第11回 第一志望の過去問

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■できれば夏休み前に、第一志望校の過去問を子どもたちに2年分くらいやらせておきましょう。そして、実際にどんな問題が出ているのか、どのくらいの難しさなのか、あるいはどんな傾向があるのかを調べておくことが必要です。

■最近は中学受験の難度が上がってきています。したがってすべての範囲を網羅する勉強法では目標校のレベルを突破するまでにかなりの時間や労力が必要です。しかし、ある程度目標が絞られてくると、その学校に出やすい問題を学習することで効率化を図ることができます。

■例えば文学史などは、10年間出なければまず出ないと思っていいし、逆に物語文の心情読解と記述しか出ないとなれば、そこに対策を集中さえていけばいいのです。そしてどの教科もある程度、出やすい問題の対策を突破口にして、次第にできる範囲を広げていきましょう。

■もちろん子どもたちが受験する学校は、1校だけではないので、ひとつの学校の傾向に絞るのは危険です。ただ、最初から全範囲を網羅しようとすると、行けども行けども到達しないという場合が当然考えられるので、優先順位としてはまず第一志望の頻出範囲から勉強するという勉強のやり方が効率的なのです。

■学校別の対策は秋に入ってからというのがこれまでの一般的な準備でした。しかし、入試難度があがるにつれて、やはりより効率良く学習して合格レベルに早めに達することが必要になってきています。だからといって大量の勉強をするということは、体力のない小学生には所詮大変なこと。ですから第一志望の傾向からまず勉強するという方法で、時間を上手に使ってほしいと思います。

(田中 貴)

(2005年6月11日)

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