まだまだ母親講座」カテゴリーアーカイブ

第10回 夏休みの勉強の仕方(2)

■まずやらなければならないことをリストアップします。1学期のテストの復習、過去問、テキストの不得意分野のやり直し、知識の暗記など、やらせたいということはたくさんあるでしょう。まずはそれをすべて書き出してしまうことです。

■その次に教科別に優先順位をつけていきます。これは3つのグループに分けてください。絶対やりたいこと、できたらやりたいこと、できなくてもいいもの(後に回せるもの)の3つです。これについては塾の先生と相談されてもいいと思います。もちろん、夏期講習の復習や宿題、あるいは夏休み用の宿題などもあるでしょうから、判断がつかなかったら塾の先生に優先順位をつけてもらってもいいかもしれません。

■リストアップが終わったら、今度は最初の絶対やりたいことにかかる時間数をおよそでいいですから計算します。例えばやり直しの問題が100題あるのであれば、1時間で5題とけるとして20時間、過去問は1年分1教科、見直しまで入れて1時間半とか、そういう感じでかかる勉強の総時間数を割り出します。

■次に子どものスケジュールを整理します。夏期講習があったり、移動教室があったりするかもしれません。それを書き込んで、夏休みにできる学習時間を割り出します。この段階で絶対やりたいことがすべて入らない場合は、削らなければなりませんし、時間があまるようなら次のグループについて計画を立てていきます。

■実際には絶対やりたいことで大半の時間が終わってしまうと思います。その時間で子どもの不得意な部分が解決しないとか、過去問が終わらないとか問題が出てきたら、再度塾の先生と相談してください。1日のスケジュールにしても、勉強時間を指定するだけでなく、具体的に何をどのくらいやるかも必ず盛り込んでスケジュール化することです。できたところで、できれば大書して家族の見えるところに貼り出してください。そして、終了したものは赤いマジックで消してください。赤いマジックが増えれば増えるほど、子どもたちの力はついていきます。
(田中 貴)

(2005年6月3日)

第9回 夏休みの勉強の仕方(1)

■夏休みまであと2ヶ月弱。塾でも夏期講習のことが話題になってくるころです。夏休みはやはりまとまって時間がとれる機会ですから、ぜひ上手に時間を使いながら力を伸ばしていかなければなりません。ですから、どんな勉強をすればいいか、しっかり計画を立てておく必要があります。

■最近の夏期講習は、だんだん長くなってきました。20日間、1日8時間などという講習をやる塾もあるようですが、ただ長く勉強すればいいというものではありません。特に6年生はそれぞれに目標があり、さらに得意な分野、不得意な分野があるはずです。ですからまず個人の課題があって、次に学校別対策を考えていかなければなりません。

■まず子どもの現状を考えていきましょう。もちろん、本人と話をしながら、具体的な課題を絞り込んでいきます。例えばあまり得意でない分野がないかどうか、各教科について考えていきます。もちろん志望校の入試傾向も前提に考えておかなければなりません。例えば記述が良く出るのなら、その対策もやっておきたいでしょうし、細かい知識がたくさん出るのであれば、知識を覚えることにも力をいれていかなければなりません。

■この不得手の分野を克服するにはやはり自分で学習するというのが一番です。もちろん塾に行って教えてもらってもいいし、個別指導を受けてもいいでしょう。しかし、ずーっと塾や個別指導にいるわけではありませんから、やはり自分で課題を克服していく必要があります。そのために、塾の先生と相談して自宅で何をやればいいのか、相談してください。

■そして、この夏休みの間にやりあげる学習内容を絞り込みます。40日間といっても講習や合宿もあるかもしれませんし、数えてみると意外に自宅で学習できる時間は少なくなっているものです。ですから、あれもこれもと欲張らず、弱点補強と学校別対策という観点にしぼって学習していきましょう。来週は夏休みの計画の立て方についてご説明します。
(田中 貴)

(2005年5月28日)

第8回 志望校の選び方(3)

■さて、ここまで考えてくると志望校はかなり絞られてくるのではないかと思います。これらの学校について、今度は子どもたちに行ってもらいましょう。機会としては文化祭が一番、良い機会になるのではないかと思います。秋は模擬試験などもあって、あまりゆっくりできないかもしれませんが、なるべくじっくりと体験してもらいましょう。

■その中で、子どもたちなりに感じるところはあるかと思います。例えばサッカーの好きな子が、文化祭でサッカーの試合をやっているのを見るだけで、かなり魅かれるだろうと思います。その他、学校の施設が最新のものだったり、あるいは雰囲気がクラシックだったりして子どもたちが気に入る場合も少なくありません。ただ、子どもたちの場合は、やはり雰囲気ですから、たまたま違う場面に会えば、違う結論になるかもしれません。

■ただ通うのも、勉強するのも子どもたちですから、本人が気に入った学校がやはり一番です。ですから、お父さん、お母さんが十分吟味した後で、本人を連れて行った方がすんなり決まるかもしれません。子どもたちはきわめて流動的に志望校を口にします。例えば、親しい友達が、志望校を口にするようになると、「僕もその学校を受ける」と言い出すことはよくあることです。

■その学校が家から近かったり、またお父さん、お母さんが納得のいく学校であればいいですが、そうでない場合もあるかもしれません。そこで頭ごなしに「そこはだめ」といってしまうと子どもがかたくなになってしまう場合があります。ですから、その場合はしっかりお父さん、お母さんの考えを説明してあげるといいでしょう。

■いずれにしても、ここまで考えてくれば子どもたちも自分がここに行きたいという気持ちになってくるでしょう。やはり「ここに入りたい」と強く思っている子どもたちは、努力もするし、成績も上がってきます。受験はやはり目的があってやることなので、少なくも5年生の秋までには第一志望を考えておくといいでしょう。さて、次回は第一志望が決まった上で、受験校の候補の絞り方をご説明しましょう。
(田中 貴)

(2005年5月21日)