月別アーカイブ: 2005年12月

第35回 どんとかまえる

■受験間近になってくると、お母さんは大変不安になってきます。その一番が「落ちたらどうしよう」でしょう。不安というのは、どうしても生じるものですし、模擬試験の結果が返ってくるたびに気にしないようにとは思いつつも、ふと不安になることが多いのではないでしょうか。

■ただ、その結果としてお母さんが慌ててしまうと、あまり良い結果にはなりません。家庭教師を頼んでみたり、塾を増やしてみたり。お母さんたち同士の話が、また不安の材料になるらしく、自分もじっとしてはいられないという気になられるようです。

■ただ、お母さんのそういう姿を見て、子どもはどう思うでしょうか。「そうか、お母さんが心配しているから、僕は危ないんだ」とそう感じるかもしれません。この時期の子どもたちにはただですらプレシャーがかかります。今まで良くできた子どもたちがミスを繰り返したり、覚えていたはずの知識が出てこなかったり。これはこれで打つ手があるのですが、お母さんが慌ててしまったり、あるいはお母さんのプレッシャーでそうなる場合もあるものです。

■土台、ここまで培った力がどこかへいくはずはないのです。ですから、この時期一番集中すべきことは、持っている力を出し切ることです。模擬試験ではできなかった問題も、家に帰ればできるでしょう。つまり、元からできる力を持っているのです。ただ、それが試験会場でできないのは、当たり前ですが心理的な問題なのです。

■ですから、お母さんがこの時期やらなければいけないことは2つです。1つは子どもの健康管理。そしてもうひとつが「どんとかまえること」です。「私の子どもだから何とかする」そう信じていただきたいのです。このことに根拠はいりません。ただ、そう思えばいいのです。実際に不安は試験の結果が出るまでなくなりはしません。だから、その不安におびえていても仕方がないのです。むしろ試験の結果が出てから、それを最大限良い方向に持っていけばいいのだと考えてください。

■子どもたちとすれば、本当に自分の力で何とかしなければならない初めての試練かもしれません。ですから、思い切り力を出し切ってもらうことが大事なのです。その結果として、子どもたちは来年の4月に新たに中学生としてまた学校生活をスタートさせるのです。そのとき、どのような結果になってもベストルートに進んだのだと考えてあげてほしいと思います。お母さんがそんな気持ちにあふれてくると、子どもたちはちゃーんと自分の力を出してくれるでしょう。

(田中 貴)

(2005年12月22日)

第45回 差はわずか

■模擬試験の結果を見ると、1番から最後まで順位が当然のようについています。例えば3000番の人と1番の人では、相当に違うと思うかもしれませんね。でも、実はそんなに差は開いてはいないのです。さすがに一桁の順位をとっている人はなかなかすごいですが、例えば1000番と2000番の人の違いはそう大きくはないでしょう。

■1000番と2000番の人の間には1000人の人がいます。しかしその1000人は全員が自分たちの成績を上げようと勉強しています。そして中学入試の範囲はある程度決まっていますので、新たに学習することはこの時期もうなくなっています。これまで、学習してきたことを復習しているのですから、時間が経つにつれてどんどん差が縮まってきているのです。

■実際にこの数ヶ月の間に成績がずいぶん上がった人も少なくありません。その分、どんどんトップとの差が縮まっているのではないでしょうか。入試本番になると、本当に「どんぐりのせいくらべ」状態なのです。

■入学試験の結果を見せてもらうと、合格点付近には実に多くの受験生がいます。1点、2点違うだけで20番、30番違うのが入学試験なのです。だから、今の偏差値や順位に惑わされてはいけません。もう、自分はこれ以上、上がるはずがないなどと決して思ってはいけないのです。

■2月1日の入試まで残り50日。しかし、この50日を上手に使えば、さらに差は縮まっていくでしょう。私はこの時期、子どもたちに合格することだけ考えて、できる限りのことをしなさいと話をします。残り1ヶ月半くらい、テレビもマンガもほっといて、とにかく勉強する、知識を覚える、過去問を解くということに時間を費やしてください。

■最後の模擬試験から1ヶ月以上あるのです。まだまだ成績アップは可能です。そして、それに集中してきた人たちが最後に笑うのです。差はわずか、そう思って残りの50日を有意義に過ごしてほしいと思います。

(平成17年12月14日)

第34回 4・5年生のモチベーション

■新年度に向けて子どもたちが塾にやってきています。ただ、多くの子どもたちは塾に行かされている状態ではないでしょうか。「~ちゃんも行っているから、私も行く」と言い出した子どもたちも少なくありません。いずれにしても、勉強をしようとか、中学に合格しようとかいう動機はあまり見当たりません。

■こういう子どもたちに以前にもまして早くなり、分量も多くなったカリキュラムをやらせていくと、当然のことながらオーバーフローがおこります。1週間の勉強が終わらない、宿題もできない、成績も上がらない、という状況は普通におこります。

■お母さんとすれば、何とかしなければ、という気持ちになるのは当然でしょう。「勉強しなさい」と半ば怒りながら、子どもの横について勉強させようとするお母さんは少なくありません。しかし、土台まだモチベーションができていない子どもたちにとっては苦痛以外の何ものでもないのです。

■「そんなにやらないのなら、塾なんかやめてしまいなさい」といえば、多くの子どもたちは「やめない」というでしょう。だって子どもたちはお母さんがそんなことを望んでいないのは百も承知だからです。でも、勉強はなかなかできないでしょう。「頭の中ではわかっていても実際の行動に移せない」これはやはり子どもたちが幼いからです。

■私は4、5年生のうちは、とにかく楽しく勉強してもらうこと、基本をていねいに勉強し、今できることだけに集中してもらっています。高校受験や大学受験と違い、子どもたちは夜遅くまで勉強することはできません。その分受験準備が長くなっているわけですが、一方で最初からやりすぎてしまうと、勉強することがいやになってしまうことが少なくないからです。

■5年生の後半ぐらいから志望校がだんだん絞られてきて、ようやく子どもたちの動機ができ始めてきます。だからといって、本気で勉強し始めるのは6年生の後半であることがほとんど。ただ、この時期はさすがにみんな真剣ですから、それなりに伸びていくものです。伸ばすべきときに伸ばす、このことをしっかり頭の中に入れて、4・5年生のうちは結果をあせることなく、なるべく楽しく勉強できるように心がけてください。

(田中 貴)

(2005年12月14日)