける問題ばかりではありません。多少なりとも作業をして、範囲を絞りこんだり、整数条件に眼を付けてしぼりこんだりします。作業のていねいさは大事な資質ですから、あわてず確実に解いていきましょう。
以下のプリントもお役立ていただければと思います。
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