■各塾や出版社から今年の時事問題集が発売される時期になりました。時事問題集を見ると、受験が近づいたなという気がするものです。やはりグラビアがしっかりしている方が読んでいて楽しいでしょう。複数買い求める方法もありますが、残り時間と考え合わせてください。
■時事問題というのは、最近の社会の動きを小学生としてどのくらい知っているのか、考えているのかを問うことに意義があります。したがって、細かな知識が必要ということよりも、そういう動きに関心を持ってニュースや新聞を見ているかということが本来、必要なことなのです。しかし、どうしても入試ですから対策が出てくるわけで、各塾や出版社が時事問題集として出版してくれるわけですから、これは利用した方が便利でしょう。
■本来、指導要領の範囲からすれば小学生に対して世界地理の問題を出題するわけにはいかないのですが、時事問題としては聞くことができるという解釈から、ときどき出題されています。そういう意味で今年を振り返るとやはり朝鮮半島の問題は、来年2月の頻出問題になりそうですね。
■今年は日韓共催のワールドカップがありました。また小泉首相がピョンヤンを訪れ、日朝交渉が再開することになりました。拉致問題、工作船問題、戦後の補償問題など朝鮮半島に関しては歴史の上からも、現代の面からも未解決の問題がたくさんあります。ただこれらの問題を小学生に対して尋ねていくということを考えると、やはり出題できる問題には限界があります。例えば朝鮮戦争の細かい知識はあまり出題されないでしょう。
■むしろ気をつけなければならないのは、歴史の問題や地理の問題とのかねあいです。例えば、朝鮮総督府や日韓併合の歴史事実を尋ねた上で、それが戦後朝鮮半島の歴史にどのような影響を与えていったのかを尋ねる問題は十分に予想される問題ですし、地図上でピョンヤンやソウルの位置を答える問題も十分考えられるでしょう。
■このほかにも今年は食品の品質の問題や、ノーベル賞、温暖化、イラク問題などがありました。年末各新聞で今年の10大ニュースを特集しますから、それを題材にぜひお子さんと話し合ってみてください。そういうコミュニケーションが本当はもっとも大事なことなのです。
(平成14年11月23日)