まだまだ母親講座」カテゴリーアーカイブ

第20回 プラスイメージ

■6年生になると、子どもたちの受験に対する姿勢もいろいろ変化が見られてきます。例えば先日、6年生の女の子は「もう、あと5ヶ月しかないのよ」といっていましたが、同じ日、同じクラスの男の子は暗記のテストができなかったあとでも「でも、まだ5ヶ月あるからね。覚えられるよ。」と本気でいっていたのです。

■子どもたちについていえば、やはりマイナスイメージよりはプラスイメージを持っていてくれたほうが合格しやすいでしょう。なぜプラスイメージが良いのかといえば、成長に必要なやる気と自信が引き出されてくるかです。たとえ合格可能性が低くても、プラスに考える子どもは「何とかなる」と思いますし、最後まであきらめません。それが受験校を下げてほしい親からすると困った問題になることもあるのですが、しかし「落ちるかもしれない」とずっと心配している子よりはいいのです。(そういう心配する子に限ってあまり勉強はしないのですが。)

■問題はお母さんです。お母さんは一般的に言うと、マイナスイメージの強い方が多いのです。ご自分だけで心配されるのであれば問題はないのですが、このマイナスイメージが子どもたちに伝染してしまうケースがあります。子どもはお母さんが心配していると知ると、突然自信を失います。お母さんは自分を信じてくれていると思っている子が多いので、愕然としてしまうのかもしれません。

■ではどうすればプラスイメージをもてるのでしょうか。これは実は簡単です。プラスイメージを持つことを選択すればいいのです。こと子どもの受験に関して「心配しない」と決めるのです。「うちの子だから何とかするだろうし、合格しなくてもまた次の機会がある」という考え方を選択するのです。そうすれば、今度はそのお母さんの自信が子どもたちに伝染していきます。ぜひプラスイメージを持って子どもたちに接してあげてください。

(田中 貴)

(2005年9月4日)

第19回 模擬試験

■6年生の夏休み以降はいろいろな塾で多くの模擬試験が行われます。最近の模擬試験ではデータ処理をコンピューターで行い、なかなかカラフルな成績表が出てくるようになりました。このデータの中でやはり気になるのが合格可能性です。では、この合格可能性はどのように計算されているのでしょうか。

■各塾とも昨年の模擬試験の結果を踏まえて追跡調査を行います。そして模擬試験の成績と実際の入試の合否の相関関係を算出します。その結果としてある学校について、80%以上の合格者が出ている偏差値をモデル化して80%ラインを決めます。それ以上の偏差値をとれば合格可能性は80%ということになるわけです。また20%くらいが合格しているラインを同様にモデル化して20%ラインと決めます。その間を正規分布でとらえて、合格可能性を出すのです。

■ただ、どの模擬試験もひとつの試験ですべての学校の合格可能性を算出しますので、多少の無理が生じます。その模擬試験とほぼ同じ出題内容であれば合格可能性の信憑性が増しますが、一方で形式や傾向がまったく違う試験では、ぜんぜん違う結果が出てくる場合があるのです。

■その意味では模擬試験の合格可能性は参考値といえるでしょう。ただまったく的外れというわけでもありませんから、試験の内容をしっかり復習しながら、冷静に判断して受験校を絞り込んでください。当然のことながら模擬試験は秋以降、少なくとも月に一度は受験して、複数回の結果から内容を吟味していくことが重要になります。例えば合格可能性が低くても次第に右肩上がりになってくれば合格ラインを突破することは十分考えられますから、一度の試験の結果に一喜一憂することなく、データを見ていってほしいと思います。

(田中 貴)

(2005年8月30日)

第18回 夏休み残り2週間

■お盆を過ぎ、夏休みも残すところあと2週間です。6年生はこれまでの復習や基本的な問題の解法の学習を終えて、知識の暗記や過去問など秋の模擬試験に向けての実践的な学習を始める時期に入りましたし、5年生は2学期の予習にシフトしていきたい時期です。

■しかし、これまでの学習の様子を見ると、前期の学習が十分というわけにはいかないでしょう。予定が半分も終わっていないという子どももいるかもしれませんし、一応問題はこなしたものの、本当に理解できているのかはなはだ心もとないという場合もあるかもしれません。

■しかし、ここで予定を変えることなく、後半の学習に進んでください。本当に理解しているかどうか、不安な場合もあるかもしれませんが、子どもの学習に完璧というのはありません。ある程度は当然学習して理解も進んでいるでしょうが、だからといって完全にわかっている分野は限られます。ただ実戦的な学習をしたり、予習分野に進むことによって、その不完全な部分も明確になってくる場合もあるのです。

■そのとき、もう一度その場の勉強を進めるのに必要な復習だけをすればいいでしょう。そして、とにかく予定通り進んでください。その過程で子どもたちの理解が進む場合がほとんどなのです。これから後半がむしろ夏休みの勉強では重要な範囲に入ってきますから、確実に歩みを進めてほしいと思います。

(田中 貴)

(2005年8月15日)