■6年生ともなると、この時期、結構遅くまで起きているのではないかと思います。最近は大人の生活が深夜遅くまで伸びてしまっていて、子どもたちの寝る時間もかなり遅くなっているのではないでしょうか。
■結果として、11時、12時くらいまで起きて勉強している子どもたちもいるかもしれませんが、この夜型は子どもたちにとってはあまり効果がありません。というのも、子どもたち自身は疲労興奮という状態になっていますから、精神的にはハイな状態ではありますが、体全体が疲れているので、あまり力がつかないのです。
■子どもたちの体は成長期ですから、細胞が活発に動いています。その分、疲れも早くきます。したがって、それほど長く勉強が続かないのです。ところがいったん寝ると、回復力も早いので、すぐ元気になります。子どもたちと合宿に行くと、本当によくわかります。結構、早くから寝たなと思って安心していると、翌朝5時くらいから、騒ぎ出されてしまいます。いずれにしても、子どもたちには十分な睡眠と休息が必要です。
■したがって6年生のこの時期になってきたら、もうあまり遅くまで勉強するよりは、早起きをして勉強した方がよほど効率が良くなります。ところが夜遅くまでの生活が身についている子は、なかなか朝が起きられず、朝型に切り替えにくいのです。
■人間の脳は起きてから3時間後に十分に活性化して活動するのだそうです。したがって午前9時の試験開始から3時間もどすと午前6時になります。冬の午前6時起きはなかなか大変ですから、その日だけというわけにはいきません。やはり1ヶ月くらいの慣らし期間が必要でしょう。6時に起きるとして、8時間睡眠をとるとすれば、10時に寝なければならなくなります。そんな時刻はまだ塾から帰ってきてないなんていう子どももいるかもしれませんが、あまり遅くまで勉強しても、よほど体力のある子どもでない限り、力はつきません。
■私は遅くとも冬期講習が始まるころからは朝型に切り替えられるように指導してきました。確かに冬の早起きはつらいですが、朝はからだが十分休んでいるので、漢字の練習や計算練習でウォーミングアップした後、1時間くらい集中して勉強すると、かなり能率の良い勉強ができるはずです。ぜひ実行してください。
(平成14年11月2日)