日別アーカイブ: 2004年12月1日

中学受験、合格して失敗する子、不合格でも成功する子

平成14年1月10日初版 
中学受験、合格して失敗する子、不合格でも成功する子
講談社

中学受験で一番いいのは、一生懸命がんばって落ちること、
2番目は一生懸命がんばって合格すること、
その次が、がんばらないで落ちること
最悪なのは、がんばらないで合格すること

もちろん受験するのですから、合格するのにこしたことはありません。
けれども、やはりそれは努力によって培われたものであることが、一番
子どものこれからの成長につながるものだと思います。一生懸命がんば
ったけれども、自分の努力で通じないことがあったということを、子ど
ものうちから知るということも、これはこれで大変貴重な経験なのです。
(まえがきから)

第20回 大学全入時代

■2007年度に大学の志願者数と入学者数が均衡するそうです。大学を選ばなければ全員が大学にいけるということになるわけですが、今でも定員割れをする大学はありますから、もはや大学全入時代になったと言っていいでしょう。先日、ある大学予備校の先生と話をした時、その先生は「今は中3の勉強がある程度できる生徒であれば、大学には入れる」と断言していました。実際、その通りなのかもしれません。

■高校がほぼ全員入れるようになったとき、急速に高校から退学者が増え始めました。高校の学習についていけない生徒が多数いたからです。本来、高校での学習はそれなりに専門性を持ち始めます。しかも最近は義務教育においてカリキュラムをどんどん削減して高等学校にまわしてしまったので、高校の勉強についていけないという生徒がたくさん出ても仕方がないのです。

■ところが、今後これがより高等教育に進む大学で起こるのです。大学では、高校での学習がしっかりできていない生徒に対して再履修指導を行うまでになっているのですが、それでも本来必要な単位を取れない学生が増える可能性があります。

■大学としては多くの留年者を出すわけにはいかないので、単位取得についてある程度緩和する以外に道がないでしょう。しかし、学生は現在でも、勉強に対して大きなストレスを感じているのだそうです。大学生というと、あまり勉強しないでアルバイトしたり、遊んだりしているというイメージが強いのですが、大阪大学の調査によれば、以前に比べてかなり長く勉強をしています。

■にもかかわらず、勉強がわからない、勉強の仕方がわからないという学生が少なくないのです。日本の学生の学力低下が言われていますが、大学で学習する学生のレベルが非常に幅が広くなり、大学自体が提供する教育の内容を吟味しなければならなくなっているのです。一方でまだ学歴に対する意識は大きく、大学は卒業しなければと思う学生は少なくありません。したがって最近の大学生は、学習に対するストレスが以前に比べて格段に大きくなっているのかもしれません。

■経済水準が上がり、大学教育を受ける人の数が増えてきたわけですが、一方で小学校高学年から中学にかけての学習内容を削減し、高校や大学でできない学生をたくさん輩出してしまうことは、やはり大きな問題なのではないかと思います。現政権が、この状況に目をつぶってしまうと大きな国力の損失を招くのではないでしょうか。

(平成16年12月1日)

たくさん教えてもできるようにはならない

田中貴です。

例えば6年生も受験間近になると週5日塾に行っている子が出てきます。加えて個別指導、家庭教師・・・、かかる経費はうなぎのぼりでしょう。でも、たくさん教えてもできるようにはならないというのが、私の実感です。

子どもは自分で勉強すれば、できるようになる!

あるいは

子どもは自分で考えるようになれば、できるようになる!

と思うのです。

最近は子どもの数が少なくなり、一人っ子の家庭が半数近くになってきました。お父さんは帰ってくるのが遅いので、ほぼ終日、母と子が1対1。お母さんは何とか子どもを勉強させようと、なだめ、すかし、怒りの繰り返し。だんだん、自分のやることがいやになって、個別指導や塾の回数が増えてくるのです。

ただ、個別指導や塾の回数を増やしたからといって、子どもが自分で考えなかったら、できるようにはなりません。
宮本さんが著書「強育論」で言っているのはそのことで、私もまったく同感。
特に算数は自分で考えなければ、できるようにはなりません。ところが塾にしろ、個別指導にしろどんどん解き方を教えられてしまう。もちろん、そういうことも大事でしょうが、しかし、そればっかりになって自分で考えなければ、進歩は小さいのです。

だから与えすぎない。むしろ、子どもが好んで算数の問題を解く、おもしろいと思って国語の文章を読むようにしないといけないのです。

自分で勉強ができるようにする、このことはまず中学受験の過程で、子どもが身につけることのできる大きな成果だと思うのです。

自学自習のくせをつけましょう。