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気体や水溶液に関する問題

2024年女子学院の問題です。

1 次の気体A~Eに関する以下の問いに答えよ。
  A 酸素     B 塩化水素     C 水素     D アンモニア     E 二酸化炭素
(1)次の①~③にあてはまる気体を、A~Eから選びなさい。
   ① 空気中でどんな物質を燃やしたときでも、燃やした前後で量が変わる気体
   ② においがある気体
   ③ 水溶液を赤色リトマス紙につけると青色に変える気体

(2)A~Eの気体がそれぞれ入っているびんがある。二酸化炭素がどれに入っているかを調べる方法とその結果を合わせて答えなさい。

(3)二酸化炭素は水よりも水酸化ナトリウム水溶液に多く溶ける。このことと原因が最も似ている現象を次のア~エから選びなさい。
   ア ミョウバンは、水温を上げた方が水に多く溶ける。
   イ 室温では、同量の水にミョウバンより食塩の方が多く溶ける。
   ウ 鉄は、水には溶けないが塩酸には溶ける。
   エ ニ酸化炭素は、水温を下げた方が水に多く溶ける。

2 
うすい塩酸5㎝3に液Aを1滴加えた後、ピペットを使ってうすいアンモニア水を0.5cm3ずつ加え、液の色が青色に変わったときのアンモニア水の体積を調べた。
(1)液Aは何か、次のア~エから選びなさい。
   ア 紫キャベツ液     イ BTB液     ウ ヨウ素液     エ 水酸化ナトリウム水溶液

(2)ピペットの使い方として正しいものを次のア~エから選びなさい。
   ア ピペットを使うときにはゴム球の部分だけを持つ。
   イ ピペットの先をとりたい液に入れてゴム球を押して、ゴム球への力をゆるめ、液をゆっくり吸い上げる。
   ウ 必要な量をはかりとれたら、ゴム球への力を少しゆるめて別の容器まで移動し、ゴム球を押して液を容器に注ぐ。
   エ ピペットを使い終わったら、ゴム球を下にして立てて置くか、バットなどに横向きに置く。

 (3)様々な体積のうすい塩酸を用意して上と同じ実験を行った。うすい塩酸の体積を横軸、色が変わったときのアンモニア水の体積を縦軸にしたときのグラフを次のア~エから選びなさい。

(4)うすい塩酸の体積は変えずに、様々な濃さのアンモニア水を用意して上と同じ実験を行った。アンモニア水の濃さを横軸、色が変わったときのアンモニア水の体積を縦軸にしたときのグラフを(3)のア~エから選びなさい。

(5)うすい塩酸にうすいアンモニア水を加えた液を蒸発皿にとって加熱すると、白色の固体が残る。
 そこで、うすい塩酸30 cm3 を入れたA~Eの5つのビーカーに、異なる体積のうすいアンモニア水を加え、この液を加熱した。
 加えたアンモニア水の体積と加熱後に残った固体の重さは下の表のようになった。

①表のア、イにあてはまる固体の重さは何gですか。
②うすい塩酸10cm3 で白色の固体を最大量つくるには、うすいアンモニア水を少なくとも何cm3加えたらよいですか。

【解説と解答】


(1)
①空気中でものを燃やせば、酸素は必ず減ります。
②匂いがあるのは塩化水素とアンモニア。
③アルカリ性はアンモニア。
(答え)
① A ② B,D ③ D

(2)二酸化炭素は石灰水に反応して白くにごります。
(答え)石灰水を入れてよくふると,白くにごる。

(3)酸性やアルカリ性のものによく溶ける性質になるので、ウ。
(答え)ウ


(1)青色に変わったのでBTB溶液。
(答え)イ
(2)ゴム球は押したまま、とりたい液にいれます。はかりとれたら、ゴム球をゆるめて別の容器まで移動し、そのあと、ゴム球を押して液を容器に注ぎます。
(答え)ウ
(3)塩酸の体積が多ければ、アンモニア水も多く必要で、比例関係です。
(答え)ア
(4)アンモニアの濃さと中和に必要なアンモニアの体積は反比例します。
(答え)エ
(5)
①アはアンモニアがないので、固体は残りません。10cm3あたり、0.75g増えて、1.80gになるのは、1,80÷0,75=2.4から10×2.4=24cm3のときに中和します。
したがって20cm3は0,75×2=1.50
②実験の3分の1の量ですから24÷3=8
(答え)① ア 0 イ1.50 ② 8


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気体に関する問題

2024年早稲田中学の問題です。

水素と酸素を混合した気体に火をつけると、それぞれが反応して水ができます。水素と酸素は必ず一定の割合で反応して、液体の水を生じます。

図1のような装置を用意し、水素50cm3を入れた筒に、さまざまな体積の酸素を混合して点火し、容器内に残る気体の体積を調べる実験をしました。点火すると、筒の中の水素と酸素が反応して気体の体積が減り、水面が上がりました。加えた酸素と反応後に残った気体の体積の関係は、図2のようになりました。また、反応によって生じる水の重さは、図3のようになります。

問1 水素100cm3と酸素70cm3を混合した気体に点火すると、反応後に残る気体は何か。
問2 酸素50cm3を入れた筒にさまざまな体積の水素を加えて反応させたときの、加えた水素と反応後に残った気体の体積を表すグラフを、解答らんに合うように図示せよ。

次に、水素、酸素、窒素を混合した気体に点火し、残る気体の体積を調べる実験A~Dを行ったところ、以下の表のような結果が得られました。

問3 水素40cm3、酸素40cm3、窒素20cm3を混合した気体に点火すると、反応後に残る気体は何cm3 か。
問4 水素50cm3と空気50cm3を混合した気体に点火すると、反応後に気体が68.8cm3残った。空気に は酸素と窒素のみがふくまれているとすると、空気中にふくまれる酸素の体積の割合は何%か。
問5 表中の実験A~Dのうち、反応によって生じた水の重さが等しいものを2つ選び、記号で答えよ。

【解説と解答】
問1 水素50cm3に対して酸素25cm3が反応しています。したがって水素が100cm3であれば、酸素は50cm3反応するので、反応後に残る気体は酸素です。
(答え)酸素

問2 酸素が50cm3入っているので、水素が0cm3であれば、そのまま残ります。
水素を60cm3入れれば、酸素が30cm3使われるので、酸素は20cm3残ります。したがってグラフは以下のようになります。

問3 水素:酸素=2:1で化合し、窒素はそのまま残ります。
酸素20cm3と窒素20cm3が残るので、残った気体は40cm3です。
(答え)40cm3

問4
水素が全部化合していると、酸素が25cm3使われて、空気は25cm3しか残っていないので、68.8cm3の中に水素が含まれていることがわかります。
使われた水素を【2】cm3、酸素を【1】cm3とすると
【2】+【1】=100−68.8=31。2 したがって、酸素は31.2÷3=10.4cm3
10.4÷50×100=20.8%
(答え)20.8%

問5
酸素がすべて使われて、水素が40cm3あればよいので、AとC
(答え)A、C


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水溶液に関する問題 ー2024年 開成ー

2024年開成中学の問題です。

Ⅰ 5種類の水溶液A~Eを試験管に用意して実験1~実験3を行いました。これらの水
 溶液は、以下の6つのいずれかであることがわかっています。

アンモニア水 ・  塩酸  ・  重そう水 ・ 食塩水 ・ 石灰水 ・ 炭酸水

実験1 水溶液を蒸発皿に入れ、加熱して水を蒸発させると、水溶液B、C、Dでは白い固体が残りましたが、水溶液A、Eでは何も残りませんでした。
実験2 においをかぐと、においがあったのはAだけでした。
実験3 水溶液A、Eは青色リトマス紙を赤色に、水溶液B、Cは赤色リトマス紙を青色に変えましたが、水溶液Dでは、リトマス紙の色の変化はありませんでした。

問1 水溶液Eの名前を答えなさい。

問2 水溶液Aの名前を答えなさい。

問3 水溶液A~Eをすべて特定するためには、少なくともあと1つの実験をする必要があります。その実験として最も適切なものを、次のア~エの中から1つ選び、記号で答えなさい。
 ア BTB溶液を水溶液に加えてみる。
 イ 二酸化炭素を水溶液にふきこんでみる。
 ウ 実験1で得られた白い固体に磁石を近づけてみる。
 エ 実験1で得られた白い固体が電気を通すか調べてみる。

Ⅱ 水溶液の酸性・中性・アルカリ性を知る方法はリトマス紙やBTB溶液以外にも複数あり、例えば、ムラサキキャベツにふくまれるアントシアニンという、多様な色を示す色素を利用する方法もあります。さらに複数の色素をしみこませた万能試験紙(図1)を使うことで、酸性やアルカリ性の「強さ」を調べることができます。強さはpHで表し、中性を7とし、多くの水溶液は0から14までの数値で表されます。数値が7から小さくなるほど強い酸性、大きくなるほど強いアルカリ性であることを示しています。
 ここでは医薬品にも使われるほう酸と、果実などに入っているクエン酸に注目し、万能試験紙を使って、実験4~実験7を行いました。

実験4 ほう酸を25℃の水80gにとかしたところ、4.0gまでとけました。ガラス棒の先を使って、この水溶液を万能試験紙につけたところ、万能試験紙の色が変わりました。色が変わった万能試験紙と見本を図2のように比べたところ、pHは5程度であることがわかりました。この水溶液を50℃まで温めたところ、ほう酸はさらに4.8gとけました。

実験5 クエン酸についても実験4と同様に、25℃の水80gにとかしたところ、60gまでとけました。水溶液のpHは、クエン酸を水80gに4.0gとかした時点で2程度になり、最終的に60gをとかしたとき、pHは1程度になりました。

実験6 実験4で得られたpHが5程度のほう酸水溶液にスチールウールを入れたところ、あわは発生しませんでした。一方、実験5で得られたpHが1程度のクエン酸水溶液では、あわが発生しました。

実験7 ほかの酸の水溶液についても酸性の強さを調べました。市販の酢では、pHは2~3程度でした。実験室にあった濃度3%の塩酸では、pHは0~1程度でした。

問4 実験4の結果より、ほう酸は50℃の水100gに何gとけることがわかりますか。ただし、答えが整数にならない場合は、小数第1位を四捨五入して整数で答えなさい。

問5 50℃の水100gにほう酸を7.0gとかしました。この水溶液を25℃まで冷やしたとき、水を何g追加すれば、25℃でほう酸をとかしきることができますか。25℃の水にほう酸がとける限界の量は実験4の結果から判断して答えなさい。ただし、答えが整数にならない場合は、小数第1位を四捨五入して整数で答えなさい。

問6 実験4~実験7の結果から言えることとして、正しいものを、次のア~オの中からすべて選び、記号で答えなさい。
 ア 25℃の水にほう酸をできるだけとかしたとき、その水溶液の酸性は市販の酢より強くなる。
 イ クエン酸の水溶液は水でうすめると、その酸性の強さは弱くなる。
 ウ クエン酸が水にとけた重さと、pHの7からの変化量の間には比例の関係かおる。
 エ 市販の酢の中にスチールウールを入れると、あわが発生する。
 オ 酸をとかした水溶液の濃度が同じであっても、ほう酸やクエン酸といった酸の種類が異なれば、水溶液の酸性の強さが同じになるとは限らない。

【解説と解答】
問1 A、Eは蒸発させて何も残らないので、気体か液体を溶質とする水溶液です。Aににおいがあることから、アンモニアか塩酸とわかるので、Eは炭酸水。炭酸水は二酸化炭素が溶けています。
(答え)炭酸水

問2 問1からAはアンモニア水か塩酸ですが、Aは青色リトマス紙を赤色にしたので、酸性ですから、塩酸。
(答え)塩酸

問3 残る固体が溶けた水溶液はB、C、Dで、重そう水、食塩水、石灰水になります。BとCがアルカリ性であることから、Dは食塩水とわかります。そうなると、重そう水か、石灰水を決める実験になるので、石灰水は二酸化炭素を吹き込めば白くにごります。
(答え)イ

問4 ほう酸は25℃の水80gに4.0g溶け、50℃の水にさらに4.8g溶けたので合計8.8g溶けました。80gの水に8.8gですから、100gの水には11.0g溶けます。
(答え)11.0g

問5 25℃、100gの水にホウ酸は4.0÷80×100=5.0gしか溶けません。したがって、7.0gを溶かすにも、7.0÷5.0×100=140gの水が必要になるので、必要な水は40gです。
(答え)40g

問6 
ア 市販のお酢のpHは2~3程度。25℃の水に、できるだけほう酸を溶かしたとき、pHは5程度なので、お酢の方が酸性が強いことがわかります。
イ クエン酸を水80gに4.0g溶かしたらpHは2、60g溶かしたらpH1になっているので、水で薄めれば酸性は弱くなります。したがってこれは○。
ウ クエン酸が溶ける量には限界があるので、比例関係にはなりません。
エ スチールウールが反応するのはpH1程度なので、お酢では反応しません。
オ 濃度が同じでも、pHに違いが出るので、酸性の強さが同じになりません。これは○。
(答え)イ、オ



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