月別アーカイブ: 2009年8月

塾との距離感

    私は中学受験第一次ブームのころ、100人の授業をしました。
    100人って、今の塾では考えられないでしょう。1クラスに100人入っているのです。その頃、200人ぐらいの担任を持っていたのではないかと思います。勢い、進路面談のときなんかはもう、大変で、朝から授業開始までずーっと面談というのが数週間続きました。
    そのとき、あるお母さんが
    「先生、うちの子、この子です。」
    と写真を持ってこられたことがあります。
    これは結構、こたえましたね。さすがに6年生ですからわかるのですが、お母さんからすれば
    「うちの子、わかってもらっていないかもしれない」
    と思われている。 塾との距離感が遠いわけです。
    まあ、そこからクラス分けをしたり、いろいろありましたが、なぜ100人であったかと言えば、毎年、学校別特訓は全員自分でみる、という意識が強かったからです。学校別がほとんどない時代のことですから、地方からも授業にこられるわけで、そこは「自分が教えなきゃダメだ」みたいな感じになっていたのだと思いますね。
    で、最近はそういう塾はまるっきりないのは、良いことなのですが、しかし、家庭と塾の距離感というと、また話は違ってくる。
    ご父母のブログなんかをたまに読ませていただくのですが、先生との面談の話があまり出てこない。まあ、多分みなさんが通っている塾は大手だから、システム化されているのだと思いますが、私が知っているいわゆる地元塾はもっと家庭との距離が近い。
    指導している先生と保護者の方がよく話し込んでいる、何かあると電話で話している、というのがしょっちゅうでしょう。で、特に指導している先生との距離感は私は非常に大事だと思うのです。
    何か疑問がある、ちょっと困ったことがある、もちろんご家庭で話し合うことで解決する場合も多いでしょう。しかし、すぐ先生に相談する、電話をかける、ということで解決できることも多いのです。
    特に受験が近づくにつれ、子どもたちにはプレッシャーがかかる。と、いろいろ問題が出てきます。成績がさがるのもあるし、勉強しなくなったりもする。まあ、そういうことは一過性のものといえなくもないですが、長引くと受験にならなくなってくる場合もある。だから、手は打っておいた方がいいに決まっている。お母さんが塾の先生に相談してくれるということは、塾の先生にとってもありがたいことなんです。
    家庭での様子は見えないわけですから、情報が増えるということは、子どもたちに話しかける内容もいろいろ工夫できる。
    だから、秋からはぜひ指導する先生との距離をつめて、どんどん相談してください。このときのために月謝は払っている、と思っていただいていいのですから。

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第65回 予習する方がいいに決まっているが・・・

    5年生は秋にひとつの山がきます。
    算数にしても、理科にしても、なかなかテーマが難しくなる。
    今、私の教室では予習をしていますが、その予習のクラスを予習してくる子どもたちがほとんどです。
    しかし、多くの塾は復習型を標榜します。予習させないために、たくさんの宿題を出すところもある。なぜ塾は予習を否定しがちなのか。
    (1)授業がやりにくい
    ベテランの先生なら、まあ、いろいろ対応があるでしょうが、初めて勉強する子と予習してきた子では当然違いがある。予習してきた子は
    「それ、知ってる」
    などという顔をするし、発言もするでしょう。そうなると、よくわかっていない子にはもっとていねいに教えていかなければいけないが、予習してきた子は「もう、わかったから次に行こうよ」という顔になる。だからやりにくい。まだ、全員が一線に揃っていた方がやりやすいというわけですね。
    しかし、よく考えてみると、この論理は少しおかしい。わかる子が増えた方がいいのに、それに逆行している面があるわけです。
    (2)保護者の負担をなくす
    予習型にすると、当然、保護者の負担が増えます。わからないことが多くなると、勢いお父さん、お母さんに「教えて!」ということになる。せっかく塾代も払っているのに、なぜ私が教えなければいけないの!と言われたくない塾は、予習を制限することになるのです。
    予習と復習、どちらが大事と言えば復習です。一度習ったことを、しっかり身につける、この優先順位の方が高いでしょう。しかしわかるためには、予習をしておいた方がいい。例えば、予習シリーズのようにカリキュラムがはっきりしていて、テキストも明確にあるのだったら、予習をした方が後の勉強が楽になるに決まっているのです。
    そこで、復習型の塾は、それを徹底するために、カリキュラムを明らかにしない。テーマはわかっているが、やや漠然としている。授業が始まって、こういう内容だとわかる。そうなると、そこでわかる子が有利になる。そこでわからない子は、厳しくなるのです。
    私はカリキュラムは公開されるべきだし、できれば予習教材がある方がいろいろな勉強法ができるので、より柔軟だと思うのです。確かに保護者の方に負担があるというのはわかります。ただ、そういう過程もないと、最終的に自分で勉強するようにはならないし、むしろ塾に通う部分を家庭学習に回す方が健全ではなかろうかと思うのです。
    「塾でやらせますから、とにかく塾に来させてください。」
    という先生が多くなりました。ただ子どもが自分で理解するということが勉強の本質であるとすると、この方法に私は違和感を感じるのですが。

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第22回 「塾に行かない」よりも「塾を利用する」

    6年生後半になると、第一志望も決まり、いよいよ受験体制ということになると思います。
    今まで、家で勉強していたご家庭も、そろそろ塾を考えないといけないのではないか?と不安になる場合があるかもしれませんね。確かに早い時期から、塾に週何日も通うというのは、ちょっとと思われる方は多いでしょう。晩御飯もいっしょでないのは?と疑問を感じても不思議ではない。
    ただ、6年生最後の半年は、できれば塾に行った方が良いと私は思います。なぜか。
    1つには子どもが十分にその体制に入っているから。4年生とは違い、勉強もそこそこ進んでいるわけですし、むしろ本人は合格したいと思っているでしょう。だから塾に通うことに少なくも、抵抗感はなくなっている部分がある。
    もう1つはやはり、ライパルの存在。家庭だけでやっていると、他の子どもたちがどのくらいやっているのか、刺激が少ない。刺激が強すぎてもいけないが、いずれにしても入試で競争するわけだから、みんながどうなのか、というのは情報としては大事なところ。
    さらに、塾の情報の整理力はおおいに使っていいでしょう。模擬試験ばかりでなく、これを覚えると第一志望にはぴったりなどのノウハウはさすがに塾はよくそろえています。
    今まで行かなかったから、もう、最後まで、と意地をはる必要はない。
    受験はあくまで合格するためにやるのです。何がプラスになるか、柔軟に考える必要があります。
    私は塾に振り回されてはいけないと思う。ただ、塾を利用するというのは、大事な方法論なのです。この秋、どういう塾のどの講座を利用するか、あるいはどういう教材を使うのか、その戦略はお父さん、お母さんに任されています。
    ですから、いろいろ情報を集めて、検討しながら秋の戦略を考えてください。6年の秋は、私は塾を大いに利用すべきだと思います。

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