まだまだ母親講座」カテゴリーアーカイブ

第16回 学校別対策とは

■学校別対策(2)

■次に、応用問題だけを出題する学校の対策についてお話したいと思います。男子御三家をはじめとして、このタイプの入試問題を最初からスラスラ解ける子はほとんどいません。まずは先週お話したコアの部分をしっかり固めることです。ただ、そればかりをやっているのではこれらの学校に対する対策はなかなかできませんので、平行して応用問題を解いていく時間を作っていくことです。

■練習する問題としては、過去に出題された問題を学習するのが一番です。ですから、過去問を夏休みから解いていくことをおすすめします。ただし、夏休み中はまだそれほど力がついているわけではありませんから、時間をはかってもなかなか満足のいく点数はとれないでしょう。

■ですから、時間をはからず1問1問ていねいに解いていきましょう。図を描いたり、グラフを書いたり、いろいろな方法を試してみることです。それでもできない場合は、解答を読み込んでいきます。そして少し、ヒントがわかったら、もう一度、自分で解きなおしてみる、それを繰り返してください。

■夏休みに10年分の過去問ができれば、上出来だと思います。そして秋になったら2回目に取り組んでください。このときは、時間を計ってみることだと思います。1度解いていますので、初見に比べれば点数がとれると思います。また秋には似た傾向の学校の入試問題もいっしょに取り組んでみると、効果があがります。演習と復習の繰り返しが大事です。できなかったら、解き方を理解する、それを丹念に積み重ねてください。ただし、問題をたくさんこなせばいいというものでもありません。むしろどれだけ深く考えられたかということで、応用力はついていきますから、問題数にこだわらず、ていねいに学習してほしいと思います。

(田中 貴)

(2005年7月16日)

第15回 学校別対策とは

■学校別対策(1)

■6年生では、夏から学校別対策を意識して勉強することになりますが、具体的にどんな対策をしなければならないでしょうか。

■学校の入試問題は大きく分けて2通りあります。基本問題から始まって応用問題まで幅広く出題をする学校と応用問題だけを出題する学校に分かれます。本来入学試験は多数いる応募者の中から合格者を決めなければならないので、差がつく結果になるように出題するものです。したがって平均点が50点前後になるようにして、やさしい問題から難しい問題まで幅広く出して受験生の力量を問う学校がほとんどです。しかし、上位校になるとやさしい問題を出したのでは全員ができてしまってあまり意味がないというので、基本的な問題はやめにして応用問題だけを出題する学校があるのです。

■この類型は算数の出題を見ているとすぐわかります。計算問題や一行問題と呼ばれる問題が最初の方に出題されていれば幅広く出題をする学校になりますし、問題数が4題前後ですべてが文章題のような出題をしている場合には後者ということがいえるでしょう。前者の場合は、したがって難しい問題ができるよりも前半の基本的な問題でミスをしないということに、まず力点が置かれるべきであるし、後者の場合は易しい問題はでないわけですから、応用問題をとにかくとけるようにするということが対策になるわけです。

■とはいっても、基本的なことが理解できていないのに応用問題をとけるはずはありません。したがってたとえ後者の出題傾向の学校を受験する場合であっても、まず夏休みは全体の基礎固めをすることが大事になります。ただ、これは基本問題を何題もこなすことではなく、出題範囲の基本は全部わかっているか、確認する程度でよいのです。実際にはそういうまとめの問題集が販売されているので、まずそれを使って確認すればいいでしょう。

(田中 貴)

(2005年7月9日)

第14回 夏休みの計画の立て方

■夏休みは約40日ありますが、その間に講習や学校行事、あるいはいろいろなイベントがあって、ふと気がつくとあまり勉強できなかったなあと思うことは多々あるものです。その意味では最初から計画をたてて、やるべきことをしぼることが大事です。

■まずどのくらい勉強できるのかを考えてみましょう。40日の間に多くの塾が25日前後の講習を組みます。お子さんがどのくらいの時間、塾の講習に行くかをまず計算してみてください。そうすると塾のある日で家で学習できる時間が5時間ぐらい。塾のない日が10時間くらいになるのではないでしょうか。>

■塾を25日とすると、5×25+10×15=275時間が家庭学習の最大値となります。もちろん、これは行かれている塾によっても違うでしょうし、講習の時間もまちまちですから、個人差はあると思いますが、いずれにしてもあまり多くはないのです。その中から塾の宿題や復習に2時間×25日=50時間とられる可能性はあるので、残りは225時間。ここからやるべきことを割り振っていきます。

■優先順位は6年生であれば、今までできなかった問題のやり直しと過去問、続いて理科社会の暗記、5年生であれば算数と理科の1学期の復習と2学期の予習。それに国語の読解問題になるでしょう。志望校の出題傾向やこれまでの成績によっても優先する内容が違うと思いますので、事前に塾の先生に相談してみるといいでしょう。

■計画は一回決めでば大丈夫というものではありません。夏休み中に何回か修正されるべきものです。実際に勉強を進めていくと、優先するものが変わってくることもありますし、塾から指示される内容もあるかもしれません。適宜修正をしながら、優先すべきものを確実に実行することが大事です。あれもこれもと欲張らず、クリアすべき課題に集中して取り組んでください。

(田中 貴)

(2005年7月2日)