月別アーカイブ: 2012年5月

第29回 効率化のカギ

■ この時期は、カリキュラムを理解することに追われやすい時期です。

■ 毎週、毎週いろいろなカリキュラムが出てきて、とにかくそれをマスターすることにとらわれてしまう。問題をこなすことに忙殺され、覚えることに四苦八苦する、ということになってしまう可能性があるでしょう。

■ しかし、本当に全部やらなければいけないのか。

■ 大手の受験塾の先生たちと話をしてみると、「どこを受けても大丈夫なように鍛える」という返事が返ってきます。まあ、そういう考え方はあるでしょう。できる子ならば。しかし、それがすべての子にあてはまるわけではありません。そして、私にはやはり無駄な勉強に思えてしまう。

■ 中学受験は、独自入試です。すべての学校が自分たちの入試問題を作る。だから、そこにとりたい生徒像があり、必要だと思われる資質があるから、問題が学校ごとに違います。これが学校別傾向です。レポートの多い学校は記述を出したいと思うだろうし、バランスの良い子がほしいと思う学校は、多くのテーマから少しずつ問題を出す。だから「どこを受けても大丈夫」というのにば「莫大なエネルギー」が必要になると思うのです。

■ 私は「基礎を固めて、応用の枝葉は学校別傾向で伸ばす」という勉強法を推奨しています。受験勉強は「合格するために」やるのだから、「出るものをやる」のが一番です。

■ だからお父さん、お母さんが志望校の傾向を知って、「あ、ここはまあ、できなくてもいいや」とか「ここはもう少しがんばらないといけないかな」という判断をしてあげることが大事なのです。そうすれば必然、優先順位が生まれてきて、取捨選択ができる。

■ 捨てるものがあることは、効率を上げることになるのです。この時期、カリキュラムに追われることが多いのだから、一方でそういう見方をしておくことも大事ではないでしょうか。

■ 土台、中学受験の範囲は広いのです。普通の学校のカリキュラムで言えば中2ぐらいまではあるので、それをこなすのは大変。だからこそ、効率化することは大事だと私は思うのです。

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違いを知る

私立に行くと、いろいろな子がいることがわかります。

息子の中学の同級生は、Jリーグの選手になった。いや、珍しいでしょう。きっと。しかし、そのくらいの実力があるならば、やった方がいいに決まっている。ここまでのレベルではないにしろ、足が速い子がいて、絵のうまい子がいて、文章を書くのが好きな子がいて、背の高い子がいて。まあ、いろいろ。

で、入試を経ているから、入学したときの学力は似たようなものかもしれません。しかし、その後はぐっと変わってくる。以前補欠で合格しても心配はいらないというお話をしたと思いますが、そのあとの心がけでいくらでも成績は伸ばせるのです。

どうも人は、人間の能力を固定的に考えやすい。こんな話を聞いたことがあります。

大人虎変、君子豹変。

君子豹変はあまり良い意味でつかわれないが、実は虎にしても豹にしても一気に毛が抜け替わる、というところが来ているのだというのです。だから、大人や君子は一気に変わることがある。つまり成長する、鮮やかに変わるということができるということなのです。

子どもたちも中高の6年間でずいぶん成長する。小学生で教えて、中学や高校になって会うと、全然違う。お、変わったな、と思うことがあります。

で、なぜ変わるのか、といえば違いを知るからです。

人を知って、自分がわかる、ということがある。

自分はどういう人間なのか。何が好きで、何が得意で、何におもしろさを感じるのか。

そうすると、自分の進むべき道がだんだん見えてくるのでしょう。ここに6年という受験に寸断されない時間がプラスされるというのは、なかなか魅力的なことです。

もし事情が許すのなら、中学受験をしてみてはどうか、と私が考える一番の理由はここにあります。

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公立中学選択制

今、多くの公立中学はどこへ行くか選択できるようになりました。

どうして、こういうことが起こったのか、というとやはり公立中学というところは、公平ということを考える。みんな同じにやろう。ところが、それでマンネリ化する。学校の現場にも競争原理を働かせないと、学校が良くならないのではないか。

とそう考えた首長たちが、学校選択制に踏み切ったのです。本来、公立学校は教育委員会が通学区を決定することになっているが、1997年に文部省が「通学区域制度の弾力的運用について」という通知を出し、柔軟に対応してよし、ということになり、2000年の品川区を皮切りに、公立中学を選べるようになったわけです。

これを聞いたとき、要はリストラだなあ、と思いました。

競争原理を働かせれば、結局勝者と敗者がでるわけで、敗者は必要なくなるわけだから、廃止する。予算が限られている以上、少子化になれば学校の数は減らさないといけないわけで、選択制を導入することで、どの学校を閉鎖するか、決めるんだろうなあ、と私は思っておりました。

実際に、選択制になることで、人気が出る公立中学とそうではない中学に分かれたわけですが、しかし、ここでまた競争原理が働くことになりました。

つまり、人気が出る公立中学では内申が取れない、ということなのです。

今は相対評価ではありませんが、それでもできる子どもたちが集まれば、良い点数は取りにくくなるのは道理で、それならば「人気のない公立中学」を選んだ方が良いのではないか、というような話も聞こえてきました。

杉並区は2016年に選択制を廃止する方向で検討に入ったようですが、今後も見直しを余儀なくされるかもしれません。

公立中学は本来、地域のコミュニティを中心に存在するものなので、ここに競争原理を持ち込んだときに、当然、いろいろな問題が新たに生まれることにはなります。

しかし、制度が変わる、ということになれば、やはり考えておかないといけない。

現在の東京都23区の実施状況はこんな感じだそうです。

東京都発表資料

選択制でないと、もう行く公立は決まるので、あまり考えなくても良い話ではあるのですが。

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