2014年受験に向けて」カテゴリーアーカイブ

帰国子女入試

今から20年ほど前は、帰国子女の入試はほとんどありませんでした。

海外で受験準備はなかなか難しかった。だいたい、日本人学校が海外では少ない時期です。多くの子どもたちが現地校に通う。だから現地のことばを勉強するのがまず最初。中学受験の準備なんてままならない。だから合格するのは大変難しかったのです。

しかし、だんだん学校側が帰国子女の入試を行ってくれるようになりました。

帰国子女の枠をつくった理由は大きく分けて3つあります。

1 英語ができる。

帰国子女が英語ができるとは限らないが、英語ができるなら、大学入試の戦力になるのは間違いないので、他の教科は学校で鍛えれば良いと考えて帰国子女入試をする。

2 いろいろなキャリアの子を入れる。

日本国内で、塾を中心に勉強した子ばかりだと単一化してしまう。いろいろな個性がいれば、子ども同士で影響が大きくなる。

3 枠を埋める

日本国内でなかなか埋まらないので、特別枠を設けて受け入れてしまおう。

ということであったのですが、結局1と2が大きい。特に2は、学校のスクールカラーを多様化させました。慶應湘南、渋谷渋谷などはその好例かもしれません。

この過程で帰国子女の枠を止めてしまう学校もありました。英語の能力がばらばらで対応できない、とか。あるいは国内生と比べれば自由な発想をする子どもたちを管理できないとか。逆にそれを乗り越えてきた学校は帰国子女の対応がしっかりできるノウハウを身につけているので、今は安心して預けられるでしょう。

海外の事情も変わってきました。まず、海外に日本人向けの塾ができた。これはいろいろな都市で見かけます。勿論田舎にはあまりない。大都市ばかりではあるものの、こういうところで受験勉強ができるようになった。インターネットでも動画で勉強できるので、間違いなく便利になったでしょう。

一方。企業側では受験期の子どもを持つ親に対しては赴任させない傾向が出てきました。もしくは単身赴任。家族の行き帰りの費用を考えると、家族で行く赴任はなるべく子どもが小さいうちがいい、と人事部が考えてるのでしょう。だから、帰国子女入試の人数はここのところ、それほど増えていない。

ただ、英語ができるのであれば、無理して中学受験をする必要がないのは事実です。高校受験の場合、私立は英語、数学、国語。数学も大きいが、実は英語も差が出ます。だから私立の帰国枠で受けず、一般枠で受けた方が有利な場合もあります。海外に赴任すると日本人のコミュニティーの力が強く、何となく「受験しなきゃいけないのではないか」と思いがちなのですが、せっかく海外体験ができるのだから、もう少し他の可能性も考えていった方が良いでしょう。

東大も秋入学を決めているので、これから大学は世界レベルで選ぶ時代になっていくかもしれません。そうなると、大学入試もまたいろいろな方法がありますから、まずは現状を良く調べて、中学で戻るのかを考えた方が良いでしょう。

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公立一貫校は人気です。

公立一貫校が人気を集めています。その理由を考えてみると

1 公立ですから月謝が安い。
多少ばらつきはあるものの、初年度20万円未満という学校も多いので、経済的負担は私立に比べて明らかに低いでしょう。

2 そこそこ大学の合格実績が出始めている。
白鷗高校の1期生が11年春に卒業。この中から5人の東大合格者が出て、さらに各学校で比較的良い合格実績が続いています。

3 準備期間が短い。
私立の中学入試と違うのは、学力テストであるということ。つまり、細かい知識が求められるのではありません。PISA型といってもいいでしょうが、したがってそれほど長い準備期間は要らない。また、細かいことが多くはないので1週間にそう何回も塾に行かなくていい。だから私立の対策に比べて負担が少ない。塾の費用も半額ぐらいにおさえられる。

だから、まあ、人気が出ても仕方がない面はあります。

ただ、すごい倍率になっているのも事実。

東京都でいえば、学校数が10校に増えた10年春から志願者数は1万人前後で推移しています。定員は10校合計で約1400人。倍率はここ数年、7倍台ですから、御三家の倍ぐらいにはなっているわけです。

で、私立受験組が2月3日に公立一貫校を受ける流れも出てきたそうで、ますます厳しくはなっている。一方私立は受験者が減少することになるので、ここにきて公立と同じPISA型の入試を行うところも出てきました。

これだと、私立対策をしなくとも、公立と併願できる。実際、公立一貫と併願できる学校は今までなかったので、公立一貫の受験はそこが弱点といえば弱点だったのですが、私立が入試を変えれば、また選択肢も広がるわけでしょう。

これまでは私立へ、という流れが強かったものの、ゆとり教育は終わり、公立一貫もあり、また公立高校の大学受験実績も回復の兆しを見せているので、選択肢は広がりました。

しっかり、いろいろな情報を集めてお子さんに合った方向性を考えてあげてください。

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早く塾に行くよりも

成績の悪い子にとって、勉強は苦痛です。

「途中でいやになっちゃう」
「わからないから、時間ばかりかかっちゃうし」

そうでしょう。
だから、勉強が面白くないし、やりたくもない。

私はゲームが得意ではない。あんな小さな画面でものを追うのはいやだし、手が子どもたちみたいにそんなに動かない。だからやりたいとも思わない。

でも、子どもたちは夢中でやっています。
「楽しい。」
と感じているでしょう。ただ、私のようにできないのではない。基本的には「できる」から楽しいのです。

勉強が楽しくなるためには、「できない」といけない。

しかし、今の4・5年生は早くから塾に行き、すぐ組み分けテストが始まり、毎月その結果で席の移動もクラスの昇降もあるわけだから、実は「できる」と思っている子の方が圧倒的に少ない。

ここに今の子どもたちの危うさがある、と思っています。

中学受験は子どもの成長に個人差がある。だから、自立してない子にとって決められたことをやること自体が難しいし、しかし結果はつきつけられるから、勉強を楽しく感じられる場面はあまりないでしょう。

結果として自信を失い、やる気を失って、受験にならなくなることが多いのです。

別にカリキュラムについていけなくてもよい。ただ、勉強はおもしろいものだ、勉強は自分でやるものだ、ということが身についていく方がクラス分けで上位にいるよりも大事なことです。

そこに目を向けず、クラス分け対策プリントをやっても、子どもががんばるはずがありません。

だから、できることをしっかり見つけて、まずそれをやる。そして「しっかり」褒める。このプロセスを忘れてはいけません。できないことばかりを嘆くのではなく、できることに注目してあげて褒める。

そうすると子どもには少しずつ自信が芽生えるのです。早くから組み分けテストの洗礼にさらされるより、むしろまず子どもに自信をつけることの方が大事だと思います。

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