はたまた母親講座」カテゴリーアーカイブ

第39回 文化祭

■文化祭のシーズンです。みなさん、志望校を中心にごらんになられると思います。複数の学校を見比べてみると、それぞれ校風の違いがはっきりします。整然と行われているのは、やはり学校側のおさえが利いている学校。管理型といっても良いかもしれません。逆にがちゃがちゃしているのは、子どもたちの意思を割と尊重する学校であることが多く、子どもたちが楽しそうにやっています。

■子どもたちは文化祭に行けば、自分の興味に合った展示物を見たいものです。将棋が好きな子は、将棋部で将棋をさしたいでしょうし、サッカーの好きな子はやはり試合を見たいでしょう。ただ親の方は、それに気をとられず、やはりしっかり学校を見ておく必要があります。

■特に大事なのは子どもたちの様子。ただここで見ておかなければならないのは、躾が行き届いているとか、身だしなみがいいとかいうことではなく、お子さんに合うだろうかという点です。

■活発な子どもの場合は、やはり放任型の方が学校生活は楽しいに決まっています。ただその分、どこでブレーキがかかるのかは親として心配なところ。その意味で学校の先生方が子どもたちにどう関わっているのかというのは、とても大事な点です。放任型にも2つタイプがあって、学校の先生がまったく無関心である場合と、しっかり目を配りながらしかし、子どもたちの意思を尊重する場合があります。当然、親としては後者の方が安心です。ですから、文化祭の中で先生方がどう動いているのかを見てみると、その学校のカラーがはっきりすると思います。

■おとなしい子どもの場合、人数が多く、自由放任の学校だと埋もれてしまうことが多く、その子の可能性を引き出すチャンスが少なくなる可能性があります。したがって、そういうタイプの子どもたちが、どんな役割を文化祭で担っているのか見ておくと、とても参考になります。なんとなく晩生(おくて)だなと思われるタイプの子でもいきいき活動していれば、それなりにケアが行われているのでしょうし、そうでなければ、やはりお子さんには合わないかもしれませんね。

■文化祭は、お子さんがこの学校にきたら、どんなことをするだろうか?ということを考えながら、ごらんになってください。きっとあの子のようになるだろうなというイメージがわいて、それがとても素敵に思えたら、その学校は多分お子さんには合う学校だろうと思います。お母さんのそういうイメージはとても大切ですから、ぜひしっかりご覧いただきたいと思います。
(平成14年11月9日)

第38回 朝型と夜型

■6年生ともなると、この時期、結構遅くまで起きているのではないかと思います。最近は大人の生活が深夜遅くまで伸びてしまっていて、子どもたちの寝る時間もかなり遅くなっているのではないでしょうか。

■結果として、11時、12時くらいまで起きて勉強している子どもたちもいるかもしれませんが、この夜型は子どもたちにとってはあまり効果がありません。というのも、子どもたち自身は疲労興奮という状態になっていますから、精神的にはハイな状態ではありますが、体全体が疲れているので、あまり力がつかないのです。

■子どもたちの体は成長期ですから、細胞が活発に動いています。その分、疲れも早くきます。したがって、それほど長く勉強が続かないのです。ところがいったん寝ると、回復力も早いので、すぐ元気になります。子どもたちと合宿に行くと、本当によくわかります。結構、早くから寝たなと思って安心していると、翌朝5時くらいから、騒ぎ出されてしまいます。いずれにしても、子どもたちには十分な睡眠と休息が必要です。

■したがって6年生のこの時期になってきたら、もうあまり遅くまで勉強するよりは、早起きをして勉強した方がよほど効率が良くなります。ところが夜遅くまでの生活が身についている子は、なかなか朝が起きられず、朝型に切り替えにくいのです。

■人間の脳は起きてから3時間後に十分に活性化して活動するのだそうです。したがって午前9時の試験開始から3時間もどすと午前6時になります。冬の午前6時起きはなかなか大変ですから、その日だけというわけにはいきません。やはり1ヶ月くらいの慣らし期間が必要でしょう。6時に起きるとして、8時間睡眠をとるとすれば、10時に寝なければならなくなります。そんな時刻はまだ塾から帰ってきてないなんていう子どももいるかもしれませんが、あまり遅くまで勉強しても、よほど体力のある子どもでない限り、力はつきません。

■私は遅くとも冬期講習が始まるころからは朝型に切り替えられるように指導してきました。確かに冬の早起きはつらいですが、朝はからだが十分休んでいるので、漢字の練習や計算練習でウォーミングアップした後、1時間くらい集中して勉強すると、かなり能率の良い勉強ができるはずです。ぜひ実行してください。
(平成14年11月2日)

第37回 面接の比重

■これから入試に向けて、こまごまと準備が進んでいきます。ただそういう中で何となく気になるのが面接試験。男子の学校ではほとんどなくなりましたが、女子校では行う学校が少なくありません。これが合否にどのくらいの比重を占めるのか、気になるところです。

■多くの学校では、面接の比重を「参考程度」と発表しています。実際に各学校の校長の先生に伺っても、面接で落ちるということはめったにないそうです。ただ、あまりにも態度が悪いと、これは成績が良くても落とすという先生もいらっしゃいました。ただ、これは何か理由がありそうで、本当に試験を受ける態度ではなかったといいますから、本意でない学校を受けさせられたので、子どもがそういう態度をとったのかもしれませんね。

■なぜ面接試験をやるのかといえば、やはり問題のある子かどうかを見たいという場合が多いようです。ただ、それが1度会ったぐらいではなかなかわからないというのが本音で、それで最近は面接試験が減少してきました。それに面倒な試験をやると敬遠されがちなので、調査書と同様に廃止している学校も少なくありません。

■一方で、面接がある場合は、やはり1~2回練習はしておきたいところです。別にマニュアル通りに受験することもないでしょうが、やはり中にはあがりやすい子どももいますので、想定される質問にきちんと答える練習はしておいた方が良いでしょう。

■面接で落ちるということはめったにありませんが、本人が失敗したと思うと、その後の試験に影響することもありますから、それなりに準備はしておきたいものです。お父さんやお母さんが面接官になって練習をすれば、本人も雰囲気がわかりますから、それだけでもずいぶん違います。塾では面接特訓を組んでいるところもありますから、それを利用するのも良いですが、だからといって何回も入念にやる必要もないでしょう。

■非常に少ないですが、親の面接がある学校もまだあります。これも一度は練習しておいた方が良いかもしれません。「お母さんが失敗したから私が落ちた!」ということはまずありませんが、本人にそう思われたくありませんからね。
(平成14年10月27日)