まだまだ母親講座」カテゴリーアーカイブ

第13回 夏休みに何を復習すべきか

■間もなく夏休みになります。さて夏休みは総復習の時期とよく言われますが、何を復習すればいいのでしょうか。

■1つはできなかったところ。毎週や毎月のテストの中で特に不得意だと思われるところをまずやり直していきます。ただ、保護者のみなさんからすればすべての範囲が不安要因だと思います。「とはいっても、やっぱり全部できないし」という方もいらっしゃるかもしれません。

■そこで次の視点は、入試に良くでるもの。例えばよく話題になるのが文学史。過去10年間の過去問を見て文学史が出ていなければ、これは出ないと思って間違いはないのです。このように、志望校の入試に良く出そうなものから復習していくと良いでしょう。

■いや、まだ志望校が決まっていないという方は、まず第一志望だけは絞り込んでおきましょう。受験はやはり入れたい学校があるからさせるものです。成績を上げてから志望校は考えるという方もいらっしゃいますが、そういうやり方をすると成績はあまりあがらないもの。親も子どももここに行きたいという気持ちで準備をしないと、なかなか勢いがつきません。

■夏休み前の模擬試験は、もう一度全範囲の中から何を夏休みに勉強すればいいのかをしぼりこむためになるべく受けるようにしてください。だからといって模擬試験の結果に一喜一憂してはいけません。この時期の合格可能性なんていくらでも変えられます。それより何ができないか、何を優先すべきかをしっかりと試験からつかんでいくことが大事です。

(田中 貴)

(2005年6月25日)

第12回 自分で勉強できるように

■6年生になると、もう自分で勉強を進めている子どもたちも少なくないでしょう。言われなくても机に向かう、計画をしっかり実行する、そういう子どもたちも入試が近づくにつれて増えてきます。問題は、その学習内容が充実しているか、効率よく進んでいるかという点です。

■そのためにはいいアドバイスが必要です。私がお父さんやお母さんの役割が大きいのはこの部分だと思っているのです。子どもたちは成長するにつれて、自分でいろいろなことができるようになります。しかし、その内容が充実したレベルであるかどうかはわかりません。それに、本人が勝手に思い込んでしまっている部分もあるもの。例えば本当は算数の力を伸ばさなければならないのに、社会が好きなので、社会ばっかりやってしまう。そういうバランスは、本人にはわからないケースも多いのです。

■いい例かどうかわかりませんが、例えば最近のプロゴルファーはスイングコーチがついている選手が増えてきました。かといってスイングコーチがその選手よりうまいか?といえばそうではないのです。その選手をずーっと見続けているから、「そこはおかしくなっている」「スイングが早くなっている」などのアドバイスができるのです。

■テニスプレーヤーの杉山愛選手のコーチはお母さんです。しかしお母さんはプロの選手ではありません。ただ「私はあなたのプレーをずーっと見続けてきたから、悪いと思うことはわかるわよ」ということでコーチになったそうです。お父さんやお母さんはずーっと、子どもたちの勉強を見てきているわけですから、たとえ算数の解き方を教えられなくても子どもたちが自分の力を発揮できるようにコーチングしてあげることはできるのです。

■つまり私がお父さん、お母さんがいっしょに勉強を楽しみながらやってくださいとお話しているのは、やがて自分で勉強できるように、いいコーチングをしてほしいからなのです。すでに子どもたちにはその力が備わっています。ただそれは引き出していかないと、機会を与えていかないと表に出てこないのです。中学受験はその意味では絶好の機会なので、ぜひ楽しみながら子どもたちの可能性を思い切り引き出してあげてください。

(田中 貴)

(2005年6月18日)

第11回 第一志望の過去問

■できれば夏休み前に、第一志望校の過去問を子どもたちに2年分くらいやらせておきましょう。そして、実際にどんな問題が出ているのか、どのくらいの難しさなのか、あるいはどんな傾向があるのかを調べておくことが必要です。

■最近は中学受験の難度が上がってきています。したがってすべての範囲を網羅する勉強法では目標校のレベルを突破するまでにかなりの時間や労力が必要です。しかし、ある程度目標が絞られてくると、その学校に出やすい問題を学習することで効率化を図ることができます。

■例えば文学史などは、10年間出なければまず出ないと思っていいし、逆に物語文の心情読解と記述しか出ないとなれば、そこに対策を集中さえていけばいいのです。そしてどの教科もある程度、出やすい問題の対策を突破口にして、次第にできる範囲を広げていきましょう。

■もちろん子どもたちが受験する学校は、1校だけではないので、ひとつの学校の傾向に絞るのは危険です。ただ、最初から全範囲を網羅しようとすると、行けども行けども到達しないという場合が当然考えられるので、優先順位としてはまず第一志望の頻出範囲から勉強するという勉強のやり方が効率的なのです。

■学校別の対策は秋に入ってからというのがこれまでの一般的な準備でした。しかし、入試難度があがるにつれて、やはりより効率良く学習して合格レベルに早めに達することが必要になってきています。だからといって大量の勉強をするということは、体力のない小学生には所詮大変なこと。ですから第一志望の傾向からまず勉強するという方法で、時間を上手に使ってほしいと思います。

(田中 貴)

(2005年6月11日)