はたまた母親講座」カテゴリーアーカイブ

第42回 直前期、親は何をすればよいか?

■受験まであと2ヶ月になりました。1月からスタートする地域もありますから、受験直前期です。この時期、親は何をすればよいのでしょうか?

■テストデーターを見ると、いろいろとやり残しが目につくはずです。あれもやってない、これもやってないと思うと、不安がどんどん大きくなっていきます。明日は、これをやらせなきゃと思ってみても、塾の宿題やらなんやらで決して時間が多くはありません。気ばっかりあせってと思っておられるお母さんは少なくないと思います。

■この時期、最も大事なことは自信をつけるということです。50の力でも本人が当日1.5倍の力を出せば75になり、100の力を持っている子でも当日萎縮すれば6割しか力が出ず、逆転が起こります。この1ヶ月なり2ヶ月は本人が「十分、準備した」と思えるようにしていくことが重要です。

■そのために、これからやる勉強は徹底的にしぼりこんでください。ぎりぎりになっても終わりそうにない問題集にはもう手をつけてはいけません。これまでやったことの中で、受験する学校で特に出そうなところを集中してやることが大事です。過去問も過去3年分くらいはぜったいに満点がとれる!という自信が出来るほど、やりこんでください。

■子どもが、この問題集の問題は全部できるとか、このノートに書いてあることは全部覚えたとか、そういう自信を持って受験会場に臨めるようにしてあげることです。そのためには、もはや否定的なことばを使うのはやめてください。子どもに対してはなるべくほめる言葉、積極的な言葉を使ってください。

■中学入試で人生は決まりません。中学入試はゴールではありえません。今この瞬間、子どもたちはどんどん成長しているのです。ですから中学受験もまた、成長の一過程と思われると良いでしょう。お子さんはお子さんなりにがんばっておられると思います。これが今後も続いていくことが大事で、そこを親がしっかりサポートしてあげるという態度が必要です。親がどんと腹を据えられると、結果は良いほうに出てきます。

■どうぞ「うちの子だから何とかする」と思ってください。このことに根拠は必要ありません。我が子を信じることは親にしかできないことですから、信心と思ってやってください。お子さんの顔つきがにわかに変わってくると思います。

(平成14年11月30日)

第41回 時事問題

■各塾や出版社から今年の時事問題集が発売される時期になりました。時事問題集を見ると、受験が近づいたなという気がするものです。やはりグラビアがしっかりしている方が読んでいて楽しいでしょう。複数買い求める方法もありますが、残り時間と考え合わせてください。

■時事問題というのは、最近の社会の動きを小学生としてどのくらい知っているのか、考えているのかを問うことに意義があります。したがって、細かな知識が必要ということよりも、そういう動きに関心を持ってニュースや新聞を見ているかということが本来、必要なことなのです。しかし、どうしても入試ですから対策が出てくるわけで、各塾や出版社が時事問題集として出版してくれるわけですから、これは利用した方が便利でしょう。

■本来、指導要領の範囲からすれば小学生に対して世界地理の問題を出題するわけにはいかないのですが、時事問題としては聞くことができるという解釈から、ときどき出題されています。そういう意味で今年を振り返るとやはり朝鮮半島の問題は、来年2月の頻出問題になりそうですね。

■今年は日韓共催のワールドカップがありました。また小泉首相がピョンヤンを訪れ、日朝交渉が再開することになりました。拉致問題、工作船問題、戦後の補償問題など朝鮮半島に関しては歴史の上からも、現代の面からも未解決の問題がたくさんあります。ただこれらの問題を小学生に対して尋ねていくということを考えると、やはり出題できる問題には限界があります。例えば朝鮮戦争の細かい知識はあまり出題されないでしょう。

■むしろ気をつけなければならないのは、歴史の問題や地理の問題とのかねあいです。例えば、朝鮮総督府や日韓併合の歴史事実を尋ねた上で、それが戦後朝鮮半島の歴史にどのような影響を与えていったのかを尋ねる問題は十分に予想される問題ですし、地図上でピョンヤンやソウルの位置を答える問題も十分考えられるでしょう。

■このほかにも今年は食品の品質の問題や、ノーベル賞、温暖化、イラク問題などがありました。年末各新聞で今年の10大ニュースを特集しますから、それを題材にぜひお子さんと話し合ってみてください。そういうコミュニケーションが本当はもっとも大事なことなのです。
(平成14年11月23日)

第40回 願書

■そろそろ願書を用意する時期になりました。各校でも配布が始まっています。まずファイルの用意から始めてください。各学校に必要な書類を入れる箱型のファイルケースが便利です。その上にA4の紙をはっておき、何をしたのか、時系列で書き込んでいけるようにします。

■まず願書は各校2部ずつ用意します。2部用意するのは、書き損じに備えるためです。そして提出書類をすべてコピーします。それから募集要項を良く読んでください。写真は何枚いるのか、写真の大きさはどうなっているか、試験費用の支払いはどうするのか、金額はいくらかなどをファイルの上の紙に書き込んでいきます。これがチェックリストになります。例えば写真については、サイズがどのくらいで、何枚必要なので、それをいつ頼み、いつ取りに行くのか予定を書き込んでおき、終了したらチェックマークをつけて確認していくと良いでしょう。それからコピーした書類に必要事項を書き込んでみます。当然、疑問が出てくると思いますので、再度、募集要項を良く読んで確認してください。それでもわからないことがありましたら、学校に直接問い合わせてください。どの学校でも親切に対応してくれます。

■出願方法は各学校によって異なります。郵送受付をする場合、各校で出願書類を受付け、現金で試験費用を支払う場合などいろいろです。郵便局で試験費用を支払ったのち、その証明書を添付する場合もありますから、やり方を確認してください。内申が必要な学校の場合、先生にお願いしなければなりません。12月の始めには書類を担任の先生に渡して、冬休み明けに受け取れるようなスケジュールを組むと良いでしょう。最近は通知表のコピーで対応する学校も増えてきました。内申と通知表コピーどちらでも可という学校の場合、その差はありませんから、コピーで良いでしょう。

■受験番号は合否にはまったく関係がありません。早い番号の方が熱心だろうとか、そういうことはどの学校も考慮にいれません。ただし、午後に面接や体育実技がある学校の場合、受験番号順に行うことがあります。この場合、遅い番号だと試験終了が4時過ぎになり、待ち時間が長くなります。もちろん、そういう待ち時間の対応を学校は考えてくれていますが、早く終わりたいと思う場合はやはり早い番号をとった方が良いでしょう。ただし、合否には何の関係もありませんが。

■出願時期はどうしても重なります。ですから十分にスケジュールを確認してください。お母さん一人では無理なときもありますから、家族で相談して、それぞれの役割を決めてください。国立では抽選がありますが、これを誰が引くか?という問題もあります。もちろん誰が引いてもかまわないのですが、子どもに引かせたいという場合もあるでしょう。ただ、寒い時期ですし、風邪を引きやすいので外出は控えた方が良いこともあります。当日の状況を考えて決めてください。

■試験終了後、今度は入学手続きが待っています。ここでミスをすると入学が取り消される場合があります。当然、重複して合格しますので、ある締め切りをもうけて、その段階で手続きをしなければ入学辞退とみなされます。この場合、たとえ忘れたり間違えて手続きをしなかったと後で連絡しても入学資格は復活しません。十分に気をつけてください。
(平成14年11月16日)