まだまだ母親講座」カテゴリーアーカイブ

第23回 長期滞在と集団型個別指導

■私が思いついたこと、それは塾に長い時間いさせるということです。今まで、私はなるべく塾には来ない方がいいと考えていました。塾で習って自分で復習する、そのプロセスなくして子どもの力は伸びないと今でも考えています。ただ、家で復習することが難しいのであれば、その時間を確保しなければならないのです。

■フルタイムで働くお母さんは増えています。結果として子どもたちが家でやらなければいけないことを管理する人がいないのです。では、それを塾でやればいいのではないか、これが最初の発想でした。

■そこでスタッフにいろいろ調べてもらった結果、学童保育以外、小学生を預かってくれるところがないこともわかりました。学童保育ではなかなか子どもたちの受験勉強まで面倒は見られない、しかも4年生になると学童では預からないところも多く、子どもたちは家でお母さんが帰ってくるのを待っていなければならないのです。この時間がもっと有効につかえたら、実は夜はゆっくり過ごすことができるのではないかとも考えました。

■とはいっても毎日来るということはどういうことなのか、夏休みにいくつかの教室で実験をしてみました。しかし、これはある意味違和感がないことがわかったのです。夏期講習はみんな毎日来るのですから。問題は、滞在する時間が今までよりもうーんと長くなることです。具合が悪くなることだってあるでしょう。あるいはお母さんの帰りが遅ければ、食事のことを考えなければならないかもしれません。でも、少なくとも無駄になっていた時間を有効に使うことはできそうです。

■問題は、いろいろな子どもたちのニーズをひとりひとり満たしてあげる方法ですが、これも夏の講習時に試してみてやり方ははっきりしてきました。この内容についてはブログに書きましたので、ごらんいただければと思います。 中学受験で子どもと普通に幸せになる方法

■来週から荻窪の教室で、まずは子どもたちと昼間の早い時間から勉強を始めてみようと思っています。そしてなるべく夜は早く寝てもらって、朝、勉強をし、また午後には塾に来てもらう。この繰り返しをすることによって、子どもがもっとも効率よく勉強でき、かつ働くお母さんたちの心配が軽減されればいいと思っているのですが。

(田中 貴)

(2005年9月25日)

第22回 家で勉強しない!

■最近、ご相談を受ける内容で多くなったのが働いているお母さんの悩みです。小学校6年生なのだから、お母さんが帰ってくるまで、さすがに自分で勉強するだろうと誰もが考えます。しかし、そうではない子どもたちがたくさんいるのです。

■入学試験まであと半年、塾があれば夜遅くまで勉強してくるでしょうが、塾が毎日あるわけではありません。それに塾ばかりだと、自分だけの課題を克服できません。例えば過去問の演習とか知識を覚えるとか、個人でやらなければならない勉強はたくさんあるのです。

■しかし、家に帰って誰も監視する人がいないと、子どもたちは勉強しないのです。「ああ、疲れた」しばらくテレビを見ているうちに、すぐ眠ってしまったり。あるいはついはじめたゲームにはまってみたり。お母さんはもちろん、やるべき学習内容を指示したり、電話をかけたりしているのです。でも、家で勉強しないのです。

■でもそういう子も塾に来ると勉強しますし、だれかがいれば別に苦にもせず机に向かうのです。これらの子どもたちが入学試験に対して消極的であるわけではありません。しかし、やはり幼いのです。やらなければいけないことはわかっている、でもそれを誰かが見ていない限り、やれないのです。

■しかしながら、子どもは同じところにはいません。だから、やがて自分でやれるようになるのです。そういう意識をお母さんが家にいれば少しずつ、与えてあげることもできるかもしれません。でも、フルタイムで働くお母さんは増えています。だとすると、何かいい方法がないだろうか、私はある方法を試してみることにしました。(続)

(田中 貴)

(2005年9月18日)

第21回 スランプ

■秋になると6年生にスランプに陥る生徒が出てきます。今までできていた問題ができなくなる、成績が急降下する、一生懸命勉強しているのに成績が上がらない、などなど。停滞期に入ったともいえるでしょうが、入試が近づいてくるので親としてはどうしてもあせり気味になります。

■スランプの原因の大半は精神的な問題です。残り半年になって、入試に対する意識がはっきりしてきます。子どもたちが「落ちたらどうしよう」を考えるようになるのは、このころが最初です。結果を気にせず、今できることを確実に行うことが大事なのですが、模擬試験の結果も気になって、なかなか勉強がはかどらなくなります。

■さらに今までできていた問題まで間違えるようになると、これはちょっと気をつけなければならないでしょう。多くはミスで、後でやりなおせばできるという程度のものですが、それでもテスト会場で間違えるというのは、当然、本人が持っている力がでなくなっているいってもいいでしょう。

■子どもたちにはよく話していましたが、培った力はそう簡単になくなるものではないのです。ですから平常心にもどって、やるべきことをきちんとやればいいのです。では、どうすれば平常心にもどせるのでしょうか。ひとつは、心配は結果がでるまで消えないことを知ることです。ですから、心配はしない、工夫だけすればいいということを子どもたちにわかってもらうことです。これはいろいろな機会に話してあげるといいでしょう。しかし、一番はお母さんが慌てないことです。お母さんが慌てれば子どもはさらに自信を失いかねないのです。まずはどーんと構えてください。中学受験で子どもの人生は決まりません。そう思って口角をあげて、微笑んでください。

■勉強では自信を取り戻してあげることが大事です。私はよく、やさしい問題をさせていました。できたら「なんだ、できるじゃないか」、できなければもう一度やり直させてできることを確認します。今までがんばった力はどこにも行きはしないのです。慌ててたくさん勉強させたりすると、かえって疲れてしまい、さらに力が出なくなり、自信をなくします。できることを確実に、ぜひ心に刻んで子どもたちに接してあげてください。

(田中 貴)

(2005年9月11日)